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代数的整数論 004

1 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 21:57:04
Kummer ◆g2BU0D6YN2氏が代数的整数論を語るスレです。

前スレ
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/

2 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/23(木) 22:03:06
有難う

3 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:05:47
最近来たので前スレも全部フォローできてないでつが、
期待しておりまつ(`・ω・´)

4 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:12:20
>>1 king氏ね

5 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/11/23(木) 22:22:01
talk:http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1141019088/1000n 何やってんだよ?
talk:>>4 お前に何が分かるというのか?

6 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:29:59
>>5 king氏ね

7 :KingOfUniverse ◆667la1PjK2 :2006/11/23(木) 22:37:31
人の脳を読む能力を悪用する奴を潰せ。

8 :132人目の素数さん:2006/11/23(木) 22:40:50

!qni>|



9 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 12:53:10
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
簡単のために、この事実を M = [x_1, ..., x_n] と書くことにする。

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_m = a_(m,1)x_1 + ..., + a_(m,n)x_n

を M の元とし y_1, ..., y_m で生成される M の部分群を N とする。
N = <y_1, ..., y_m> と書くことにする。

M/N は有限群とは限らないが、N の自由群としての基底は
前スレ3の989の考えを利用して以下のように求めることが出来る。

10 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 13:00:32
m 個の元 a_(1,n), ..., a_(m,n) の最大公約数を d_n ≧ 0 とする。

d_n = a_(1,n)b_1 + ... + a_(m,n)b_m となる有理整数
b_1, ..., b_n がある。これ等を具体的に求めるには Euclid の
互除法を使えばよい。

z_n = b_1y_1 + ... + b_my_m とおく。

z_n は N の元で x_1, ..., x_n の一次結合であらわしたとき
x_n の係数は d_n である。

d_n = 0 なら a_(1,n) = ... = a_(m,n) = 0 だから
N = <y_1, ..., y_m> ⊂ [x_1, ..., x_(n-1)] である。

d_n ≠ 0 と仮定する。
a_(i,n) = d_n q_i とする。
y_i - q_iz_n の x_n の係数は 0 である。

一方、
N = <y_1, ..., y_m> = <y_1, ..., y_m, z_n>
= <y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n, z_n>

よって
L = <y_1 - q_iz_n, ..., y_m - q_mz_n> とおくと、
N = L + Z(z_n) である。

L は [x_1, ..., x_(n-1)] に含まれる。
この L と [x_1, ..., x_(n-1)] に上記と同様の手続きを行う。

最終的に、N = <z_1, ..., z_n> となる。
z_1, ..., z_n のなかで 0 となるものを省けば N の基底が得られる。

11 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 16:55:17
2次の代数体を略して2次体と呼ぶ。
前スレ3の759と760より任意の2次体は Q(√m) と一意に書ける。
ここで m は平方因子を持たない有理整数である。

逆に m ≠ 0, 1 が平方因子を持たない有理整数のとき
Q(√m) は2次体である。

今後、特に断らない限り2次体を Q(√m) のように書いたとき m は
平方因子を持たない有理整数とする。

前スレ3の768より2次体 Q(√m) の整数環は Z[ω] = Z + Zω の
形をしている。
ここで m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら ω = √m である。

今後、特に断らない限り Q(√m) の整数環を扱うときは ω は
この意味で使う。

12 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 16:59:03
命題
m ≠ 0 を平方因子を持たない有理整数とする。
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 に
対して、その剰余環は有限環である。

証明
I の元 α ≠ 0 をとる。α のノルム N(α) = αα' は有理整数
である(前スレ3の927)。
a = N(α) とおく。a ≠ 0 で a ∈ I である。

Z[ω]/aZ[ω] はアーベル群として Z/Za と Zω/Z(aω) の直和と
同型であるから |a|^2 個の元からなる。

Z[ω] ⊃ I ⊃ aZ[ω] だから Z[ω]/I は有限環である。
証明終

13 :132人目の素数さん:2006/11/24(金) 17:05:29
>>12 久しぶりに来たんで最近何を目指してやってんのか教えて

14 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 17:31:51
命題
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + cω] と一意に書ける(この記法については >>9 参照)。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
>>12 と 前スレ3の988より I = [a, b' + cω] と書ける。
ここで a > 0, c > 0 である。前スレ3の996より a と c は I により
一意に決まる。
k を任意の有理整数として I = [a, (b' + ka) + cω] となることは
明らかだろう。従って、b ≡ b' (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を
とれば、I = [a, b + cω] となる。b は a により一意に決まる。

a は I に含まれる最小の正の有理整数である。
c は x + yω ∈ I で y > 0 となる最小の y である。
aω ∈ I だから a は c で割れる。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

(b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cω - c(1 - m)/4
= (b + c)ω - c(1 - m)/4 ∈ I
よって b + c ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。
よって
(b + cω)ω = bω + cω^2 = bω + cm ∈ I
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終

15 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/24(金) 17:41:34
>>13

2次体の整数論を構成的つまり具体的に計算可能な方法でやろうとしている。

例えばイデアル I の生成元 α_1, ..., α_n が与えられたとき、
I を素イデアルの冪積に分解するとか。

類数を計算する方法とか。

そのため2元2次形式論についても述べる予定。

16 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 02:30:40
定義
>>14 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。

17 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 02:36:13
定義
>>14 において c = 1 となるとき、I を原始イデアルと呼ぶ。

18 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 03:04:32
命題
2次体 Q(√m) の整数環の任意のイデアル I ≠ 0 は
原始イデアル J と有理整数 c > 0 の積 I = cJ に一意に書ける。

証明
>>14 において a と b は c で割れるから、
a = ca'
b = cb'
とする。

I = [ca', cb' + cω] = c[a', b' + ω] となる。
J = [a', b' + ω] は (1/c)I に等しいからイデアルである。
よって、a', b' + ω は J の標準基底であり、J は原始イデアルである。

I = cJ と一意に書けることは、標準基底の一意性より明らか。
証明終

19 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 04:06:12
命題
2次体 Q(√m) と a > 0, 0 ≦ b < a となる有理整数 a, b に対して、
N(b + ω) が a で割れれば a, b + ω はあるイデアルの標準基底である。

証明(高木の初等整数論講義)
a と b + ω が Z 上一次独立なのは明らか。
よって [a, b + ω] がイデアルであることを示せばよい。
つまり、aω ∈ [a, b + ω] と (b + ω)ω ∈ [a, b + ω]
を示せばよい。

aω = -ab + a(b + ω) ∈ [a, b + ω] である。

N(b + ω) = ak とする。

つまり (b + ω)(b + ω') = ak である。

Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。
s は有理整数である(実際、0 または 1)。

ω' = s - ω より
(b + ω)(b + s - ω) = ak
よって
(b + ω)(b + s) - (b + ω)ω = ak
よって
(b + ω)ω = -ak + (b + ω)(b + s) ∈ [a, b + ω]
証明終

20 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 04:22:07
>>14>>19 は簡単だけど2次体論では基本的。
しかし意外と書いてある本は少ない。

21 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 04:32:57
Milne の online book Algebraic number theory
の後ろに Wyle のいい文章が載っている。

And after the first year [as an undergraduate at Gottingen] I went
home with Hilbert's Zahlbericht under my arm, and during the summer
vacation I worked my way through it—without any previous knowledge
of elementary number theory or Galois theory. These were the happiest
months of my life, whose shine, across years burdened with our common
share of doubt and failure, still comforts my soul.
Hermann Weyl, Bull. Amer. Math. Soc. 50 (1944), 612–654.

22 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 04:35:44
Wyle じゃなくWeyl ね

23 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 05:05:16
2次体 Q(√m) の非零の整数 α_1, ..., α_n が与えられたとき
イデアル I = (α_1, ..., α_n) の標準基底は以下のようにして
求まる。

I = <α_1, ..., α_n, α_1ω, ..., α_nω> である
(この記法については >>9 参照)。

I ⊂ [1, ω] だから I の自由アーベル群としての基底は >>10
方法で求まる。

つまり I = [a, b' + cω] と書ける。
ここで a > 0, c > 0 である。
b ≡ b' (mod a) で 0 ≦ b < a となる b を
とれば、I = [a, b + cω] となる。
a と b が c で割れることは >>14 からわかる。

24 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 05:37:15
定義
I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数環のイデアルとする。
>>12 より Z[ω]/I は有限環である。
Z[ω]/I の元の個数を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、
N(I) と書く。

25 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 05:43:48
命題
I = [a, b + cω] をイデアル I の標準基底による表示とすると、
N(I) = ac である。

証明
前スレ3の991より直ちに出る。

26 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 09:43:46
クンマー拡大!

27 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 14:27:36
>20
> >>14>>19 は簡単だけど2次体論では基本的。
> しかし意外と書いてある本は少ない。
Edwin Weiss, "Algebraic Number Theory" には載っている。
但し、この本は強烈に読みにくい。

28 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 15:14:03
>>27

それは読んだことはないがわりと有名な本だよね。
当時(1960年代半ば)、英語で書かれた代数的整数論の本は非常に
少なかったから。

Milne は >>21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。

29 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 15:14:55
クンマー拡大!

30 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 15:25:33
>28
> Milne は >>21 で、その本について fussy and pedantic と書いている。
Milneは凄いと思う。
あれだけの内容のノート類を公開しているんだから。
Kummerさんも、早く纏めてね。期待してまっせ。

31 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 15:34:48
ところでこのスレと前スレの内容について私は版権を主張できる
のかな?
まず出来そうもないが。

例えば、このシリーズをまとめて本を出版するってことは出来ない
のだろうか?

32 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 15:38:27
クンマー拡大!

33 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 16:27:27
補題
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
つまり、>>9 の記法で M = [x_1, ..., x_n] とする。

y_1 = x_1 + a_2x_2 + ... + a_nx_n とおく。
ここで、a_2, ..., a_n は任意の有理整数。

このとき
[x_1, ..., x_n] = [y_1, x_2, ..., x_n]
である。

証明
y_1, x_2, ..., x_n で生成される M の部分群を N とおく。
つまり >>9 の記法で N = <y_1, x_2, ..., x_n> である。

x_1 = y_1 - (a_2x_2 + ... + a_nx_n) だから
x_1 ∈ N

よって M = N である。
y_1, x_2, ..., x_n が Z 上一次独立なことは明らかだろう。
証明終

34 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 16:43:13
次の補題は >>14 の前に述べたほうがよかった。

補題
a, b, c, e を有理整数とし、a > 0, c > 0 とする
2次体 Q(√m) において
[a, b + cω] = [a, e + cω]
であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。
ここで両辺は Z[ω] の部分アーベル群であり、必ずしもイデアルで
なくてよい。

証明
[a, b + cω] = [a, e + cω] なら
b + cω - (e + cω) = b - e は [a, b + cω] に含まれる。

a は [a, b + cω] に含まれる最小の正数だから
b ≡ e (mod a) である。

逆は >> 33 よりでる。
証明終

35 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 17:00:47
>>19 の逆も成り立つ。

命題
2次体 Q(√m) において
I= [a, b + ω] がイデアルなら、N(b + ω) は a で割れる。
ここで a, b は有理整数で、a > 0 である。

証明
N(b + ω) = (b + ω)(b + ω') ∈ I であることから明らか。
証明終

36 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 17:11:08
>31
> このスレと前スレの内容について私は版権を主張できるのかな?
> まず出来そうもないが。
自分の書いた部分に著作権は主張できる筈。
版権は、よく判らん。ひろゆきにあるのかな?

37 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 17:20:45
補題
p を奇素数とする。
[p, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるためには

m ≡ 1 (mod 4) なら (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら b^2 ≡ m (mod p)
となることがそれぞれ必要十分である。

証明
>>19>>35 より [p, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod p) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4

よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod p)
左辺を k とおくと、p は奇素数だから
これは 4k ≡ 0 (mod p) と同値である。
すなわち、(2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + √m) = b^2 - m
よって b^2 ≡ m (mod p)
証明終

38 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 18:57:14
補題
n を有理整数とする。
n ≡ 1 (mod 4) のとき、
n ≡ 1 (mod 8) または n ≡ 5 (mod 8) である。

証明
n = 4k + 1 とする。
k が偶数なら n ≡ 1 (mod 8)
k が奇数なら n ≡ 5 (mod 8) である。
証明終

39 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:19:10
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる。
m ≡ 1 (mod 8) のとき、任意の有理整数 b で [2, b + ω] はイデアル
となる。
m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)
[2, b + ω] はどんな有理整数 b に対してもイデアルにならない。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

m ≡ 1 (mod 4) なら
N(b + ω) = N(b + (1 + √m))/2) = N((2b + 1 + √m)/2)
= ((2b + 1)^2 - m)/4
よって ((2b + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
よって (2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) が必要十分である。

b が偶数なら b = 2k とすると
(4k + 1)^2 - m = 16k^2 + 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

b が奇数なら b = 2k - 1 とすると
(4k - 1)^2 - m = 16k^2 - 8k + 1 - m ≡ 0 (mod 8)
よって m ≡ 1 (mod 8)

逆に m ≡ 1 (mod 8) なら、b が偶数でも奇数でも
(2b + 1)^2 - m ≡ 0 (mod 8) となる。
証明終

40 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:24:58
訂正

>>39
>m ≡ 1 (mod 8) でないなら、つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

m ≡ 1 (mod 4) かつ m ≡ 1 (mod 8) でないなら、
つまり m ≡ 5 (mod 8) なら(>>38)

41 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:34:44
補題
[2, b + ω] が2次体 Q(√m)の整数環のイデアルとなるための条件を
述べる(>>39 の続き)。
m ≡ 2 (mod 4) なら b ≡ 0 (mod 2)
m ≡ 3 (mod 4) なら b ≡ 1 (mod 2)
が [2, b + ω] がイデアルとなるための必要十分条件である。

証明
>>19>>35 より [2, b + ω] がイデアルとなるためには
N(b + ω) ≡ 0 (mod 2) が必要十分である。
この条件を書き直して見よう。

ω = √m だから
N(b + ω) = (b + √m)(b - √m) = b^2 - m ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 2 (mod 4) なら m ≡ 0 (mod 2) だから b^2 ≡ 0 (mod 2)
よって b ≡ 0 (mod 2)

m ≡ 3 (mod 4) なら m ≡ 1 (mod 2) だから b^2 ≡ 1 (mod 2)
よって b ≡ 1 (mod 2)
証明終

42 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 19:37:18
人工無能やぶれたり!w

8 名前:132人目の素数さん[sage] 投稿日:2006/11/23(木) 22:40:50

!qni>|



43 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 19:58:57
命題
2次体 Q(√m) において非零素イデアル P は pZ[ω] または
[p, b + ω] の形である。ここで p は有理素数、b は有理整数。

証明
P = [p, b + cω] となる(>>14)。
c は p の約数だから c = 1 または c = p である。
c = p なら b は p で割れるから(>>14)、P = [p, pω] となる(>>34)。
よって P = pZ[ω] である。
証明終

44 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 20:15:46
クンマー拡大!

45 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:26:15
定義
2次体 Q(√m) において ω の Q 上のモニックな最小多項式を
f(X) とする(前スレ2の927)。
f(X) の判別式を2次体 Q(√m) の判別式と呼ぶ。

46 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:30:41
訂正

>>45
>(前スレ2の927)。

>(前スレ3の927)。

47 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:37:08
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。
ここで、
m ≡ 1 (mod 4) なら P = [p, (m - 1)/2 + ω] = [p, (m + √m)/2]

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, ω] = [p, √m]

2) D が p と素で mod p の平方剰余のとき
pZ[ω] = PP' となる。

ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

3) D が p と素で mod p の平方非剰余のとき
pZ[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の957と>>37による。
証明終

48 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 20:46:52
クンマー拡大!

49 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 20:57:09
命題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

1) 2 が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

2) m ≡ 1 (mod 8) のとき
2Z[ω] = PP' となる。
ここで P, P' は Z[ω] の相異なる素イデアルで
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

3) m ≡ 5 (mod 8) のとき
2Z[ω] は素イデアルである。

証明
前スレ3の958と>>39, >>40, >>41による。
証明終

50 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 21:09:23
>>47>>49 あってるかな?
こういう素イデアルの標準基底まできちんと書いてある本少ないね。
高木もこのへん、ややはしょっている。

51 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 21:13:45
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52 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 22:13:45
前スレ3の751で平方剰余の相互律を証明したが、ここで平方剰余の
第2補充法則を述べる。

λを奇素数とし、Z[η] = Z[η_0, η_1] を (λ - 1)/2 項周期から
構成される円分整数全体のなす環とする(前スレ3の744)。
Q[η] は2次体である。

前スレ3の744より
2Z[η] が Z[η] の相異なる2個の素イデアルの積となるためには
2 が λ を法として平方剰余であることが必要十分である。

2Z[η] が Z[η] の素イデアルであるためには
2 が λ を法として平方非剰余であることが必要十分である。

前スレ3の748より
Q[η] の判別式 D は
λ ≡ 1 (mod 4) のときは D = λ
λ ≡ -1 (mod 4) のときは D = -λ
となる。

>>49 より

1) λ ≡ 1 (mod 4) のとき
λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1

λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

2) -λ ≡ 1 (mod 4) のとき
-λ ≡ 1 (mod 8) なら (2/λ) = 1
-λ ≡ 5 (mod 8) なら (2/λ) = -1

53 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 22:24:10
λ ≡ ±1 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は偶数である。
λ ≡ ±5 (mod 8) のとき (λ^2 - 1)/8 は奇数である。
よって >>52 より (2/λ) = (-1)^((λ^2 - 1)/8)
これが平方剰余の第2補充法則である。

54 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 22:33:57
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55 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/25(土) 22:36:42
>>52 は 前スレ3の751の平方剰余の相互律の証明と本質的には同じである。
2次体はそれを含む円分体により統制されていることが分かるだろう。

これらの証明は非常に美しいし、神秘的だと思う。

56 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 22:42:58
同値類から整数の減法の定義を導きたいのですが、考えてもわかりません。
調べても加法と乗法しか載っておらず困ってます。
初歩的な質問で申し訳ありませんが、わかる方いらっしゃったら教えてください。
よろしくお願いします。


57 :132人目の素数さん:2006/11/25(土) 22:54:12
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58 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 09:40:47
今後、特に断らなければ2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] のイデアルで
0 でないものを単に Q(√m) のイデアルと呼ぶことにする。
したがって、Q(√m) の素イデアルといえば Z[ω] の素イデアルで
0 でないものを意味する。

59 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 09:52:37
定義
2次体 Q(√m) の単位写像でない自己同型を σ とする。
つまり σ(√m) = -√m である。

Q(√m) のイデアル I に対して σ(I) は 明らかに Q(√m) の
イデアルである。
これを I の共役イデアルと呼ぶ。

特に断らない限り I の共役イデアルを I' と書く。

60 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:11:32
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 1) より p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>47 の 1) より
m ≡ 1 (mod 4) のとき P = [p, (m + √m)/2] である。

P' = [p, (m - √m)/2] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, (-m + √m)/2] -- これは (m - √m)/2 に -1 を掛けたもの
= [p, m + (-m + √m)/2] -- m は p の倍数だから >>34 より
= [p, (m + √m)/2]
= P

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら P = [p, √m] である。

P' = [p, -√m] -- 共役イデアルの定義(>>59)
= [p, √m] -- これは -√m に -1 を掛けたもの
= P

証明終

61 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:28:39
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を奇素数とする。

>>47 の 2) より D が p と素で mod p の平方剰余のとき pZ[ω] = PP'
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より

m ≡ 1 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b - 1 + ω]
ここで (2b + 1)^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b + 1 - ω]   -- ω + ω' = 1 を使った
= [p, -b - 1 + ω]   -- b + 1 - ω に -1 を掛けたもの

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
P = [p, b + ω]
P' = [p, -b + ω]
ここで b^2 ≡ m (mod p)

P = [p, b + ω] の共役は
[p, b + ω']
= [p, b - ω]   -- ω = √m
= [p, -b + ω]   -- b - ω に -1 を掛けたもの

証明終

62 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:39:53
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 1) より
2 が D の約数 のとき 2Z[ω] = P^2 となるが
この素イデアル P は自己共役である。つまり P = P' である。

証明
>>49 の 1) より
m ≡ 2 (mod 4) なら P = [2, ω] = [2, √m]
m ≡ 3 (mod 4) なら P = [2, 1 + ω] = [2, 1 + √m]

これより >>60 と同様にして確かめればよい。
証明終

63 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:47:03
補題
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。

>>49 の 2) より m ≡ 1 (mod 8) のとき 2Z[ω] = PP' となるが
となるが、この P' は P の共役イデアルである。

証明
>>47 の 2) より
P = [2, ω] = [2, (1 + √m)/2]
P' = [2, 1 + ω] = [2, 1 + (1 + √m)/2]

P の共役は
[2, (1 - √m)/2]
= [2, (-1 + √m)/2]
= [2, 2 + (-1 + √m)/2]
= [2, 1 + (1 + √m)/2]

証明終

64 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 10:58:21
命題
2次体 Q(√m) において、任意の素イデアル P の共役イデアル P' は
素イデアルであり、PP' = N(P)Z[ω] となる。

証明
P' が素イデアルであることは共役イデアルの定義より明らか。

>>60, >>61, >>62, >>63>>47 の 3), >>49 の 3)
および >>25 よりわかる。

証明終

65 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 11:26:18
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66 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:28:26
補題
B を単項イデアル整域とし、t をその素元とする。
B/tB は標数 p の有限体で |B/tB| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|B/(t^r)B| = q^r = p^(fr)

である。

ここで、有限集合 S に対して |S| は S の元の個数を表す。

証明
B のイデアルの列 B ⊃ tB ⊃ ... ⊃ (t^r)B より、
|B/(t^r)B| = |B/tB||tB/(t^2)B|...|(t^(r-1))B/(t^r)B|

一方、前スレ3の896 より、|(t^(i-1))B/(t^i)B| = |B/tB|
|B/(t^r)B| = |B/tB|^r

証明終

67 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:41:49
命題
A を Dedekind 整域(前スレ2の601)とし、P をその素イデアルとする。
A/P は標数 p の有限体で |A/P| = p^f = q とする。
r ≧ 1 を任意の整数とする。

|A/P^r| = q^r = p^(fr)

である。

証明
前スレ3の895 より A/P^r は A_P/(P^r)A_P に標準的に同型である。
A_P は離散付値環(前スレ2の585)だから >>66 よりわかる。
証明終

68 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:51:41
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の非零イデアル I に対して A/I が
有限環のとき A は有限ノルム性を持つという。

このとき |A/I| を I の絶対ノルムまたは単にノルムと呼び
N(I) と書く。

69 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 11:55:36
補題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の非零イデアルで互いに素、
すなわち I + J = A とする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

70 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 12:03:41
命題
A を有限ノルム性(>>68)を持つ Dedekind 整域とする。
I と J を A の任意の非零イデアルとする。

このとき N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
>>67 より A の非零素イデアルにたいして N(P^r) = N(P)^r である。
これと A の任意の非零イデアルが非零素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>69 よりわかる。

証明終

71 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 12:26:21
命題
2次体 Q(√m) において、任意のイデアル I とその共役イデアル I'
に対して
II' = N(I)Z[ω] となる。

証明
>>64 より素イデアル P に対して PP' = N(P)Z[ω] となる。
よって任意の有理整数 r ≧ 1 に対して、
(P^r)(P')^r = N(P)^rZ[ω] = N(P^r)Z[ω] (>>67より)

これと Q(√m) の任意のイデアルが素イデアルのべき積に
一意に分解されること(前スレ2の676)、および >>70 よりわかる。

証明終

72 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 12:56:51
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73 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 13:41:32
定義
2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] の可逆元を Q(√m) の単数と呼ぶ。

74 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 13:52:47
命題
2次体 Q(√m) の整数 α が単数であるためには
N(α) = 1 または N(α) = -1 となることが必要十分である。

証明
α が単数なら αβ = 1 となる整数 β がある。
N(αβ) = N(α)N(β) = 1 であるが、N(α) と N(β) は有理整数
(前スレ3の927)だから N(α) = 1 または N(α) = -1 である。

逆に N(α) = 1 または N(α) = -1 とする。

N(α) = 1 なら αα' = 1 だから α は単数である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は単数である。

証明終

75 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 14:05:45
命題
α ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整数とすると
N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

ここで右辺は N(α) の絶対値をあらわす。

証明
イデアル αZ[ω] の共役イデアルは α'Z[ω] である。
よって
(αZ[ω])(α'Z[ω]) = αα'Z[ω] = N(α)Z[ω]

一方、>>71 より (αZ[ω])(α'Z[ω]) = N(αZ[ω])Z[ω] となる。

したがって N(α)Z[ω] = N(αZ[ω])Z[ω] である。
よって
N(α) = N(αZ[ω])εとなる整数εがある。
容易にわかるようにεは単数である。

両辺のノルムをとると
N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 N(ε) となる。
>>74 より N(ε) = ±1 であるから

N(α)^2 = ±N(αZ[ω])^2 となる。

左辺は正だから N(α)^2 = N(αZ[ω])^2 である。
よって N(α) = ±N(αZ[ω]) である。

N(αZ[ω]) > 0 だから N(αZ[ω]) = |N(α)| である。

証明終

76 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 15:32:43
M を x_1, ..., x_n を基底とする自由アーベル群とする。
N を M の部分群で M/N が有限群となるものとする。

前スレ3の988より N は n 次の自由アーベル群である。
N の基底を y_1, ..., y_n とし、

y_1 = a_(1,1)x_1 + ..., + a_(1,n)x_n
.
.
y_n = a_(n,1)x_1 + ..., + a_(n,n)x_n

とする。

このとき、|M/N| = |det(a_(i,j))| である。

証明は後で行う。

77 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 15:36:59
>>76 の証明

A = (a_(i,j)) を n × n 行列 とする。
X を (x_1, ..., x_n) を縦にしたベクトルとする。
Y を (y_1, ..., y_n) を縦にしたベクトルとする。
Y = AX である。

前スレ3の988 より

N の基底 z_1, ..., z_n で、

z_1 = b_(1, 1) x_1
z_2 = b_(2, 1) x_1 + b_(2, 2) x_2
.
.
z_i = b_(i, 1) x_1 + b_(i, 2) x_2 + ... + b_(i, i) x_i
.
.
z_n = b_(n, 1) x_1 + b_(n, 2) x_2 + ................ + b_(n, n) x_n

となるものがある。
ここで 各 b_(i, i) > 0 である。

前スレ3の991 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) である。

B = (b_(i,j)) を n × n 行列 とする。
Z を (z_1, ..., z_n) を縦にしたベクトルとする。
Z = BX である。

(続く)

78 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 15:48:30
>>77 の続き

Y と Z は N の基底だから、
Y = CZ となる有理整数を成分とする行列 C で可逆、つまり
CD と DC が n 次の単位行列となる有理整数を成分とする行列 D が
存在する。det(CD) = det(C)det(D)= 1 だから det(C) = ±1 である。

Z = BX と Y = CZ より Y = CBX となる。
一方、Y = AX だから
AX = CBX となる。
よって A = CB となる。
よって det(CB) = det(A) となる。
よって ±det(B) = det(A) となる。

>>77 より |M/N| = b_(1, 1)b_(2, 2)...b_(n, n) = det(B) だから
|M/N| = |det(A)| である。
証明終

79 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 16:51:31
訂正

>>69
>中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

>中国式剰余定理(前スレ1の341)より明らか。

80 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 20:01:16
>>75 の別証

αZ[ω] = [α, αω] は Z[ω] の部分アーベル群である。
1) α = a + bω
2) αω = c + dω
とする。

この2式の両辺の共役をとると
3) α' = a + bω'
4) α'ω' = c + dω'

α, αω を第1行、
α', α'ω' を第2行に持つ行列の行列式をΔ[α, αω] とする。

同様に 1, ω を第1行、1, ω' を第2行に持つ行列の行列式
をΔ[1, ω] とする。

a, b を第1行
c, d を第2行に持つ行列を A とする

1), 2) ,3) ,4) より
Δ[α, αω] = det(A)Δ[1, ω] となる。

Δ[α, αω] = αα'Δ[1, ω] = N(α)Δ[1, ω]
よって N(α)Δ[1, ω] = det(A)Δ[1, ω]

Δ[1, ω] = ω' - ω ≠ 0 であるから、
N(α) = det(A) となる。
1), 2) と >>76 より N(αZ[ω]) = |det(A)| だから
N(αZ[ω]) = |N(α)| となる。
証明終

81 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 20:45:26
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアル(>>17) とする。
ここで a > 0 で a = gh, g > 0, h > 0 とする。

このとき、J_1 = [g, r + ω], J_2 = [h, r + ω] はそれぞれ
イデアルで I = (J_1)(J_2) となる。

証明(高木の初等整数論講義)
θ = r + ω とおく。
N(θ) は a で割れる(>>35)から g と h でも割れる。
よって [g, θ] と [h, θ] はイデアルである(>>19)。

(J_1)(J_2) = (gh, gθ, hθ, θ^2) ⊂ I である。

>>25 より N(I) = a = gh = N(J_1)N(J_2) である。
>>70 より N((J_1)(J_2)) = N(J_1)N(J_2) である。
よって I = (J_1)(J_2) である。
証明終

82 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 21:01:10
TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
つか掲示板じゃ見にくすぎる。

83 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 21:15:32
>82
> TeX でまとめなおせば本にもできるだろ。
> つか掲示板じゃ見にくすぎる。
前からそう言ってるんだけどね・・・

84 :132人目の素数さん:2006/11/26(日) 21:22:14
>>82

そうなの?
版権の問題はないのかな。

85 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/26(日) 22:22:20
>>81 の命題は高木以外では見たことがない。
意外だね。基本的なことなのに。

86 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 11:22:54
>56
此処 ⇒ h ttp://www1.ezbbs.net/19/dslender2/ で聞いてみたら如何かね?
Kummerさんは、整数論の構成に関する持論の展開に忙しいから解答しないよ、多分。

87 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 11:28:13
>>56のような質問じゃ答えようもないよねw

88 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 16:29:04
>>56

>同値類から整数の減法の定義を導きたい
この内容を具体的に表現できれば、質問すれで回答を得られるだろう。


89 :132人目の素数さん:2006/11/27(月) 17:52:55
つうか代数的整数論じゃない。整数論かどうかも怪しい。

90 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 21:16:29
>>81 により原始イデアル [a, r + ω] は [p, r + ω] の形の
素イデアルの積に分解される。

91 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 21:35:14
2次体 Q(√m) のイデアル I = (α_1, ..., α_n) が
有限個の生成元で与えられたとき、以下に述べるように I を
有限回の手続きで素イデアルの積に分解することが出来る。

I の標準基底は >>23 で述べたように有限回の手続きで求まる。
I = [a, b + cω] を標準基底による表示とすれば >>18 により
I = c[a', b' + ω] となる。

c は有限個(c = 1 のときは 0 個)の素数の積となるから、
cZ[ω] を素イデアルの積に分解するのは >>47>>49 により
有限回の手続きで出来る。

[a', b' + ω] は原始イデアルだから >>90 で述べたように
[p, b' + ω] の形の素イデアルの積に分解される。
つまり、a' を有理整数の範囲で素因数分解すればよい。

92 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 22:10:06
問題
Q(√(-5)) において単項イデアル (3 + 5√(-5)) を素イデアルの積に
分解せよ。

答えだけじゃなくて解き方も書くこと。
誰か?

93 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/27(月) 22:25:46
>>92

書き忘れたけど、素イデアルは標準基底で表すこと。

94 :聴講生:2006/11/28(火) 07:49:16
>>92
>>11より、ω=√(-5)とするとQ(√(-5))の整数環はZ[ω]
(3 + 5√(-5)) = <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)>
>>10の手続きで標準基底を求める。
5と3は互いに素で、5・(-1) + 3・2 = 1 なので、
y_1 = 3 + 5√(-5),y_2 = -25 + 3√(-5),z_2 = -y_1 + 2y_2 とおくと
y_1 - 5z_2 = 268,y_2 - 3z_2 = 134
よって <3 + 5√(-5),-25 + 3√(-5)> = <268,134,81+√(-5)>
                        = [134,81+√(-5)]
これは原始イデアルで、134 = 2・67 だから
[134,81+√(-5)] = [2,81+√(-5)][67,81+√(-5)]


95 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 09:24:25
>>94

ご名答。

蛇足かもしれないが検算してみよう。

N(3 + 5√(-5)) = 9 + 125 = 134 = 2・67 で67 は素数だから
(3 + 5√(-5)) はノルムが 2 と 67 の素イデアルの積となる。

[2,81+√(-5)] = [2,1+√(-5)] で
N(1+√(-5)) = 1 + 5 = 6
これは 2 で割れるから [2,81+√(-5)] はイデアルで(>>19)そのノルムは
2 である。よってこれは素イデアル。

[67,81+√(-5)] = [67,14+√(-5)]
N(14+√(-5)) = 196 + 5 = 201 = 3・67
よってこれも素イデアルでそのノルムは 67。

96 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 15:18:28
次の補題は周知だが後で必要になるので証明しておく。

97 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 15:20:25
補題(多項式のTaylor展開)

A を標数 0 の整域、つまり有理整数環 Z と同型な部分環をもつ
整域とする。
f(X) ∈ A[X] を次数 n ≧ 1 の A 係数の多項式とする。
a を A の任意の元とする。
このとき
f(X + a) = f(a) + f'(a)X + (f''(a)/2)(X^2) + ... (f^(n)(a)/n!)(X^n)

ここで f^(k)(a) は f(X) の k 次の導多項式 f^(k)(X) の
X = a での値である。
各 f^(k)(a)/k! は A の元である。つまり f^(k)(a) は k! で割れる。

証明
f(X + a) = c_0 + c_1X + c_2(X^2) + ... c_n(X^n)
とおく。ここで、c_0, ..., c_n は A の適当な元。

X = 0 を代入すると、
f(a) = c_0 となる。

f'(X + a) = c_1 + 2c_2X + ... nc_n(X^(n-1)) である。
X = 0 を代入すると、
f'(a) = c_1 となる。

f''(X + a) = 2c_2 + ... n(n-1)c_n(X^(n-2)) である。
X = 0 を代入すると、
f''(a) = 2c_2 となる。
A において 2 ≠ 0 で、A は整域だから c_2 は一意に決まり、
c_2 = f''(a)/2 である。

このように順次 c_k を決めていけばよい(正式には帰納法による)。
証明終

98 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 20:39:27
補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。

ある有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、
f(X) ≡ 0 (mod p^(n+1)) は
b ≡ a (mod p^n)
となる根 b を持つ。このような b は mod p^(n+1) で一意に決まる。

証明
f(a) ≡ 0 (mod p^n) だから、f(a) は p^n で割れる。
よって f(a) = (p^n)t となる有理整数 t がある。

>>97 より x を任意の有理整数とすると、
f(a + (p^n)x) ≡ f(a) + f'(a)(p^n)x (mod p^(n+1))
である。

よって
f(a + (p^n)x) = f(a) + f'(a)(p^n)x + (p^(n+1))r
となる有理整数 r がある。

よって
f(a + (p^n)x) = (p^n)(t + f'(a)x + pr)

仮定より f'(a) ≡ 0 (mod p) でないから
x に関する一次合同方程式
t + f'(a)x ≡ 0 (mod p)
は解け、その解 x は mod p で一意に決まる。
b = a + (p^n)x とおけばよい。
証明終

99 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 20:45:39
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p) が根 a を持ち、f'(a) が p で割れないなら、

任意の有理整数 n ≧ 1 に対して合同方程式
f(X) ≡ 0 (mod p^n) が b ≡ a (mod p)
となる根 b を持つ。
このような b は mod p^n で一意に決まる。

証明
>>98 を n = 1 から初めて順次適用すればよい。

100 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 21:50:10
命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。

明らかに f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c は
各 i で f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解でもある。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解で mod m で合同なものを同一した集合を
S とする。よって |S| ≦ m である。

各 i に対し f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の 解で mod (p_i)^(k_i)
で合同なものを同一した集合を T_i とする。

f(X) ≡ 0 (mod m) の解 c に f(X) ≡ 0 (mod (p_i)^(k_i)) の解 c を
対応させることにより、S から T_i への写像 φ_i が定まる。
よって S から T = ΠT_i への写像 φ が定まる。
ここで、φ は φ(x) = (φ_1(x), ..., φ_r(x)) で定義される
写像である。

このとき φ は全単射である。

証明
中国式剰余定理(前スレの341)より明らか。

101 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 21:58:42
訂正

>>98
>補題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。


補題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

102 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 22:01:19
訂正

>>99
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
>p を有理素数とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 m ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
f'(X) をその導多項式とする。つまり f'(X) = df(X)/dx である。
p を有理素数とする。
f(X) の最高次の係数は p で割れないとする。

103 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/28(火) 22:05:55
訂正

>>100
>命題
>f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。
>
>m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
>を m の素因数分解とする。

命題
f(X) ∈ Z[X] を次数 n ≧ 1 の有理整数係数の多項式とする。

m > 1 を有理整数で、m = (p_1)^(k_1)...(p_r)^(k_r)
を m の素因数分解とする。
f(X) の最高次の係数は各 p_i で割れないとする。
この条件は、特に f(X) がモニックなら満たされることに注意しておく。

104 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/29(水) 20:48:31
任意の有理素数 p が与えられたとき、それをノルムとするイデアルは
>>47>>49 で与えられている。

では、任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?
この問題を考えよう。

まずイデアル I に対してそのノルム N(I) は I に含まれることに
注意する。
これは >>25 からもわかるし、Z[ω]/I が位数 N(I) の
アーベル群であることから、任意の整数 α ∈ Z[ω] に対して
N(I)α ∈ I となることからも分かる。
さらに、>>71 からも分かる。

したがって、 有理整数 a ≧ 1 をノルムとするイデアル I は
aZ[ω] を含むが Z[ω]/aZ[ω] は有限環だから、このような
イデアルは有限個である。

a = 1 なら I = Z[ω] だから a > 1 と仮定する。

105 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/30(木) 12:33:15
>>47
>>49 より

2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
p を素数とする。

1) p が D の約数 のとき pZ[ω] = P^2 となる。

2) D が p と素の場合。
 (a) D が mod p の平方剰余、
  または p = 2 で m ≡ 1 (mod 8) のとき
  pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

 (b) D が mod p の平方非剰余
  または p = 2 で m ≡ 5 (mod 8) のとき
  pZ[ω] は素イデアルである。

106 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/01(金) 17:14:17
>>105 において、
1) の場合、p は Q(√m) において分岐するという。
2) (a)の場合、p は Q(√m) において完全分解するという。
2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。

高木は、初等整数論講義において、完全分解する素数を第1種、
分解しない素数を第2種、
分岐する素数を第3種と呼んでいる。
我々はこの用語を使わないことにする。

分岐という言葉はリーマン面を複素数球面の被覆と見たときの
分岐点から来ている。
なぜリーマン面かというと、代数体と代数関数体の間に強い類似が
あるから。

107 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/01(金) 17:48:14
1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

N(P) = N(P') = p である。

p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

よってこのようなイデアルは n + 1 個ある。

2)
p が分解しない素数とする。すなわち (p) は素イデアルである。

N((p)) = p^2 だから
p^n をノルムにもつイデアルは (p)^i の形である。
ここで 2i = n である。

よって n が偶数のとき、このようなイデアルはただ 1 個である。
n が奇数のとき、このようなイデアルは存在しない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

N(P) = p だから
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
よってこのようなイデアルはただ 1 個である。

(高木の初等整数論講義)

108 :132人目の素数さん:2006/12/01(金) 21:43:10
>106
> >>105 において、
> 2) (b)の場合、p は Q(√m) において分解しないという。
単なる茶々かもしれないが、英語では"inert"と言った筈。
(とは言っても直訳して"惰性的"、というのもセンスがないか…)

109 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/01(金) 22:56:46
>>108

inert というのは Cohen の
A course in computational algebraic number thery
という長い題名の本で初めて知った。
これは英語でもそれほど流通していないのではないかな。

因みにこの本はいいね。今まで類書がほとんどなかったので貴重。
このスレでも参考にするつもり。
ただアルゴリズムの説明がプログラム作成
を前提としているので分かりにくい。

Neukirch の日本語訳の代数的整数論では不分解という言葉を
使っている。

110 :132人目の素数さん:2006/12/01(金) 23:01:17
横浜のヤクザ林一家林組は、経営しているカラオケ屋バンガーローハウス中華街店で、
カラオケをしている時に機械を使い脳に電波ではいり、人をもて遊んでいる
だれにもばれないとおもってやりたい放題。そして気づかれないように思考盗聴、自殺、突然死、、マインドコントロール、誰かをずっと好きにさせるなど。
痛みやいやがらせや声を聞かせることもできる。

111 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 00:48:00
今度は素数べき p^n をノルムにもつ原始イデアルを求めよう。

1)
p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。

PP' = (p) は原始イデアルではないから、
(P^i)(P'^j) の形のイデアルで原始イデアルであるのは
i = 0 または j = 0 の場合のみである。

よって、p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは P^n か P'^n である。
よってこのようなイデアルは2個ある。

2)
p が分解しない素数とする。

p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは 2i = n として (p)^i であるが、
これは原始イデアルではない。

3)
p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。

p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形であるが、
n ≧ 2 のときは P^n ⊂ P^2 ⊂ (p) となり、
P^n は原始イデアルではない。

n = 1 の場合は原始イデアルである。

112 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 01:02:45
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとするイデアルの個数を
Φ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このときΦ(a) = ΠΦ(p^n) となることは明らかだろう。

>>107 により各 Φ(p^n) は求まっているから、Φ(a) も求まる。

>>107 より p が分解しない素数の場合、
p の指数 n が奇数なら、Φ(p^n) = 0 である。
よって Φ(a) = 0 であことに注意しておく。

a をノルムとする各イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

113 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 02:25:45
>>111 の 1) 即ち p が完全分解する素数で、(p) = PP' のとき
任意の有理整数 n ≧ 1 に対して P^n が原始イデアルであることを
示そう。

P^n が原始イデアルでないとすると 、P^n ⊂ (q) となる素数 q がある。
よって N(P^n) = p^n は q で割れる。よって p = q である。
よって P^n ⊂ (p) = PP' となり、P^n ⊂ P' である。
P' は素イデアルだから P ⊂ P' したがって P = P' となり、
P ≠ P' に矛盾する。

114 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 09:42:57
補題
2次体 Q(√m) において P と L が素イデアルで P^r と L^s が
原始イデアルとする。ここで r, s ≧ 1 である。
N(P) と N(L) が素なら (P^r)(L^s) も原始イデアルである。

証明
(P^r)(L^s) が原始イデアルでないとすると 、(P^r)(L^s) ⊂ (q) となる
素数 q がある。
N(P) と N(L) が素だから (q) の素イデアル分解を考えることにより
P^r ⊂ (q) または L^s ⊂ (q) となることがわかる。
これは矛盾である。
証明終

115 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 10:05:42
有理整数 k ≧ 1 に対してそれをノルムとする原始イデアルの個数を
Ψ(k)と書こう。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
ここで p は a の相異なる素因子 を動く。
このとき >>111>>114 より Ψ(a) = ΠΨ(p^n) となる。

>>111(>>113 も参照) により各 Ψ(p^n) は求まっているから
Ψ(a) も求まる。

a をノルムとする各原始イデアルを素イデアルの積と表す方法も
明らかだろう。

116 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 10:40:10
>>112 により与えられた有理整数 a > 1 をノルムとする各イデアルを
素イデアルの積という形で求めることが出来た。
このイデアルの標準基底を求めることを考えよう。

任意のイデアルは有理整数と原始イデアルの積である(>>18)。
a = N(I) として、 I = cJ とする。ここで c は有理整数 c ≧ 1 で
J は原始イデアルである。
このとき a = (c^2)N(J) となる。

従って a をノルムとするイデアルの標準基底を求めるには、
a を任意の平方数 c^2 で割り、a = (c^2)k としたとき、
k をノルムとする原始イデアルの標準基底を求めればよい。

よって、問題は原始イデアルの場合に帰着する。

さらに、この問題は >>111>>114 より以下の二つの問題に帰着する。

1) I と J が原始イデアルで、N(I) と N(J) が素とする。
それぞれその標準基底から IJ の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

117 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 11:03:16
訂正

>>116
>2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
>n を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
>P^n の標準基底を求めよ。

2) p が完全分解する素数(>>106)で p = PP' とする。
n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、P の標準基底から
P^n の標準基底を求めよ。

118 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 12:04:29
>109
> inert というのは(中略)
> 英語でもそれほど流通していないのではないかな。
そうでもない。例えば
"Algebraic Number Theory"           Frohlich、Taylor
"Algebraic Numbers and Algebraic Functions"  P. M. Cohn
"An Introductions to Rings and Modules"    Berrick, Keating
ま、名前より内容の方が大事なんだけどね。

> Cohen の A course in computational algebraic number thery
> (中略)はいいね。
確か、続編もあった筈。
似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

119 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 12:36:02
恐れ入りました

120 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 13:24:29
>>118
>確か、続編もあった筈。
>似たような本としてPohst, Zassenhausというのがあったような。

続編も持ってる。
これは相対代数体を扱ってる。
類体の構成もやってるんで面白そう。
まだ読んでないが。

しかしCohenは円分体の類数計算を扱ってないのが不思議。

Pohst, ZassenhausはCohenの前に出たもの。
Cohenと重なる部分が多そうなんで持ってない。

121 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/02(土) 14:41:27
命題(高木の初等整数論講義)
I = [a, r + ω] と J = [b, s + ω] を原始イデアルの標準基底での
表示とする。
a と b が素なら IJ = [ab, t + ω] である。

ここで t は連立合同方程式
t ≡ r (mod a)
t ≡ s (mod b)
の解である。

証明
>>34 より
I = [a, t + ω]
J = [b, t + ω]

N(t + ω) ∈ I だから N(t + ω) は a で割れる。
N(t + ω) ∈ J だから N(t + ω) は b で割れる。

a と b は素だから N(t + ω) は ab で割れる。

よって >>19 より [ab, t + ω] はイデアルである。
>>81 より [ab, t + ω] = [a, t + ω][b, t + ω] である。
証明終

122 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 14:44:01
1

123 :132人目の素数さん:2006/12/02(土) 15:36:22
さすが高木というかこのあたりを書いた本は非常に少ないのでは
ないかな。こちらもそんなに多く読んだわけではないので
はっきりは分からないが。

一般的に、構成的な方法で代数的整数論を展開するのは現代では
まれだよね。近現代ではと言ったほうがいいかな。
最近では構成的な方法はコンピュータや暗号との関係で見直されている。
歴史は繰り返すってやつだね。
昔の数学は構成的なのが多かった。
例えば、消去法なんてのもそうだし。
前に触れた不変式論もそう。
これ等は最近(といっても20、30年ほど前からだが)
見直されてきている。

124 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 10:40:03
補題
2次体 Q(√m) において
p が完全分解(>>106)する奇素数で p = PP' とする。
P = [p, b + ω] とする。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [p^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod p) であり、さらに

m ≡ 1 (mod 4) なら
(2r + 1)^2 ≡ m (mod p^n)

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら
r^2 ≡ m (mod p^n)

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = p^n だから
適当な r により P^n = [p^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [p, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [p, b + ω] となり、
r ≡ b (mod p) である。

残りは >>37 の証明と同様である。
証明終

125 :132人目の素数さん:2006/12/03(日) 13:04:04
補題
2次体 Q(√m) において
2 が完全分解(>>106)し 2 = PP' とする。
このとき m ≡ 1 (mod 8) である(>>49)。

P = [2, b + ω] とする。ここで b = 0 または 1 である。

n ≧ 1 を任意の有理整数としたとき、
P^n = [2^n, r + ω] となる。

ここで r ≡ b (mod 2) であり、さらに
(2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n+2))
である。

証明
>>113 より P^n は原始イデアルである。
N(P^n) = 2^n だから
適当な r により P^n = [2^n, r + ω] と書ける。

r + ω ∈ [2, b + ω] だから
r - b = r + ω - (b + ω) ∈ [2, b + ω] となり、
r ≡ b (mod 2) である。

m ≡ 1 (mod 8) だから
N(r + ω) = N(r + (1 + √m))/2) = N((2r + 1 + √m)/2)
= ((2r + 1)^2 - m)/4
よって ((2r + 1)^2 - m)/4 ≡ 0 (mod 2^n)
よって (2r + 1)^2 ≡ m (mod 2^(n + 2) となる。
証明終

126 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 13:09:00
>>124 の r は >>98 を n = 1 から初めて順次適用すれば求まる。


127 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 13:33:44
補題
a を有理整数で a ≡ 1 (mod 8) とする。
n ≧ 3 とし
x^2 ≡ a (mod 2^n) の根の一つを b とする。

このとき b + 2^n または b + 2^(n-1) のどちらか一方は
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1) の根である。

証明
b^2 = a + (2^n)t とする。

(b + 2^n)^2 = b^2 + 2^(n+1)b + 2^(2n)
= a + (2^n)t + 2^(n+1)b + 2^(2n) ≡ a + (2^n)t (mod 2^(n+1))

よって t が偶数なら
b + 2^n が x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。

次に t が奇数の場合を考える。
n ≧ 3 だから 2n - 2 ≧ n + 1 である。
さらに b は奇数である。

よって
(b + 2^(n-1))^2 = b^2 + (2^n)b + 2^(2n-2)
≡ a + (2^n)t + (2^n) (mod 2^(n+1))
≡ a + (2^n)(t + 1) (mod 2^(n+1))

よって t が奇数なら b + 2^(n-1) が
x^2 ≡ 1 (mod 2^(n+1)) の根である。
証明終

128 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 13:36:53
>>125 の r は >>127 を順次適用すれば求まる。


129 :132人目の素数さん:2006/12/03(日) 14:17:54
くんまー拡大!

130 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 14:25:51
>>104 で提出した問題、
任意の有理整数 a ≧ 1 が与えられたとき、それをノルムと
するイデアルをすべて求めるにはどうしたらよいか?

は以上で解決したとみていいだろう。

131 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/03(日) 18:11:51
問題
Q(√(-5)) において、ノルムが10以下のイデアルの標準基底と
その素イデアル分解を求めよ。素イデアル分解に現れる素イデアルも
標準基底で表すこと。
答えだけでいい。
だれか?


ノルム4のイデアル
[2, 2√(-5)] = [2, 1 + √(-5)]^2

132 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 13:52:03
>>131 へのヒントもこめて、以下に今までのまとめを述べる。

有理整数 a > 1 を素因数分解して a = Πp^n とする。
a をノルムとするイデアルを素イデアルの積と表す方法
>>107>>112 による。
>>107 において
1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P'^j) の形である。
ここで i + j = n である。

この場合 P^i と (P')^j を標準基底で表す方法は >>124, >>126,
>>125, >>127 による。

P^i と (P')^j はともに原始イデアルである。

2) p が分解しない素数とする。
p^n、n ≧ 1 をノルムにもつイデアルは n が偶数なら 2i = n として
(p)^i である。

n が奇数なら p^n をノルムにもつイデアルはない。

3) p が分岐する素数で、(p) = P^2 とする。
p^n をノルムにもつイデアルは P^n の形である。
n = 2k + r とする。ここで r = 0 または 1 である。
P^n = (p^k)P^r となる。

r = 0 のときは P^n = P^(2k) = (p)^k である。
r = 1 のとき、P^n = (p^k)P であるが、P の標準基底 [p, b + ω] は
>>47>>49 で求まっている。
(続く)

133 :132人目の素数さん:2006/12/04(月) 17:25:36
2

134 :132人目の素数さん:2006/12/04(月) 17:26:37
1

135 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:03:40
>>132 の 1) の補足

1) p が完全分解する素数で、(p) = PP' とする。
p^n をノルムにもつイデアルは (P^i)(P')^j の形である。
ここで i + j = n である。

i ≦ j のとき (P^i)(P')^j = (P^i)(P')^i(P')^(j-i)
= (p^i)(P')^(j-i)
である。

同様に、
j ≦ i のとき (P^i)(P')^j = (P^j)(P')^j(P)^(i-j)
= (p^j)(P)^(i-j)
である。

いずれにしても (p^k) の形のイデアルと原始イデアルの積になる。

136 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:20:49
>>132>>135 より a = Πp^n をノルムとするイデアル I は
(n)ΠI_p の形になる。

ここで n はある有理整数であり、 I_p は原始イデアルで、
そのノルムは p のべきである。

>>121 より ΠI_p は原始イデアルあり、その標準基底も求まる。

ΠI_p = [s, r + ω] とすれば
I = (n)[s, r + ω] = [ns, nr + nω] となる。
これが a をノルムとするイデアル I の標準基底による表示である。

137 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:25:07
>>136

ΠI_p は Π(I_p) と書いたほうが見やすかった。

138 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/04(月) 20:40:52
>>132, >>135, >>136 より >>131 の問題は機械的に解けるはず。
誰か?

139 :132人目の素数さん:2006/12/05(火) 12:26:44
>>131 は難しいのかな?

140 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/05(火) 17:28:07
わかるところだけでいいけど
誰か?

141 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/05(火) 17:32:40
このスレで分からないところがあったらどんどん質問してください。

142 :聴講生:2006/12/05(火) 18:18:22
今見ました。今からバイトなのでもうちょっと待って頂けると嬉しいかも。

143 :聴講生:2006/12/06(水) 01:00:11
>>131
ノルムが1→[1, √(-5)]
ノルムが2→P_2 = [2, 1 + √(-5)]
ノルムが3→P_3 = [3, 1 + √(-5)],P'_3 = [3, -1 + √(-5)]
ノルムが4は例の通り
ノルムが5→P_5 = [5, √(-5)]
ノルムが6→[6, 1 + √(-5)] = (P_2)(P_3),[6, -1 + √(-5)] = (P_2)(P'_3)
ノルムが7→[7, 3 + √(-5)],[7, -3 + √(-5)]
ノルムが8→[4, 2 + 2√(-5)] = (P_2)^3
ノルムが9→[9, -2 + √(-5)] = (P_3)^2,[9, 2 + √(-5)] = (P'_3)^2,
        [3, 3√(-5)] = (P_3)(P'_3)
ノルムが10→「10, 5 + √(-5)] = (P_2)(P_5)

144 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 12:04:59
>>143

有難うございます。
正解です。

145 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 12:50:26
問題
Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアル
ないことを証明せよ。

146 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 12:54:08
訂正

>>145

Q(√(-5)) において、イデアル [2, 1 + √(-5)] は単項イデアルで
ないことを証明せよ。

147 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/06(水) 17:37:59
問題
Dedekind 整域が一意分解整域であれば単項イデアル整域である。
これを証明せよ。

148 :聴講生:2006/12/07(木) 00:21:38
>>146
[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2
しかし此れを充たす整数 a, b は存在しないので
[2, 1 + √(-5)] は単項イデアルでない。

>>147
任意の素イデアルが単項イデアルであることを示せば充分。
ある素イデアルの生成元の一つを x とし、
x = (x_1)・・・(x_n), x_i は素元
を x の素元分解とすると、x_1〜x_n の少なくとも一つは
その素イデアルに含まれるので、素イデアルは素元で生成される。
素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

149 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/07(木) 09:18:50
>>148

有難うございます。
正解です。

他の人のために補足します。

>[2, 1 + √(-5)] のノルムは 2 なので、
>これが a + b√(-5) ∈ Z[√(-5)] で生成される
>単項イデアルであるとすると、 a^2 + 5b^2 = 2

これは N(a + b√(-5)) = a^2 + 5b^2 と >>75 を使っています。

>素元の生成するイデアルは素イデアルであるので、
>もとの素イデアルは単項イデアルとなる。

ここでは、Dedekind 整域では 0 でない素イデアルは極大なので
これ等の素イデアルの間には真の包含関係がないことを使っています。

さらに、Dedekind 整域では任意の 0 でないイデアルは素イデアルの
積となるので、単項イデアルの積としてやはり単項イデアルとなります。

150 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 11:18:40
>>146>>147 より Q(√(-5)) は一意分解整域でないことがわかる。

Q(√(-5)) は一意分解整域でない整域のもっとも身近な例として
有名であり、ほとんどの代数学の教科書に書いてある。
しかし、その証明はここに述べたものよりやや天下り的なものが多い。

151 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 12:04:56
>>146 より Q(√(-5)) の素イデアルは必ずしも単項ではない。
では、どのような素イデアルが単項なのか?
この問題は自然だし興味がもてるだろう。

素イデアル P のノルムは p または p^2 である。
ここで p は有理素数。

N(P) = p^2 のときは P = (p) であり、P は単項である。
よって N(P) = p となる場合のみ考えればよい。
この場合、P が単項であるためには >>148 と同様にして
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在することが
必要十分であることがわかる。

まず p が分岐する素数、つまり p = 2 または p = 5 の場合を考える。
p = 2 のときは >>148 より N(P) = 2 となる素イデアルは
存在しない。
p = 5 のときは、5 = a^2 + 5(b^2) を満たすのは a = 0, b = ±1 のとき
だけである。よって N(P) = 5 となる素イデアルは (√(-5)) のみである。

残るのは p が完全分解する素数の場合だけである。

152 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 13:50:05
問題
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するような素数 p で
100 以下のものを全て求めよ。

153 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 14:11:35
>>152
(a,b) p
(0,1) 5, (2,3) 29, (1,6)41, (3,4) 61, (4,3) 89
ただ計算しました。

154 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:31:13
>>153

正解です。
計算方法を書いておきます。

a^2 + 5(b^2) ≦ 100 より 5(b^2) ≦ 100 となり b^2 ≦ 20
よって b ≦ 4 となる。
b = 0 のとき a^2 は素数でないから b = 0 は除外する。
すると、a^2 + 5 ≦ 100 より a^2 ≦ 95 よって a ≦ 9

0 ≦ a ≦ 9
1 ≦ b ≦ 4
のとき (a, b) = a^2 + 5(b^2)の値を計算した結果を以下に書く。
数字の横に * が付いてるのはそれが素数であることを示している。

155 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:32:09
(0, 1) = 5*
(0, 2) = 20
(0, 3) = 45
(0, 4) = 80
(1, 1) = 6
(1, 2) = 21
(1, 3) = 46
(1, 4) = 81
(2, 1) = 9
(2, 2) = 24
(2, 3) = 49
(2, 4) = 84
(3, 1) = 14
(3, 2) = 29*
(3, 3) = 54
(3, 4) = 89*

続く

156 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:33:10
(4, 1) = 21
(4, 2) = 36
(4, 3) = 61*
(4, 4) = 96
(5, 1) = 30
(5, 2) = 45
(5, 3) = 70
(5, 4) = 105
(6, 1) = 41*
(6, 2) = 56
(6, 3) = 81
(6, 4) = 116
(7, 1) = 54
(7, 2) = 69
(7, 3) = 94
(7, 4) = 129
(8, 1) = 69
(8, 2) = 84
(8, 3) = 109*
(9, 1) = 86

157 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 14:43:39
>>153

今、いま気付いたけど、a と b が一部反対になっています。

158 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 14:59:44
p=(a+1)^2+5a^2,a^2+5(a+1)^2


159 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 15:00:44
p=5b^2 mod a
=a^2 mod b

160 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 15:11:24
何か高校数学で出てきそうな問題ですね。
敢えて難しい定理を用いて解けという出題意図なのかと思った。

161 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:18:02
p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 5 である。

p = a^2 + 5(b^2) が有理整数解 (a, b) をもつための条件を求める。

まず
a^2 ≡ p (mod 5)
つまり Legendre の記号(前スレ3の746)を使えば
(p/5) = 1 である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)
だから

p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
である。

162 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:28:53
一方 p は Q(√(-5)) で完全分解(>>106)するから、 >>105 より
(-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p)(p/5) = 1 である。

>>161 より (p/5) = 1 だったから (5/p) = 1
よって (-1/p) = 1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
(p-1)/2 は偶数である。
よって p ≡ 1 (mod 4) となる。

>>161
p ≡ 1 (mod 5)
または
p ≡ 4 (mod 5)
と組み合わせて

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)
である。

163 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:33:32
>>162
>(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから

これは平方剰余の第一補充法則と呼ばれている。

前スレ3の747の
4) (a/p) ≡ a^{(p - 1)/2} (mod p)
から直ちにでる。

164 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:38:37
>>160

簡単な計算ですが、こういう計算が初等整数論では重要な場合あります。

165 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:41:33
>>161
>p ≠ 5 である。

p ≠ 2 でもあることに注意しておく。

166 :132人目の素数さん:2006/12/09(土) 15:49:04
p=a^2+b^2 mod 4
=a^2-b^2 mod 6

167 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 15:50:48
>>162 の結果

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

を満たす 100 以下の素数を求めてみよう。

100以下の整数 ≧ 1 で 20k + 1 の形のものは

21, 41, 61, 81

20k + 9 の形のものは

29, 49, 69, 89

これ等のなかで素数なのは
29, 41, 61, 89

これは >>153 と 5 を除いて一致する。

168 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 16:57:51
>>167 から次の予想をするには支持データ数が足りないだろう。
しかし、この予想は正しいことを後で証明する。

予想
p を 5 以外の有理素数とする。
p = a^2 + 5(b^2) となる有理整数 a, b が存在するためには、

p ≡ 1 (mod 20)
または
p ≡ 9 (mod 20)

が必要十分である。

169 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:02:14
命題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I, J を A の分数イデアル(前スレ2の677) とし、
IJ = A とする。ここで IJ は集合 { xy; x ∈ I, y ∈ J } で生成される
K の A-部分加群である。
このとき J = { x ∈ K; xI ⊂ A } である。

証明
L = { x ∈ K; xI ⊂ A } とおく。

IJ = A だから J ⊂ L である。
よって IJ ⊂ IL である。

L の定義より IL ⊂ A だから IJ ⊂ IL ⊂ A となる。

IJ = A より IL = A となる。

IL = A の両辺に J を掛けて JIL = J
JIL = (IJ)L = L だから L = J
証明終

170 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:09:57
証明からわかるように >>169 の命題の仮定で A は Dedekind 整域で
ある必要はなかった。

171 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:17:11
問題
A を Dedekind 整域とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルで a ≠ 0 を P の元とする。
このとき (a) = PI となるイデアル I がある。

172 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:24:57
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
P ≠ 0 を A の素イデアルとし、P^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
P^(-1) は A の分数イデアルで PP^(-1) = A である。

173 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:26:53
問題
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとし、I^(-1) = { x ∈ K; xP ⊂ A }
とおく。
I^(-1) は A の分数イデアルで II^(-1) = A である。

174 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:31:31
問題
>>173 において I は A の分数イデアルとしてもよい。

175 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:32:01
問題
A を Dedekind 整域とする。
I ≠ 0 と J ≠ 0 を A のイデアルとし、I ⊂ J とする。
このとき I = JL となるイデアル L がある。

176 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:35:15
命題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる。

証明
>>174 より明らか。

177 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:40:01
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル全体は乗法に関して群になる(>>176)。
この群を A のイデアル群と呼び I(A) と書く。

178 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:43:57
定義
A を Dedekind 整域、K をその商体とする。
K の元 x ≠ 0 に対して xA は分数イデアルである。
この形の分数イデアルを単項分数イデアルまたは主分数イデアルと
呼ぶ。

179 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:46:12
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の主分数イデアル(>>178)全体は乗法に関して群になる。
この群を A の主イデアル群と呼び P(A) と書く。

180 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:49:51
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル群 I(A) を主イデアル群 P(A) で割った剰余群 I(A)/P(A)
をA のイデアル類群と呼び Cl(A) と書く。

181 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 21:57:13
A を Dedekind 整域とする。
前スレ2の 541 よりイデアル類群 Cl(A) は標準的に A の Picard 群
Pic(A) に同型であることを注意しておく。

182 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:27:17
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の任意の分数イデアルは I/J の形に書ける。ここで I, J は
A のイデアルで I/J は I(J^(-1)) を表す。

183 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:32:29
問題
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

184 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:35:12
訂正

>>183
>このとき N(I)/N(M) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

このとき N(I)/N(J) は、M = I/J となる I, J の取り方によらない。

185 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:39:49
定義
A を Dedekind 整域とする。
A の分数イデアル M に対して M = I/J とする。
ここで I, J は A のイデアルである。
>>182 よりこのようなイデアルは存在する。
>>183 より N(I)/N(J) は M = I/J となる I, J の取り方によらない。
N(I)/N(J) を M のノルムと呼び N(M) と書く。

明らかに、この定義は M がイデアルのときのノルムの拡張になっている。

186 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:48:05
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアルのことを A の分数イデアルと区別して整イデアル
ともいう。
しかし、このスレでは通常、単にイデアルと呼ぶことにする。

定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

187 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 22:52:57
2次体 Q(√m) においては、誤解のない限り、Q(√m) の整数環 Z[ω] の
分数イデアルのことを Q(√m) の分数イデアルとも言う。

188 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:09:53
問題
2次体 Q(√m) のイデアル I ≠ 0 に対して、I^(-1) = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。
I を標準基底 [a, b + cω] で表したとき、r, s, t を a, b, c から
求めよ。

189 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:13:47
問題
2次体 Q(√m) の任意の分数イデアル M は M = [r, s + tω] と
書ける。ここで r, s, t は適当な有理数である。

190 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:17:13
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル M を M = [r, s + tω] と
表したとき、N(M) = rt であることを証明せよ。
ここで r, s, t は適当な有理数である。

191 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:20:17
問題
2次体 Q(√m) の分数イデアル L, M に対して、
N(LM) = N(L)N(M) となることを証明せよ。

192 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:22:02
訂正

>>186
>定義(前スレ2の677)からイデアルは、分数イデアルでもある。

定義(前スレ2の677)から0でないイデアルは、分数イデアルでもある。

193 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:44:30
定義
A を Dedekind 整域とする。
A のイデアル類群(>>180) Cl(A) = I(A)/P(A) の各剰余類を A の
イデアル類と呼ぶ。

A が2次体 Q(√m) の整数環のとき、誤解の恐れがない限り
A のイデアル類を Q(√m) のイデアル類と呼ぶ。

194 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:51:58
問題(高木の初等整数論)

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] が
同じイデアル類に属すとする。すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m)
があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

195 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/09(土) 23:58:11
問題(高木の初等整数論)
以下のように >>194 の逆が成り立つ。

2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω] に
対して、θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおく。

θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき ρ = rψ' + s とおくと I = ρJ となる。
さらに N(ρ) = ±(a/k) である。

196 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 01:55:54
(a, b)/(c, d) は第一行が a, b で第2行が c, d である
2次の正方行列を表すことにする。

C を複素数体とし、GL_2(C) を C 上の2次の正則行列のなす群とする。
つまり C の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc ≠ 0 となるもの全体のなす群である。

GL_2(C) は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する。

g = (a, b)/(c, d) で z ∈ C ∪ {∞} のとき
g(z) = (az + b)/(cz + d) である。
ただし、c ≠ 0 のとき
g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/(cz + d) = a/c とする。
c = 0 のとき g(∞) = lim [z → ∞] (az + b)/d = ∞ とする。

SL_2(R) を実数体の元を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

同様に SL_2(Z) を有理整数を成分とする行列 (a, b)/(c, d) で
ad - bc = 1 となるもの全体のなす群とする。

197 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 02:00:58
モジュラー

198 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 02:07:27
問題
SL_2(R) の元 g = (a, b)/(c, d) と z ∈ C に対して
g(z) = (az + b)/(cz + d) とおく。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。
このとき Im(g(z)) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

199 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 02:40:49
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

>>198 より SL_2(R) は H に作用する。

問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が3個以上あれば、
g = ±1 である。

200 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 02:51:55
>>199 より PSL_2(R) = SL_2(R)/{±1} は H に忠実に作用する。
SL_2(Z)/{±1} をモジュラー群と呼ぶ。

201 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 08:37:25
ガイシュツかも知れんが…

pが奇素数のとき 次の不等式を示せ.
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } = (p-1)/2,  (p≡1 (mod 4))
 Σ[r=1,p-1] { (r^2)/p - [r^2/p] } < (p-1)/2,  (p≡3 (mod 4))
 ( [x] は Gaussの記号 )

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835554&tid=bdpbja1jiteybc0a1k&sid=1835554&mid=603
出題(不等式)

202 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:11:48
問題
SL_2(R) の任意の元の固有方程式は以下の3種類である。

1) (X - 1)^2 = X^2 -2x + 1

2) (X + 1)^2 = X^2 +2x + 1

3) (X - λ)(X - 1/λ) ここで λ ≠ ±1

203 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:24:46
問題
>>202 の 3) のタイプの行列 g は、さらに二つのタイプに分けられる。

a) λ は実数

この場合 |Tr(g)| > 2 である。

b) λ は実数でない
この場合 |λ| = 1 であり、|Tr(g)| < 2 である。

204 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:30:47
定義
SL_2(R) の元 g は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

205 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:39:49
ここで、線形代数の復習をしよう。

問題
K を代数的閉体とする。
K の元を成分とする n 次の正方行列 A は三角行列に相似である。
つまり、n 次の正則行列 P があり PAP^(-1) が三角行列になる。

206 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 12:44:08
>>kummerさん
もしかして保形関数(保形型式)の話しをやるのですか?

207 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:47:30
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A の固有多項式を (X - λ_1)... (X - λ_n) とする。
ここで, λ_1, ... λ_n の中に同じものがあってもよい。

f(X) を K の元を係数とする次数1以上の多項式とする。
このとき f(A) の固有多項式は (X - f(λ_1))... (X - f(λ_n))
である。

208 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 12:51:44
>>206

今はしないです。後でするかもしれないですが。
ここではモジュラー群の基本事項をやるだけです。

209 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 13:12:05
問題
K を代数的閉体とする。
A を K の元を成分とする n 次の正方行列とする。
A がべき零、つまり A^m = 0 となる有理整数 m ≧ 1 があるためには
A の固有値がすべて0であることが必要十分である。
さらに、このとき A^n = 0 となる。

210 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 14:40:15
訂正

>>204
>定義
>SL_2(R) の元 g は
>
>|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
>|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
>|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

定義
SL_2(R) の元 g, g ≠ ±1 は

|Tr(g)| = 2 のとき放物型という。
|Tr(g)| < 2 のとき楕円型という。
|Tr(g)| > 2 のとき双曲型という。

211 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 15:37:08
問題
g ≠ ±1 を SL_2(R) の元とする。
g^m = 1 となる有理整数 m > 1 があるためには
g の固有値 λ がすべて λ^m = 1 かつ λ ≠ ±1 を満たすことが
必要十分である。

212 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 15:40:57
万一、命題の証明や問題が間違っていた場合は、それを指摘することも
演習とするw

こちらも間違えることは当然ある。

213 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:16:11
問題
>>198 より SL_2(R) は複素上半平面 H に作用するが、この作用は
推移的である。つまり、H の任意の2点 z, w に対して w = g(z)
となる g ∈ SL_2(R) がある。

214 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:25:38
問題
SL_2(R) の複素上半平面 H への作用(>>198)において、虚数単位 i の
安定化部分群 { g ∈ SL_2(R) ; g(i) = i } は
特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。
ここで g^t は g の転置行列である。

215 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:29:31
問題
g ∈ SL_2(R) で g(z) = z となる z ∈ H が1個以上あれば、
g = ±1 か g は楕円型(>>210)である。

216 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:35:55
問題
SL_2(R) の位数有限の元は ±1 か楕円型(>>210)である。

217 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:37:30
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の特性多項式は

X^2 + 1
X^2 + X + 1
X^2 - X + 1

のどれかである。

218 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 18:40:47
問題
g を SL_2(Z) の元で楕円型(>>210)とする。
g の位数は 3, 4, 6 のどれかである。

219 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 18:48:51
きゃは!おもしろい。

220 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:07:38
定義
2次体 Q(√m) において、αを任意の整数、β を 0 でない任意の整数
とする。
このとき、α = βγ + δ、 |N(δ)| < |N(β)| となる整数 γ、δ が
常に存在するとき Q(√m) は、ノルム Euclid 的であるという。

221 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:11:26
問題
2次体 Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。

222 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:28:38
>>196 以降は志村の
Introduction to the arithmetic theory of automorphic functions
を参考にしている。

223 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 19:38:09
定義
複素上半平面 H の点 z に対して g(z) = z となる楕円型(>>210)の元
g ∈ SL_2(Z) が存在するとき、z を楕円点という。

224 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:15:43
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-1)) の整数環 Z[√(-1)] に同型である。

225 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:19:09
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

226 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:26:08
問題
g を SL_2(Z) の位数4の元とする。

g は (0, -1)/(1, 0) または (0, 1)/(-1, 0) に SL_2(Z) 内で
共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

227 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:38:31
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

Z[g] は2次の全行列環 M_2(Z) の部分環として
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] に同型である。
ここで、ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) である。

228 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:44:33
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。
Z[g] の元を Z^2 に左から作用させて Z^2 を Z[g]-加群とみなす。

このとき Z^2 は階数1の Z[g]-自由加群である。

ヒント:
2次体 Q(√(-3)) の整数環 Z[ρ] は前スレ3の233から
ノルム Euclid 的(>>220)である。

229 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:46:53
>>225
>>228

Z^2 の元は列ベクトルとみなす。

230 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:49:42
問題
g を SL_2(Z) の位数3の元とする。

g は h = (0, -1)/(1, -1) または h^2 = (-1, 1)/(-1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

231 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 21:59:55
問題
g を SL_2(Z) の位数6の元とする。

g は -h = (0, 1)/(-1, 1) または -h^2 = (1, -1)/(1, 0) に
SL_2(Z) 内で共役である。

ここで h = (0, -1)/(1, -1) である。

232 :132人目の素数さん:2006/12/10(日) 22:07:22
>>201

・p≡1 (mod 4) のとき
 x^2 ≡ -1 (mod p) を満たすxがある。(-1 は平方剰余)
 よって、{k,p-k}の対は 共に平方剰余 または共に非剰余。
 x^2 ≡k, y^2≡p-k (mod p) なる x,y をとると、
 r=x,p-x ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = k/p,
 r=y,p-y ⇒ (r^2)/p - [(r^2)/p] = (p-k)/p,
 辺々たせば =1.
 平方剰余は (p-1)/2 個, すなわち (p-1)/4 対あるから、
 これは与式左辺のp-1項を尽くしている。

233 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 22:14:02
定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

234 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 22:24:58
問題
複素上半平面 H の楕円点 z の位数(>>233) は2または3である。

位数2の楕円点は √(-1) に SL_2(Z) の元の作用で移る。

位数3の楕円点は (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) に
SL_2(Z) の元の作用で移る。

235 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 22:52:20
定義
複素上半平面 H の部分集合 D が以下の条件を満たすとき SL_2(Z) の
基本領域と呼ぶ。

1) D は H の連結開部分集合である。

2) D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

3) H の任意の点は D の閉包のある点とSL_2(Z) の作用で同値である。

236 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:01:33
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D が SL_2(Z) の基本領域であることを示すのが次の目標である。

237 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:24:23
SL_2(Z) の元 S, T を

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)

で定義する。

S(z) = z + 1
T(z) = -1/z

である。

238 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:35:48
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

複素上半平面 H の任意の点 z に対して { Im(g(z)) ; g ∈ G' } は
最大値をもつ。

239 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/10(日) 23:50:28
補題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
このとき |T(z)| > 1 である。
ここで、T = (0, -1)/(1, 0) である。

証明
自明である。

240 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 00:03:58
問題
S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される SL_2(Z) の
部分群を G' とする。

>>238 より 複素上半平面 H の任意の点 z に対してある g ∈ G'
があり Im(g(z)) が最大値となる。

w = S^n(g(z)) とおく。つまり w = g(z) + n である。
|Re(w)| ≦ 1/2 となるように整数 n をとる。
このとき |Im(w)| ≧ 1 である。

つまり、w は
D~ = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } の点である。

241 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 00:45:26
訂正

>>239 を次の問題に置き換える。

問題
z を複素上半平面 H の点で |z| < 1 とする。
w = -1/z とおく。
このとき Im(w) > Im(z) である。

242 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 07:33:58
>>205, >>207, >>209 は、ここでの話題とあまり関係ないかも
しれない。

他にもそのような問題があるかもしれないので、問題を解くのは
必要性がはっきりした時点にしたほうがよいかも知れない。

もちろん、解くのはなんら問題ない。

243 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 10:25:47
訂正

>>214
>特殊回転群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

特殊直行群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

244 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 10:26:43
もといw

特殊直交群 SO(2) = { g ∈ SL_2(R) ; g(g^t) = 1 } である。

245 :132人目の素数さん:2006/12/11(月) 18:51:32
クンマー、ディリクレ

246 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 19:45:09
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら Im(z) > (√3)/2 である。

247 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 20:16:43
問題
z を |z| > 1 である任意の複素数とする。

|z + 1|^2 > 2(Re(z) + 1) である。

248 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 20:34:48
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

z ∈ D なら |z + d| > 1 である。
ここで d は |d| ≧ 1 である任意の実数である。

249 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 21:13:22
補題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

g を SL_2(Z) の元、z を D の点とし w = g(z) とおく。
g = (a, b)/(c, d) とする。
この記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。
即ち w = (az + b)/(cz + d) である。

Im(w) ≧ Im(z) なら c = 0 または ±1 である。

証明

>>198 より Im(w) = Im(z)/|cz + d|^2 である。

Im(w) ≧ Im(z) より Im(z)/|cz + d|^2 ≧ Im(z) となる。
よって Im(z) ≧ Im(z)|cz + d|^2 となる。
Im(z) > 0 だから
|cz + d| ≦ 1 となる。

y = Im(z) とおくと、cz + d の虚部は cy である。
よって |cz + d| ≦ 1 より |cy| ≦ 1 となる。
よって |c| ≦ 1/y となる。
一方、>>246 より y > (√3)/2 である。
よって |c| ≦ 2/√3 < 2 である。
よって c = 0 または ±1 である。
証明終

250 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 21:16:16
問題
H を複素上半平面とする。
即ち H = {z ∈ C ; Im(z) > 0 } である。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の任意の異なる2点は SL_2(Z) の作用で同値ではない。

251 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 21:22:18
>>240>>250 より
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } は
SL_2(Z) の基本領域(>>235)である。

252 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/11(月) 22:29:32
訂正

>>233
>定義
>複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
>{ g ∈ SL_2(R) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
>この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
>この楕円点の位数という。

定義
複素上半平面 H の楕円点 z の安定化部分群
{ g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } は有限巡回群である(>>218)。
この部分群の標準射 SL_2(Z) → SL_2(Z)/{±1} による像の位数を
この楕円点の位数という。

253 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 11:09:44
D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D の閉包を [D] と書く。

[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 }
= { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| = 1 }

L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = -1/2 かつ |z| ≧ 1 }

R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
= { z ∈ H ; Re(z) = 1/2 かつ |z| ≧ 1 }

とおく(それぞれの図を描かくとよい)。

[D] の境界は [D] - D であるが、
[D] - D = E ∪ L ∪ R
である。

F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 }
= { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 かつ |z| = 1 }
G = D ∪ L ∪ F
とおく。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

254 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 11:30:14
[D] の図は例えば

ttp://en.wikipedia.org/wiki/Modular_group

にある。

255 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 12:22:19
簡単のために H の2点が SL_2(Z) の作用で同値なことを単に同値と
いうことにする。

z = x + y√(-1) で |z| = 1 のとき
-1/z = (-x + y√(-1))/|z|^2 = -x + y√(-1)

よって変換 T(z) = -1/z は E = { z ∈ [D] ; |z| = 1 } の点を
虚軸に関して対称な点に写す。
よって、 E の点は F = { z ∈ E ; Re(z) ≦ 0 } の点と同値である。

変換 S^(-1)(z) = z - 1 は R = { z ∈ [D] ; Re(z) = 1/2 }
の点を L = { z ∈ [D] ; Re(z) = -1/2 } の点に写す。

よって [D] の任意の点は G = D ∪ L ∪ F の点に同値である。
>>240 より H の任意の点は [D] の点に同値だから、
結局 G の点に同値となる。

256 :132人目の素数さん:2006/12/16(土) 12:43:11
定理の証明は見ずに自分で証明すること。

遅くとも学部四年になるまでには、こういう読み方を身に付けないと
いけない。

257 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 14:44:50
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G なら Im(z) ≧ (√3)/2 である。

証明
>>246 と同様である。

258 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 14:46:47
補題
z を |z| ≧ 1 である任意の複素数とする。
d を実数とし、|z + d| ≦ 1 とする。

このとき
d = 0 なら |z| = 1

d > 0 なら x ≦ -d/2
d < 0 なら x ≧ -d/2

証明
>>247 と同様の単純計算である。

259 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/16(土) 14:49:13
補題
G を >>253 の通りとする。
z ∈ G とし d を有理整数とする。
さらに |z + d| ≦ 1 とする。

このとき d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

証明
>>258 より明らかである。

260 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 01:01:35
補題
G を >>253 の通りとする。

g = (a, b)/(c, d) を SL_2(Z) の元とする。
なお、記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

z, w ∈ G で w = g(z) = (az + b)/(cz + d) とする。

Im(w) ≧ Im(z)

なら c = 0 または c = ±1 である。

証明
>>249 の証明とほとんど同じである。
>>246 の代わりに >>257 を使う。

261 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 01:14:21
>>260 において c = 0 なら g = ±1 であり、w = z である。

証明
ad - bc = 1 だから c = 0 より a = d = ±1 である。
よって w = z ± d となる。
z と w は G に属するから d = 0 である。
証明終

262 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 01:27:17
>>260 において c = 1 なら d = 0 または d = 1 である。

d = 0 なら |z| = 1

d = 1 なら z = (-1 + √(-3))/2

である。

証明
Im(w) = Im(z)/|z + d|^2 ≧ Im(z)
より、|z + d| ≦ 1 となる。
よって >>259 より主張がでる。

263 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 02:12:19
>>262 において

d = 0 なら

w = z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0)

または

w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 0 なら b = -1 である。
よって w = a - 1/z である。

|z| = 1 で z ∈ G だから z ∈ F である。
ここで F は >>253 で定義された集合である。
|z| = 1 だから -1/z は虚軸に対して z と対称の位置にある。
w ∈ G だから a = 0 または a = -1 である。

a = 0 なら z = √(-1) で g = (0, -1)/(1, 0) よって w = -1/z = z

a = -1 なら z = (-1 + √(-3))/2 で g = (-1, -1)/(1, 0)
よって w = -1 - 1/z = (-z - 1)/z = z^2/z = z

ここで z は 1 の原始3乗根だから z^2 + z + 1 = 0 となることを
使った。
証明終

264 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 02:42:15
>>262 において

d = 1 なら w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, -1)/(1, 1)

証明
ad - bc = 1 で c = 1 だから d = 1 なら a - b = 1 である。
よって a = b + 1 である。

w = ((b + 1)z + b)/(z + 1) = b + z/(z + 1) = b - z/z^2 = b - 1/z

w ∈ G だから b = -1 である。
よって
w = (-z - 1)/z - z^2/z = z
証明終

265 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 02:44:44
訂正

>>264
>w = (-z - 1)/z - z^2/z = z

w = (-z - 1)/z = z^2/z = z

266 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 03:02:42
>>260 において c = -1 のときは -g = (-a, -b)/(-c, -d) で
w = -g(z) であるから c = 1 の場合の結果を適用できる。

つまり以下のようになる。

c = -1 なら d = 0 または d = -1 である。

d = 0 なら
w = z = √(-1) で g = (0, 1)/(-1, 0)
または
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (1, 1)/(-1, 0)

d = 1 なら
w = z = (-1 + √(-3))/2 で g = (0, 1)/(-1, -1)

267 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 03:53:47
定理
G を >>253 の通りとする。

(1) 任意の z ∈ H に対して g(z) ∈ G となる g ∈ SL_2(Z) が
存在する。

(2) G の異なる2元は SL_2(Z) に関して同値ではない。

(3) z ∈ G に対して I(z) = { g ∈ SL_2(Z) ; g(z) = z } を
z の安定化部分群とする。

S = (1, 1)/(0, 1)
T = (0, -1)/(1, 0)
ρ = (-1 + √(-3))/2 = exp(2π√(-1)/3) とおく。

z が √(-1) でも ρ でもないとき I(z) = {±1}

z = √(-1) のとき I(z) = {±1, ±g}
ここで g = T

z = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) のとき I(z) = {±1, ±g, ±g^2}
ここで g = TS = (0, -1)/(1, 1)

証明
(1)
>>255 で証明されている。

(2) と (3)
>>261 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 からわかる。
証明終

268 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 04:10:06
>>267 から >>234 の別証が得られたことになる。

269 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 04:32:25
定理
SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で生成される。

証明
S と T で生成される SL_2(Z) の部分群を K とおく。

D = { z ∈ H ; |Re(z)| < 1/2 かつ |z| > 1 } とおく。

D から任意の元 z を取る。
g を SL_2(Z) の任意の元とする。

>>240>>255 より hg(z) ∈ G となる h ∈ K が存在する。

>>267 の (2) より hg(z) = z である。
>>267 の (3) より hg = ±1 である。
よって g ∈ K となる。

証明終

270 :132人目の素数さん:2006/12/17(日) 06:41:46
kummer さんの数式の書き方、きれいですね!
TeX いらないのでは!

271 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 10:52:37
>>270

有難うございます。
これだけ書いてるとさすがに上達しますw

272 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 12:11:49
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

273 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 12:20:51
定義
2次体 Q(√m) において m > 0 のとき Q(√m) を実2次体と呼ぶ。
m < のとき Q(√m) を虚2次体と呼ぶ。

Q(√m) が虚2次体のとき、√m = √(|m|) √(-1) と決めておく。
ここで √(|m|) は |m| の正の平方根である。

したがって、√m および ω (>>11) は複素上半平面にある。

274 :132人目の素数さん:2006/12/17(日) 12:42:07
問題
z を複素数、a, b, c, d を実数とする。
ただし、cz + d ≠ 0 とする。

w = (az + b)/(cz + d) とおく。

このとき

Im(w) = (ad - bc)Im(z)/|cz + d|^2

である。

275 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 12:49:19
補題

虚2次体 Q(√m) の原始イデアル I = [a, b + ω] と J = [k, l + ω]
が同じイデアル類に属すとする。
すなわち I = ρJ となる ρ ∈ Q(√m) があるとする。
このとき θ = (b + ω)/a、ψ = (l + ω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>194 より θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

>>273 の規約より θ と ψ は複素上半平面にある。

よって >>274 より ps - qr = 1 である。

証明終

276 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 15:35:27
定義
代数的数(前スレ3の156) θ に対して Q(θ) が Q の n 次拡大で
あるとき θ を n 次の代数的数という。

θ は有理数係数の多項式 f(X) = a_0X^n + a_1X^(n-1) ... + a_n の
根となる。ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
a_0 > 0 である。

f(X) は θ により一意に決まる。

f(X) の判別式を θ の判別式という。

ここで f(X) の判別式について復習しよう。

f(X) の根を θ_0, ..., θ_(n-1) とする。

f(X) の根の差積をΔとする。つまり Δ = Π(θ_i - θ_j) である。
ここで積は i < j となる対 (i, j) 全体を動く。

D = Δ^2 は θ_0, ..., θ_(n-1) の対称式だから f(X) の係数の
多項式で表せる。よって D は有理整数である。

D を f(X) の判別式という。

277 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 20:10:58
A を環とする。

x と y を A の元を成分とする n 次の列ベクトルとしたとき
(x, y) は (x^t)y を表すとする。ここで x^t は x の転置であり、
x^t は行ベクトルになる。

S を A の元を成分とする n 次の対称行列とする。

2次形式 (x, Sx) = (x^t)Sx = (Sx, x)
を考える。これを S[x] と書く。

P を A の元を成分とする n 次の可逆正方行列とする。

x = Py と変数変換すると、

S[x] = (Py, SPy) = (Py)^t(SPy) = y^t(P^t)SPy =(y, (P^t)SPy)
= (P^t)SP[y]

det((P^t)SP) = det(P)^2 det(S) である。

278 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 21:01:58
>>276
>ここで a_0, ..., a_n の最大公約数は 1 であり、
>a_0 > 0 である。

a_0 > 0 の条件をつけない場合もある。
この場合 f(X) の係数は符号を除いて決まる。
さらに f(X) の判別式は根の差積 Δ の平方だから
θ により一意に決まる。

279 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 22:12:29
定義
有理整数係数の2元2次同次多項式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

を2元2次形式、略して、2次形式という。

gcd(a, b, c) = 1 のとき f を原始的という。

D = b^2 - 4ac を f の判別式という。

280 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 22:40:30
2次形式

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2

に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である。

281 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 23:09:27
>>280 のつづき

f(x, y) の判別式を D とする。

A を2次の正方行列 (a, b/2)/(b/2, c) とする。
行列の記法 (a, b)/(c, d) については >>196 を参照。

B = (k, l/2)/(l/2, m) とおく。

P = (p, q)/(r, s) とおく。

P の転置行列 P^t は (p, r)/(q, s) である。

>>277 より

B = (P^t)AP である。

よって det(B) = det(P)^2 det(A) である。

det(P) = ps - qr = ±1

だから
det(B) = det(A) である。

よって km - l^2/4 = ac - b^2/4
よって l^2 - 4km = b^2 - 4ac = D

282 :132人目の素数さん:2006/12/17(日) 23:26:42
命題

>>280 において

gcd(a, b, c) = gcd(k, l, m) である。

証明
a, b, c で生成される有理整数環のイデアルを I とする。
k, l, m で生成される有理整数環のイデアルを J とする。

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

より J ⊂ I である。

一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

は可逆だから

2次形式 g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2
にこの逆一次変換を作用させて f(x, y) を得ることが出来て、
a, b, c を k, l, m の式で表せる。

よって I ⊂ J である。
証明終

283 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/17(日) 23:29:43
>>282 に名前を入れるのを忘れた。
将来の検索の便宜のために注意しておく。

284 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:44:58
2次の代数的数(>>276)のことを2次の無理数ともいう。

285 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:46:12
GL_n(Z) で有理整数を成分とする n 次の正方行列で可逆なものの
なす群を表す。

g ∈ GL_n(Z) であるためには det(g) = ±1 が必要十分である。

GL_2(Z) の元は C ∪ {∞} に一次分数変換として作用する(>>196)。

286 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:49:21
命題
θ を2次の無理数(>>284)とする。
τ = g(θ) とする。ここで g は GL_2(Z) (>>285) の元である。
このとき τ も2次の無理数であり、θ と同じ判別式(>>276)をもつ。

証明
aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

D = b^2 - 4ac は θ の判別式である。
θ は2次の無理数だから D は平方数ではない。

2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を考える。

g の逆行列を h = (p, q)/(r, s) とする。
θ = h(τ) = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = kx^2 + lxy + my^2
とすると、>>281 より D = l^2 - 4km である。

μ = pτ + q
ν = rτ + s
とおく。

θ = μ/ν だから
a(μ/ν)^2 + b(μ/ν) + c = 0
aμ^2 + bμν + cν^2 = 0
よって f(μ, ν) = g(τ, 1) = 0

よって g(τ, 1) = lτ^2 + mτ + n = 0
D = l^2 - 4km は平方数ではないから τ は2次の無理数である。
証明終

287 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:56:08
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
θ を判別式 D の2次の無理数とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - 1 + 1 + √m)/2 = (-b - 1)/2 + ω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2√m)/2 = -b/2 + ω

いずれの場合でも aθ = r + ω の形である。
r = aθ - ω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0
だから N(aθ) = ac である。

よって [a, aθ] = [a, r + ω] は Q(√m) の原始イデアルである。

288 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 19:59:48
>>285

A を環としたとき GL_n(A) も同様に定義される。

g ∈ GL_n(A) であるためには det(g) が A の可逆元であることが
必要十分である。

289 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 22:55:11
補題
2次形式 f = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式が、ある2次体 Q(√m) の
判別式に等しいなら f は原始的(>>279)である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を D とする。
仮定より、D = b^2 - 4ac である。

f が原始的でないとするとある有理整数 t > 1 があり、
a, b, c はそれぞれ t で割れる。よって D は t^2 で割れる。
D = (t^2)d とする。

m ≡ 1 (mod 4) のときは D = m であるから D は平方因子を含まない。
これは D = (t^2)d に反する。

よって m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) である。
この場合 D = 4m である。
m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。
よって t = 2 である。

b = 2e とする。
D = b^2 - 4ac = 4(e^2 - ac)
よって e2 - ac = m である。

ac ≡ 0 (mod 4) だから m ≡ e^2 (mod 4)
よって
m ≡ 0 (mod 4) または m ≡ 1 (mod 4)
である。これは矛盾である。
証明終

290 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 23:04:49
>>289
>m は平方因子を含まないから 2 で割れるとしても 4 では割れない。

m ≡ 0 (mod 4) でないことは
m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) からもわかる。

291 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 23:17:34
補題
有理整数係数の2次多項式 f(X) = aX^2 + bX + c の判別式が、
ある2次体 Q(√m) の判別式に等しいなら gcd(a, b, c) = 1 である。

証明
>>289 と同様である。

292 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/18(月) 23:26:20
命題
I = [a, r + ω] を2次体 Q(√m) の原始イデアルの標準基底による
表示とする。

θ = (r + ω)/a とおく。
θ は2次無理数であり、その判別式は Q(√m) の判別式と一致する。

証明
Q(√m) の判別式を D とする。

θ が有理数なら ω = aθ - r が有理数になり矛盾である。
θ ∈ Q(√m) だから θ は2次無理数である。

β = r + ω とおく。仮定より N(r + ω) = ββ ' は a で割れる。

f(X) = a(X - θ)(X - θ ') とおく。

f(X) = a(X - β/a)(X - β '/a) = aX^2 -(β + β ')X + ββ '/a

b = -(β + β ')
c = ββ '/a
とおくと b と c は有理整数」であり、f(X) = aX^2 + bX + c である。

f(X) の判別式は (β + β ')^2 - 4ββ ' = (β - β ')^2
= (ω - ω ')^2 = D である。

>>290 より gcd(a, b, c) = 1 である。
よって θ の判別式は D である。
証明終

293 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/19(火) 22:18:56
定義
2次形式(>>279) f(x, y) = a^x^2 + bxy + cy^2 の判別式 D が
平方数でなく D < 0 とする。

a > 0 のとき f は正定値であるという。
a < 0 のとき f は負定値であるという。

D は平方数でないから a ≠ 0 であることに注意する。

294 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/19(火) 22:28:43
>>293
>a^x^2 + bxy + cy^2

ax^2 + bxy + cy^2

295 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/19(火) 22:42:50
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≧ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
f(x, y) の判別式を D とする。
f(x, y) は正定値だから D < 0 かつ a > 0 である(>>293)。

af(x, y) = a^2x^2 + abxy + acy^2

= (ax + by/2)^2 + acy^2 - (b^2/4)y^2

= (ax + by/2)^2 + (4ac - b^2)y^2/4

= (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これから補題の主張は直に出る。

証明終

296 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 12:51:50
補題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を負定値(>>293)の2次形式とする。

(u, v) を 直積 Z × Z の元とすれば f(u, v) ≦ 0 であり、
f(u, v) = 0 となるのは (u, v) = (0, 0) のときに限る。

証明
>>295 の証明より

af(x, y) = (ax + by/2)^2 + |D|y^2/4

これより補題の主張は明らか。

証明終

297 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 12:54:09
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。

ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

f(x, y) が正定値(>>293)であるためには g(u, v) が正定値であること
が必要十分である。

証明
>>281 より f と g の判別式は同じである。

一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
は可逆だから (u, v) に (x, y) を対応させることにより
集合としての直積 Z × Z の自己同型写像が得られる。

これと >>295>>296 からわかる。
証明終

298 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 15:34:52
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を正定値(>>293)の2次形式とする。
さらに f = f(x, y) の判別式が、ある2次体 Q(√m) の判別式 D に
等しいとする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の
原始イデアルであり、同じイデアル類に属す。

299 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 15:37:57
>>298 の証明

D < 0 だから Q(√m) は虚2次体である。
θ = (-b + √D)/2a とおく。θ は ax^2 + bx + c = 0 の根である。

ここで、>>273 と同様に √D = √|D| √(-1) とする。
a > 0 だから θ は複素上半平面にある。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

行列 (p, q)/(r, s) の逆行列は (s, -q)/(-r, p) である。
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおく。
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから
τ も複素上半平面にある。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = g(τ, 1) = kτ^2 + lτ + m
である。

>>297 より g(u, v) は正定値だから、k > 0 である。
よって τ が複素上半平面にあることから τ = (-l + √D)/2k で
でなければならない。

>>287 より [k, (-l + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。
>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] は、
Q(√m) の同じイデアル類に属す。
証明終

300 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 15:54:09
>>194 において Q(√m) が虚2次体のとき、>>273 より
θ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2

よって ps - qr = 1 である。

301 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 16:05:53
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

a と b は c で割れるから a = ce、b = cr とすると、

I = c[e, r + ω] となる。[e, r + ω] は原始イデアルである。

(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

302 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 16:17:06
定義
2次形式 f と g は ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、

g(x, y) = f(px + qy, rx + sy)

となるとき、同値であるという。

303 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 16:36:36
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
Q(√m) のイデアル類群(>>193)を Cl(D) と書く。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書く。

F+ の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアルである。

>>298 より、このイデアルの属すイデアル類は f(x, y) の取り方に
よらない。

よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

304 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 17:08:22
命題
>>303 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じイデアル類に
属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>300 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

305 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 17:33:53
命題
>>303 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I = [a, b + cω] を2次体 Q(√m) のイデアルの標準基底による
表示とする(>>16)。

>>301 より I = c[e, r + ω] となり、
(b + cω)/a = (r + ω)/e である。

θ = (r + ω)/e とおく。

>>292 よりθ は2次無理数であり、
その判別式は D である。

よって aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ は複素上半平面にあるから θ = (-b + √D)/2a である。
よって >>287 より [a, (-b + √D)/2] は Q(√m) の原始イデアル
である。

>>195 より [a, (-b + √D)/2] と [e, r + ω] は
Q(√m) の同じイデアル類に属す。

よって、写像 Φ+ により f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の
属す F+ の類が I の属すイデアル類に対応する。
証明終

306 :132人目の素数さん:2006/12/20(水) 18:38:43
これって何の本を参考にされてるんですか?

307 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 19:12:31
>>306

主に高木の初等整数論講義です。
しかし、この本のこのあたりはあまり整理されていない。
2次形式もあまり表だっては使われていない。

2次形式まわりの定義(特に正定値2次形式)については Zagier の
数論入門(岩波) を参考にしました。
しかし、この本はこのあたりの証明はほとんど書いてないので
定義以外はあまり参考にならない。

写像 Φ+ の定義については Zagier と前に言及した Cohen の
A course in computational algebraic number thery
を参考にしました。

しかし、この本にも証明はほとんど書いてないです。

308 :132人目の素数さん:2006/12/20(水) 19:30:04
>>307
ありがと。
Zagierはちょうど図書館から借りてるところだったので、暇なときに読んでみる

309 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/20(水) 22:58:18
正定値というのは positive definite の訳ですが誤解を与える
かもしれない。
正値のほうがいいかもしれない。

310 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 09:34:58
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2
とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

θ = (b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおくと
θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

証明
kτ^2 + lτ + m = 0 だから
g(τ, 1) = f(pτ + q, rτ + s) = 0
よって
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この式の両辺を (rτ + s)^2 で割ると

aμ^2 + bμ + c = 0
となる。ここで μ = (pτ + q)/(rτ + s) とおいた。

a > 0 であり、μ は複素上半平面にあるから
μ = (b + √D)/2a である。
よって θ = μ である。
証明終

311 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 09:56:24
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数(>>276) の SL_2(Z) の
作用での同値類の集合を H(D) と書く。

F+(D) (>>303) の元からその任意の代表 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
をとる。 (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次の
無理数である。

>>310 より (-b + √D)/2a の属す H(D) の同値類は f(x, y) の属す
F+(D) の同値類のみで決まる。

よって F+(D) から H(D) への写像が定まる。
この写像を Ψ+ と書く。

312 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 09:58:46
命題
>>311 の写像 Ψ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を 判別式 D の正定値2次形式とする。
さらに
θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおいたとき

θ = (pτ + q)/(rτ + s)
とする。ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを h(x, y) とする。
>>297 より h(x, y) は正定値である。
>>281 より h(x, y) の判別式は D だから >>289 より h(x, y) は
原始的である。

h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

313 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 10:09:09
命題
>>311 の写像 Ψ+ は全射である。

証明
H(D) の任意の類からその代表 θ を取る。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数である。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

f = ax^2 + bxy + cy^2 は判別式 D の正定値2次形式である。
f の属す F+(D) の類に θ の属す H(D) の類が対応する。
証明終

314 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 11:22:09
>>304>>305 より
集合 F+(D) と Cl(D) の間に全単射が存在し、

>>312>>313 より
F+(D) と H(D) の間に全単射が存在することが分かった。

315 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 11:28:33
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
θ を複素上半平面にある判別式 D の2次の無理数とする。

>>267 の (1) より θ は >>253 の G の点と SL_2(Z) の作用で
同値である。

θ ∈ G となる条件を求めよう。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1、a > 0、
b^2 - 4ac = D である。

θ = (-b + √D)/2a である。

>>257 より (√|D|)/2a ≧ (√3)/2
よって
(√|D|) ≧ a√3
よって
a ≦ √(|D|/3)

よって a の取りうる値は有限である。

他方
|b/2a| ≦ 1/2 だから |b| ≦ a である。
よって b の取りうる値も有限である。

b^2 -4ac = D だから a と b が決まれば c も決まる。

以上から H(D) は有限集合であることが分かった。
>>314 よりイデアル類群 Cl (D) の位数も有限である。

316 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 12:01:51
定義
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。
>>315 より Q(√m) のイデアル類群 Cl (D) の位数は有限である。
これを Q(√m) の類数と呼び、h(D) と書く。

317 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 12:05:57
問題
Q(√(-5) の類数 h(-20) を >>315 を使って求めよ。
さらにイデアル類群 Cl (-20) の各類の代表となる原始イデアルを
求めよ。

318 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/21(木) 13:09:45
問題
m が -1, -2, -3, -7, -11, -19, -43, -67, -163 のとき
Q(√(−m)) の類数は1であることを証明せよ。

m の値が異なる毎に答えのレスを変えること。

319 :132人目の素数さん:2006/12/22(金) 14:56:54
与えられた類数を持つ虚二次体って有限個なの?

320 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 15:31:19
定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。

321 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 16:26:24
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式(>>320)であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

証明
θ = (-b + √D)/2a が >>253 で定義した集合 G に属すとする。

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }
である。

Re(θ) = -b/(2a) だから -1/2 ≦ -b/(2a) < 1/2 である。
したがって -a ≦ -b < a
よって |b| ≦ a
|b| = a のときは a = b である。

他方、 D = b^2 - 4ac に注意して、
|θ|^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = (b^2 + |D|)/4a^2 = 4ac/4a^2 = c/a

|θ| ≧ 1 であるためには a ≦ c が必要十分である。

|θ| = 1 つまり a = c のときは -1/2 ≦ -b/(2a) ≦ 0
よって -a ≦ -b ≦ 0
つまり a ≧ b ≧ 0
証明終

322 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 20:01:00
>>319

そうです。

もっと一般に与えられた次数と類数を持つ有理数体の虚アーベル拡大体
も有限個です。

この証明は、例えば Narkiewicz の
Elementary and analytic theory of algebraic numbers
に載っています。

323 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 20:42:34
Lecture Notes on Algebraic Number Theory

ttp://www.fen.bilkent.edu.tr/~franz/LN/LN-ant.html

324 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 21:11:15
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値(>>293)の2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
判別式 D の正定値(>>293)の2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 が判別式 D の正定値2次形式なら

θ = (-b + √D)/2a は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数
である。

従って φ(f) = θ により写像 φ : PF(D) → HQ(D) が定まる。

逆に、θ が複素上半平面にある判別式 D の2次無理数なら、
>>276 より aθ^2 + bθ + c = 0 となる。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 かつ a > 0 である。

>>276 より a, b, c は θ により一意に決まる。

θ に ax^2 + bxy + cy^2 を対応させれば、これが φ の逆写像である。
証明終

325 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 21:53:50
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

θ = (-b + √D)/2a とおく。
θ は複素上半平面にある判別式 D の2次無理数である。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) のとき
τ = (sθ - q)/(-rθ + p) とおくと、>>286 より τ は判別式 D の
2次無理数である。

>>198 より Im(τ) = Im(θ)/|-rθ + p|^2 だから τ は
複素上半平面にある

θ = (pτ + q)/(rτ + s) である。

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 より

a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)/(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0 となる。

この左辺は f(pτ + q, rτ + s) = kτ^2 + lτ + m である。

>>281 より g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 の判別式は D であり、
>>297 より g は正定値2次形式である。よって k > 0 である。

よって τ = (-l + √D)/2k である。

以上を簡潔にまとめると
f に θ が対応するなら g には τ が対応する。

326 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 22:43:34
G を >>253 で定義した集合とする。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数 θ が与えられたとき
それと SL_2(Z) の作用に関して同値な2次無理数で G の点となるもの
を有限回の手続きで求める方法を述べる。

>>269 より SL_2(Z) は S = (1, 1)/(0, 1) と T = (0, -1)/(1, 0) で
生成される。

以下のアルゴリズムを考える。

(1) -1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 なら (2) にいく。
-1/2 ≦ Re(θ) < 1/2 でなければ
θ に一次分数変換 S^(n)(θ) = θ + n を施すことにより
τ = θ + n を -1/2 ≦ Re(τ) < 1/2 と出来る。
θ = τ とおく。

(2) |θ| < 1 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると |τ| > 1 となる。
θ = τ とおいて、(1) にいく。

|θ| > 1 なら終了。

|θ| = 1 なら (3) にいく。

(3) -1/2 ≦ Re(θ) ≦ 0 なら終了。

0 < Re(θ) < 1/2 なら τ = T(θ) = -1/θ とすると
|τ| = 1 で -1/2 < Re(τ) < 0 となるので θ = τ と
おいて終了。

327 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 23:36:32
補題
a と b を有理整数として a > 0 とする。

-a ≦ 2ak + b < a となる有理整数 k が一意に存在する。

証明
有理整数の割り算の剰余定理の一種だが、改めて証明しよう。

集合 { n ∈ Z ; 2an ≦ b } の最大値を m とする。

2am ≦ b < 2a(m + 1) = 2am + 2a だから区間 [2am, 2am + 2a) を
2等分して
2am ≦ b < 2am + a または 2am + a ≦ b < 2am + 2a である。

前者の場合 0 ≦ b - 2am < a
後者の場合 -a ≦ b - 2a(m + 1) < a
よって k = -m または k = -(m + 1) とおけばよい。

一意性の証明が残っている。
-a ≦ 2ak + b < a かつ -a ≦ 2al + b < a とする。

-a < -2al - b ≦ a だから
-2a < 2a(k - l) < 2a となる。
対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

よって 2a|k - l| < 2a だから |k - l| < 1 となる。
k と l は有理整数だから k = l である。
証明終

328 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/22(金) 23:46:51
>>326 のアルゴリズムが有限回で終わることを証明しよう。

そのため >>326 のアルゴリズムを正定値2次形式の簡約アルゴリズムに
翻訳する。

Gauss に倣って簡単のために、2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 を
(a, b, c) と書くことにする。

いつものように Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

n を有理整数として f に S^n = (1, n)/(0, 1) を作用させと、

x = u + nv
y = v
とおいて、

f(u + nv, v) = a(u + nv)^2 + b(u + nv)v + cv^2
= au^2 + (2an + b)uv + (an^2 + bn + c)v^2
= (a, 2an + b, an^2 + bn + c)

f に T = (0, -1)/(1, 0) を作用させると、

x = -v
y = u
とおいて

f(-v, u) = av^2 - buv + cu^2 = (c, -b, a)

329 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 00:14:09
以下のアルゴリズムを考える。

(1)
-a ≦ -b < a なら (2) にいく。
-a ≦ -b < a でなければ

(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

(2)
a < c なら終了。

a = c なら (3) にいく。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

(3)
b ≧ 0 なら終了。

b < 0 なら (a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、終了。

330 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 00:40:24
>>329 の (1) において |b| > a のとき、
(a, b, c) に S^(n) を施して
(a ', b ', c ') = (a, 2an + b, an^2 + bn + c) となり、
-a ≦ b ' < a となる。よって |b '| ≦ a である。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) と (3) において |b| は変化しない。

以上から >>329 のアルゴリズムは有限回で終わる。
したがって、それと同値な >>326 のそれも有限回で終わる。

331 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 00:57:37
訂正

>>330
>-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
>このときも -a ≦ -b ' < a となり |b| は、少なくとも 1 減少する。

-b = a のときも (a, b, c) に S^(n) を施すが、
このときは -a = -b ' となり |b| は変化しない。

332 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:08:43
>>327
>対称的に -2a < 2a(l - k) < 2a となる。

この行は不要なので削除。

333 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:33:37
>>329 の簡約アルゴリズムは |b| = a または a = c の場合を
考慮するのでやや面倒である。
これを軽減するため以下の定義をする。

定義
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D で正定値(>>293)の
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

334 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:47:23
命題
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)の
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式(>>333)であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

証明
>>321 の証明から明らか。

335 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:48:39
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

以下のアルゴリズムは判別式 D の任意の正定値2次形式 (a, b, c)
を広義の簡約2次形式(>>333)に変形する。

(1)
|b| ≦ a なら (2) にいく。

|b| > a なら
(a, b, c) に S^(n) を施すことにより
(a, 2an + b, an^2 + bn + c) となる(>>328)。

ここで -a ≦ -2an - b < a となるように n をとっておく(>>327) 。

(a, 2an + b, an^2 + bn + c) を改めて (a, b, c) とおく。

|b| ≦ a となっている。

(2)
a ≦ c なら終了。

a > c なら
(a, b, c) に T を施すことにより (c, -b, a) となる(>>328)。

(c, -b, a) を改めて (a, b, c) とおき、(1) にいく。

336 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 01:54:06
>>335 の (1) において |b| > a なら、(a, b, c) に S^(n) を施して
|b| ≦ a と出来る。
つまり |b| は、少なくとも 1 減少する。

(2) において |b| は変化しない。

以上から >>335 のアルゴリズムは有限回で終わる。

337 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 02:20:08
広義の簡約2次形式を狭義つまり >>320 で定義した簡約2次形式に
変形するのは簡単である。

(a, b, c) を広義の簡約2次形式とする。

|b| = a で b < 0 なら -b = a である。

(a, b, c) に 変換 S = (1, 1)/(0, 1) を施すことにより
(a, 2a + b, a + b + c) となる(>>328)。

ここで 2a + b = a である。
a + b + c = c である。

よって (a, 2a + b, a + b + c) = (a, a, c) は狭義の簡約2次形式
である。

今度は a = c で b < 0 とする。
(a, b, a) に T = (0, -1)/(1, 0) を施すことにより
(a, -b, a) となる(>>328)。

これは狭義の簡約2次形式である。

338 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 02:36:15
ここで一息いれて雑談。

有理整係数の2元2次形式について書いてある本は非常に少ない。
これは何故なんだろうね。

2元2次形式の理論は2次体の整数論に吸収されるからというのも
あるだろうが、これはちょっといただけない。

339 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 11:30:10
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

判別式 D の正定値2次形式を >>302 の同値関係で類別した同値類の
集合を F+(D) と書いた(>>303)。

|F+(D)| は、判別式 D の簡約2次形式(>>320)の個数と一致する。

証明
>>324>>325 および >>267 より明らかである。

340 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 11:35:08
命題
Q(√m) を虚2次体とする。その判別式を D とする。

Q(√m) の類数は、判別式 D の簡約2次形式(>>320)の個数と一致する。

証明
>>314 より Q(√m) の類数は |F+(D)| に等しい。
これと >>339 から出る。

341 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 11:51:03
Q(√m) を虚2次体とし、その判別式を D とする。

判別式 D の簡約2次形式(>>320)を求める方法を考える。

>>321 より
(a, b. c) (この記法に関しては >>328 を参照) が簡約2次形式(>>320)
であるためには、

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

b^2 - 4ac = D だから
4ac = b^2 + |D|
c = (b^2 + |D|)/4a

a ≦ c より

a ≦ (b^2 + |D|)/4a

4a^2 ≦ b^2 + |D| ≦ a^2 + |D|

3a^2 ≦ |D|

a^2 ≦ |D|/3

a ≦ √(|D|/3)

よって a の取り得る値は有限個である。

|b| ≦ a だから b の取り得る値も有限個である。

c は c = (b^2 + |D|)/4a より a と b が決まれば一意に決まる。

342 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 12:01:07
>>340>>341 の威力をみるため、
m = -146 = -2・73 として Q(√m) の類数を計算してみよう。

m ≡ 2 (mod 4) だから Q(√m) の判別式 D は 4m = -584 = -2^3・73
である。

(a, b. c) を判別式 D の簡約2次形式とする。

a ≦ √(|D|/3) = √(584/3) = √194.666 = 13.95...
したがって、1 ≦ a ≦ 13

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 584

ac = (b^2 + 584)/4

b^2 + 584 を 0 ≦ b ≦ 13 の範囲で計算すると

0^2 + 584 = 584 = 4・146 = 4・2・73
1^2 + 584 = 585
2^2 + 584 = 588 = 4・147 = 4・3・7^2
3^2 + 584 = 593
4^2 + 584 = 600 = 4・150 = 4・2・3・5^2
5^2 + 584 = 609
6^2 + 584 = 620 = 4・155 = 4・5・31
7^2 + 584 = 633
8^2 + 584 = 648 = 4・162 = 4・2・3^4
9^2 + 584 = 665
10^2 + 584 = 684 = 4・171 = 4・3^2・19
11^2 + 584 = 705
12^2 + 584 = 728 = 4・182 = 4・2・7・13
13^2 + 584 = 753

343 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 12:11:52
>>342 の続き

a = 1 のとき |b| = 0、c = 2・73 = 146、(a, b. c) = (1, 0, 146)
である。以下同様。
------------------------------------------------------------
a = 2 のとき |b| = 0、c = 73、(2, 0, 73)
------------------------------------------------------------
a = 3 のとき |b| = 2、c = 7^2 = 49、(3, ±2, 49)
------------------------------------------------------------
a = 4 は無い
------------------------------------------------------------
a = 5 のとき |b| = 4、c = 2・3・5 = 30、(5, ±4, 30)
------------------------------------------------------------
a = 6 のとき |b| = 4、c = 5^2 = 25、(6, ±4, 25)
------------------------------------------------------------
a = 7 のとき |b| = 2、c = 3・7 = 21、(7, ±2, 21)
------------------------------------------------------------
a = 8 は無い
------------------------------------------------------------
a = 9 のとき |b| = 8、c = 2・3^2 = 18、(9, ±8, 18)
------------------------------------------------------------
a = 10 のとき |b| = 4、c = 3・5 = 15、(10, ±4, 15)
------------------------------------------------------------
a = 11は無い
------------------------------------------------------------
a = 12は無い
------------------------------------------------------------
a = 13 のとき |b| = 12、c = 2・7 = 14、(13, ±12, 14)
------------------------------------------------------------

以上から h(D) = 16 である。

344 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 12:21:28
>>342>>343 の計算は電卓を使って30分程度かかりました。
以外に簡単というのが私の感想です。

345 :132人目の素数さん:2006/12/23(土) 21:16:14
>338
> 有理整係数の2元2次形式について書いてある本は非常に少ない。
> これは何故なんだろうね。
読んだ事ないが、Scharlau が良いと Cohn に載っていた。
Milnor-Husemoller (絶版か?)てのは如何なんだろうか。
昔はトポロジーの分野で有理整係数の2元2次形式がよく出てたが・・・

346 :132人目の素数さん:2006/12/23(土) 22:42:31
>>345

有難うございます。
Scharlau は知らなかったです。

Milnor-Husemollerの本は有理整係数の多元2次形式について書いて
あるんじゃないんですかね。

一般の n 元2次形式論の本はいくらかあるんです(Eichlerとか)。
それでも少ないとは思いますが。

私の言ってるのは、このスレで扱ってる2元2次形式のことです。
これは2次体の整数論と密接に関係しているので特殊な扱いが
出来るわけです。

347 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 22:44:49
>>346 に名前を入れるのを忘れました。

348 :king様の弟子 ◆/LAmYLH4jg :2006/12/23(土) 22:47:15
:Kummer ◆g2BU0D6YN2 さんがんばってください!がんばって読んでます。

349 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/23(土) 22:53:13
>>348

有難うございます。

350 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:06:29
>>343 の表の各簡約2次形式に対応する原始イデアルを求める。
>>303 より 簡約2次形式 (a, b, c) には Q(√m) の原始イデアル
[a, (-b + √D)/2] の類が対応する。
D = 4m だから √D = 2ω である。
ここで、いつものように ω = √m = √(-146) である。

------------------------------------------------------------
(1, 0, 146) 〜 [1, ω]
------------------------------------------------------------
(2, 0, 73) 〜 [2, ω]
------------------------------------------------------------
(3, -2, 49) 〜 [3, 1 + ω]
(3, 2, 49) 〜 [3, -1 + ω]
------------------------------------------------------------
(5, -4, 30) 〜 [5, 2 + ω]
(5, 4, 30) 〜 [5, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(6, -4, 25) 〜 [6, 2 + ω]
(6, 4, 25) 〜 [6, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(7, -2, 21) 〜 [7, 1 + ω]
(7, 2, 21) 〜 [7, -1 + ω]
------------------------------------------------------------
(9, -8, 18) 〜 [9, 4 + ω]
(9, 8, 18) 〜 [9, -4 + ω]
------------------------------------------------------------
(10, -4, 15) 〜 [10, 2 + ω]
(10, 4, 15) 〜 [10, -2 + ω]
------------------------------------------------------------
(13, -12, 14) 〜 [13, 6 + ω]
(13, 12, 14) 〜 [13, -6 + ω]
------------------------------------------------------------

351 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:21:19
>>350 を使って Q(√(-146)) のイデアル類群の構造を決定しよう。

単位類、つまり [1, ω] の属す類を E とおく。

[2, ω] の属す類を B とおく。

[2, ω]^2
= < 4, 2ω, -146 >
= < 4, 2ω, -2 >
= < 2ω, 2 >
= 2[1, ω]

だから B^2 = E である。

上の < 4, 2ω, -146 > などは、4, 2ω, -146 で生成される
Z[ω] の部分アーベル群を表す(>>9 参照)。

352 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:39:31
[5, 2 + ω] の属す類を C とおく。

[5, 2 + ω]^2
= < 25, 10 + 5ω, 4 + 4ω -146 >
= < 25, 10 + 5ω, 4ω -142 >
= < 25, 10 + 5ω, 4ω -17 >
= < 25, 27 + ω, 4ω -17 >
= < 25, 2 + ω, 4ω -17 >
= < 25, 2 + ω, -25 >
= [25, 2 + ω]

N(2 + ω) = 4 + 146 = 150 = 25・6

(2 + ω)/25 に一次変換 T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を施すと
-25/(2 + ω) になる。

-25/(2 + ω) = -25(2 - ω)/N(2 + ω) = -25(2 - ω)/(4 + 146)
= -25(2 - ω)/150 = -25(2 - ω)/(25・6) = (-2 + ω)/6

よって >>195 より [25, 2 + ω] 〜 [6, -2 + ω]
ここで 〜 は両辺のイデアルが同じイデアル類に属すことを示す。

353 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 00:52:11
>>352 より C^2 〜 [6, -2 + ω] = [6, 4 + ω]

よって

[5, 2 + ω]^3
〜 [5, 2 + ω][6, 4 + ω]
= < 30, 20 + 5ω, 12 + 6ω, 8 + 6ω - 146 >
= < 30, 20 + 5ω, 12 + 6ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 138 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 6ω - 18 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω, 30 >
= < 30, 20 + 5ω, -8 + ω >
= < 30, 60, -8 + ω >
= [30, -8 + ω] 〜 [7, 1 + ω]

以下、同様にして

[5, 2 + ω]^4 〜 [9, 4 + ω]
[5, 2 + ω]^5 〜 [13, -6 + ω]
[5, 2 + ω]^6 〜 [3, -1 + ω]
[5, 2 + ω]^7 〜 [10, -2 + ω]
[5, 2 + ω]^8 〜 [2, ω]

よって C^8 = B である。

>>351 より B^2 = E だから C の位数は 16 である。

よって Q(√(-146)) のイデアル類群は C で生成される位数 16 の
巡群である。

354 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 01:03:23
>>350 の表の各原始イデアルが属すイデアル類を C のべきで表す。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

------------------------------------------------------------
(1, 0, 146) 〜 [1, ω] E
------------------------------------------------------------
(2, 0, 73) 〜 [2, ω] B = C^8
------------------------------------------------------------
(3, -2, 49) 〜 [3, 1 + ω] C^10
(3, 2, 49) 〜 [3, -1 + ω] C^6
------------------------------------------------------------
(5, -4, 30) 〜 [5, 2 + ω] C
(5, 4, 30) 〜 [5, -2 + ω] C^15
------------------------------------------------------------
(6, -4, 25) 〜 [6, 2 + ω] C^14
(6, 4, 25) 〜 [6, -2 + ω] C^2
------------------------------------------------------------
(7, -2, 21) 〜 [7, 1 + ω] C^3
(7, 2, 21) 〜 [7, -1 + ω] C^13
------------------------------------------------------------
(9, -8, 18) 〜 [9, 4 + ω] C^4
(9, 8, 18) 〜 [9, -4 + ω] C^12
------------------------------------------------------------
(10, -4, 15) 〜 [10, 2 + ω] C^9
(10, 4, 15) 〜 [10, -2 + ω] C^7
------------------------------------------------------------
(13, -12, 14) 〜 [13, 6 + ω] C^11
(13, 12, 14) 〜 [13, -6 + ω] C^5
------------------------------------------------------------

355 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 01:07:09
訂正

>>354
>例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
>逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
>[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆イデアルである。よって [3, -1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, 1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

356 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 01:10:56
>>354 の表の計算にはかなり時間がかかった。
ほとんど一日がかり。

357 :132人目の素数さん:2006/12/24(日) 03:08:03
>>317>>318 の問題、誰か解いて

358 :聴講生:2006/12/24(日) 08:11:23
>>317
|D| = 20 より a ≦ √(20/3) なので、a = 1,2
b^2 - 4ac = -20 より b は偶数。よって、 |b| ≦ a より
a = 2,b = ±2,c = 3
2x^2 ±2xy + 3y^2 に対応するイデアルは[2,±1 + √(-5)]
[2,1 + √(-5)] = [2,-1 + √(-5)]
[2,1 + √(-5)]^2 = <4,2 + 2√(-5),-4 + 2√(-5)> = (2)
よって、h(-20) = 2 で、代表となる原始イデアルは
[1,√(-5)] と [2,1 + √(-5)]

359 :聴講生:2006/12/24(日) 08:14:46
a = 1,b = 0,c = 5 が抜けました。

360 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 11:36:21
訂正

>>354
>例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
>逆イデアルである。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
>[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

例えば、[3, 1 + ω] と [3, -1 + ω] は共役なので互いに
逆のイデアル類に属す。よって [3, 1 + ω] が C^6 に属すことから
[3, -1 + ω] が C^10 に属すことが分かる。

361 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 13:15:45
>>358

有難うございます。

362 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 13:17:00
>>161 の問題に戻る。

p を Q(√(-5)) で完全分解(>>106)する素数とする。
p ≠ 2, 5 である。

>>105 より (-5/p) = 1 である。

(-5/p) = (-1/p)(5/p)
であり、
平方剰余の相互法則(前スレ3の751)より
(5/p) = (p/5) である。

1^2 ≡ 1 (mod 5)
2^2 ≡ 4 (mod 5)
3^2 ≡ 4 (mod 5)
4^2 ≡ 1 (mod 5)

だから

p ≡ 1, 4 (mod 5) のとき (5/p) = 1 であり、
p ≡ 2, 3 (mod 5) のとき (5/p) = -1 である。

(-1/p) = (-1)^((p-1)/2) だから
p ≡ 1 (mod 4) のとき (-1/p) = 1 であり、
p ≡ 3 (mod 4) のとき (-1/p) = -1 である。

よって
p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) のとき (-5/p) = 1
p ≡ 11, 13, 17, 19 (mod 20) のとき (-5/p) = -1

よって p ≡ 1, 3, 7, 9 (mod 20) である。

363 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 13:31:13
>>362 の続き

(p) = PP ' を素イデアル分解とする。

P が単項イデアルなら p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が
存在する。
よって (p/5) = 1 だから p ≡ 1, 4 (mod 5) であり、
p ≡ 1, 9 (mod 20) である。

L = [2, 1 + √(-5)] とおく。
>>358 より Q(√(-5) の類数は 2 で L は主類(単位類)に含まれない。
よって P が単項イデアルでないなら PL は単項イデアルである。

N(PL) = 2p だから 2p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b が
存在する。

(2p/5) = (2/5)(p/5) = 1

(2/5) = -1 だから (p/5) = -1 である。
p ≡ 2, 3 (mod 5) である。
よって p ≡ 3, 7 (mod 20) である。

以上から p が Q(√(-5)) で完全分解するためには、
p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

よって 素数 p ≠ 5 が p = a^2 + 5b^2 となる有理整数 a, b を持つ
ためには p ≡ 1, 9 (mod 20) が必要十分である。

これで >>168 の予想は証明された。

364 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 14:10:05
ttp://arxiv.org/abs/math.NT/0606547

Representing primes as x^2 + 5y^2 :
an inductive proof that Euler missed

によると、Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2 という本に
>>168 の予想に関連した歴史が書いてあるそうである。

上記の論文の前書きによると(それは Cox からの引用)、

Fermat は以下の予想をした
(1) それぞれ ≡ 3, 7 mod 20 となる二つの素数の積は x^2 + 5y^2 と
書ける。

Euler は、以下の二つの予想をしたが証明は出来なかった。
(2) p ≡ 1, 9 mod 20 となる素数 p は p = x^2 + 5y^2 と書ける。

(3) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数 p に対して 2p = x^2 + 5y^2と書ける。

Lagrange と Legendre は上記の問題を解くため2次形式と種の理論を
展開して (2) と次の (4) を証明した

(4) p ≡ 3, 7 mod 20 となる素数は p = 2x^2 + 2xy + 3y^2 と書ける。

すると (1) と (3) は (2) と (4) と次の恒等式から得られる。

(2x^2 + 2xy + 3y^2)(2a^2 + 2ab + 3b^2)
= (2ax + bx + ay + 3by)^2 + 5(bx − ay)^2

2(2x^2 + 2xy + 3y^2) = (2x + y)^2 + 5y^2

365 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 14:18:30
>>364 の (4) の2次形式 2x^2 + 2xy + 3y^2 は >>358 に出て
きている。

366 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 15:06:23
問題
>>364 の (1) を証明せよ。

367 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 17:59:43
定義
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を(有理整数係数の)2次形式とする。

k を有理整数とする。
不定方程式 k = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (u, v) を
持つとする。

u と v が互いに素なとき (u, v) を k = f(x, y) の原始解と呼ぶ。

368 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 18:23:17
命題(Gauss の 数論考究の art. 154)
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
k を有理整数で
k = ax^2 + bxy + cy^2 が原始解(>>367)をもつなら
D は mod 4k で平方剰余である。

証明
(p, q) を原始解とする。
k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2
に一次変換

x = pu + qv
y = ru + sv

を施して
f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2 とする。

>>280 より
k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2
である。

>>281 より D = l^2 - 4km だから

l^2 ≡ D (mod 4k) となり
D は mod 4k で平方剰余である。
証明終

369 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 20:50:55
訂正

>>368
>(p, q) を原始解とする。
>k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
>p と q は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, r がある。

>(p, r) を原始解とする。
>k = ap^2 + bpr + cr^2 である。
>p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる有理整数 s, q がある。

370 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 21:26:30
命題
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と
g(u, v) = ku^2 + luv + mv^2 があり、

変換

x = pu + qv
y = ru + sv

により

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv)

とする。

ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。

有理整数 M に対して

M = ax^2 + bxy + cy^2 が有理整数解 (X, Y) をもつことと
M = ku^2 + luv + mv^2 が有理整数解 (U, V) をもつことは同値である。

ここで

X = pU + qV
Y = rU + sV

である。

証明
明らかである。

371 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/24(日) 21:33:44
>>370 において、M = k とすると、

k = ku^2 + luv + mv^2 は自明な解 (1, 0) を持つ。
よって >>370 より

k = ax^2 + bxy + cy^2 は解 (p, r) を持つ。

これが >>368 の証明で使った原理である。

372 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 11:55:12
http://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1162122603/916
です。
あちらのスレでは回答が部分的にも全く得られないままに終了してしまいました。
こちらでも同じ質問をして良いでしょうか?

373 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:19:33
>372無
は、ひょっとして無限次Gaolis群の話だろうか?
あの手の群を定義から直接計算するのは不可能に近いんじゃなかろうか?
TateとかSerreを見ると、「Golois Cohomologyを計算して
その副産物として得られる」という論法が多いようだが?

374 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:40:25
>>373
あちらでも紹介した参考書以外に
Edited by Y, Ihara, K.Ribet, J-. P. Serre, Galois Groups over Q, Springer
などを仮定した上でもダメでしょうか?
ここには有名な Mazur のガロア表現の変形の論文も載っています。

375 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:49:20
>>373
typo多すぎだろww常識的に考えて

376 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 13:52:30
よくあること。


377 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 20:43:09
>>375

イタイな
2chでどうでもいいtypo指摘とは



378 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/25(月) 21:28:09
>>345

Scharlau の本も n 次2次形式について述べたもので2元2次形式に
特化したものではないようです。

2元2次形式に特化したものとしては Buell(1989) があります。
この本の前書きによると Mathews の Theory of numbers(1896)
を参考にしたそうです。1896 というのはタイプミスではありません。
つまり約100年前の本です。

Flath の Introduction to Number Theory(1988) は2元2次形式に
関してよく書けているそうです。

379 :132人目の素数さん:2006/12/25(月) 21:32:10
しかしKummerのおっちゃんよ、今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう
完成されてるとみなされて岩澤理論が絶好調なんだよ。
Kummerのむかしの研究をフォローするのをやめてBSD予想とか解いたら?

380 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 09:12:12
>>379
>今の世の中Kummerのやった類体論とかはもう完成されてるとみなされて

類体論をやったのは Kummer ではないです。
それに、類体論を未完成だと言ってる人は、私の知る限りいないです。
このスレは、50年以上前に完成された古い理論についてのスレだと
前スレに断ってあります。

前スレ3:
780 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/11/10(金) 09:36:08
勘違いしてる人がいるかもしれないので言っておくが、
このシリ−ズで扱う予定の題材は約50年前には完成されていたもの。
ほとんどは100年以上前に発見されていた。
この場で俺自身の研究なり独自の視点を発表しようなんて考えは
まったくない。

独自性があるとしたらアプローチの仕方、題材の取捨選択など。
わずかだがオリジナルな証明もあるかもしれない(実際、既にある)。

なお、このシリ−ズを書く一番の理由は俺自身の勉強のため。
他の理由もあるが、それらは2次的なもの。

381 :132人目の素数さん:2006/12/26(火) 14:35:10
>380
> 類体論を未完成だと言ってる
揚げ足取りじゃなくて、Langlands Programに 
Non-Abelian Calss Field Theory ってのがなかったっけ?

382 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 16:33:14
>>381

通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。
そしてこの意味の類体論は完成しています。

非可換の場合への拡張を話題にするときは必ず「非可換」をつけます。

っていうか、そんなことより問題解いてよ。
なんか話がすぐ舞い上がるから困るんだけど。
地道に行きましょうよ。

383 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 19:16:37
訂正

>>382
>通常、類体論といえば数体のアーベル拡大体論のことをさす。

通常、類体論といえば大域体と局所体のアーベル拡大についての理論をさす。

384 :天ノ川 創:2006/12/26(火) 19:18:52


385 :132人目の素数さん:2006/12/26(火) 20:43:52
>>Kummerさん

うちの大学の教授も代数的数論をやってるみたいだけど、
論文はさっぱりわかりません。大体でいいので、こういう論文を読めるまでには
どういった知識が必要か教えていただけませんか?

http://www.math.ucsb.edu/~agboola/papers/papers.html

特に一番最近の論文について知りたいのですが。

ちなみに私はMasterの学生で、初等数論の知識を少し知ってるくらい。

386 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/26(火) 21:16:18
前にも書きましたが、基本的に質問はこのスレで私が書いたものに
対してのみとさせていただいてます。
ただし、書いたものといっても雑談に類するものは除きます。

387 :132人目の素数さん:2006/12/27(水) 11:51:57
>374
此処↓で待っていたら?  Kさんが来るかもしれないよ。
h ttp://science4.2ch.net/test/read.cgi/math/1167112175/l50

388 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:10:42
ここで、今までにも何度か引用 (例えば >>199, >>214) した
G-集合 (G-set) についての基本を整理しておく。

定義
G を群とし S を集合とする。
G から Aut(S) への準同型 f : G → Aut(S) が与えられたとき、
S を 左 G-集合と呼ぶ。
このとき G は S に左から作用するという。
ここで Aut(S) は S の自己全単射のなす群である。

------------------------------------------------------

g ∈ G と x ∈ S に対して gx = f(g)(x) と定義することにより
写像 G × S → S が得られる。
このとき、以下の (1) と (2) が成り立つ。

(1) ex = e が任意の x ∈ S に対して成り立つ。
ここで e は G の単位元である。

(2) g(hx) = (gh)x が任意の g, h ∈ G と x ∈ S に対して成り立つ。

逆に (1) と (2) を満たす写像 G × S → S が与えられれば、
S は、左 G-集合となる。

G から Aut(S)^op への準同型 f : G → Aut(S)^op が与えられたとき、
S を 右 G-集合と呼ぶ。
ここで Aut(S)^op は Aut(S) の乗法の順序を反対に定義して得られる
群である。

通常、G-集合という場合、特に断らなければ左 G-集合を意味する。

389 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:42:43
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき
G は S に推移的に作用するという。

互いに相異なる n 個の S の元 x_1, ..., x_n と
互いに相異なる n 個の S の元 y_1, ..., y_n に対して

g(x_i) = y_i が各 i, 1 ≦ i ≦ n で成り立つような g ∈ G があるとき、

G は S に n-推移的に作用するという。

そのような g が唯一個だけ存在するとき G は、n - 強推移的に
作用するという。

標準射 (>>388) G → Aut(S) が単射のとき G は S に
忠実(または効果的)に作用するという。

x ∈ S に対して gx = x なら g = e となるとき
G は S に自由に作用するという。

G が S に推移的かつ自由に作用するとき、G は正則に作用するという。
これは 任意の x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G が
唯一個だけ存在することと同値である。
このとき S は G の主等質空間とみなせる。

390 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:53:45
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

x, y ∈ S に対して gx = y となる g ∈ G があるとき
x と y は同値と定義とすることにより S の同値関係が得られる。
この同値類を左 G-集合 S の軌道とよぶ。

x ∈ S に対して、x を含む軌道を x の軌道という。

x の軌道は { gx ; g ∈ G } である。

S の軌道全体の集合を S/G と書き、S の G の作用による商集合と呼ぶ。
S/G は、また軌道空間ともいう。

391 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 21:59:28
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

S の部分集合 T に対して GT = {gx ; g ∈ G, x ∈ T } と書く。

GT ⊂ T のとき T を G-不変な部分集合という。

392 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 22:07:06
定義
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。

x ∈ S に対して G_x = { g ; gx = g } と書き、x の安定化部分群
(または等方性部分群)と呼ぶ。

393 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 22:20:17
命題
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。
x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 (>>392) とする。

gH に gx を対応させることにより G の H による左剰余類の
集合 G/H から x の軌道 Gx への全単射が得られる。

証明
簡単だし良く知られているので省略。
証明を知らない読者には演習問題とする。

394 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/28(木) 22:25:55
命題
G を群とし S を左 G-集合 (>>388) とする。
x ∈ S に対して H を x の安定化部分群 (>>392) とする。

[G : H] が有限なら |Gx| = [G : H] である。

さらに |H| が有限なら |Gx| = |G|/|H| である。

証明
>>393 から明らか。

395 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 00:27:14
補題
G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
g ∈ G に対して X_g = { x ∈ X ; gx = x } とおき、
x ∈ X に対して G_x を x の安定化部分群 (>>392) とする。

このとき、Σ |X_g| = Σ |G_x| である。

ここで、左辺の g は全ての G の元 g を動き、
右辺の x は全ての X の元 x を動く。

証明
W = { (g, x) ∈ G × X ; gx = x } とおく。

写像 λ : W → G を λ(g, x) = g で、
写像 μ : W → X を μ(g, x) = x で、それぞれ定義する。

W = ∪ λ^(-1)(g) である。ここで g は G の元全体を動く。
g と h を G の異なる2元とすれば λ^(-1)(g) と λ^(-1)(h) は
交わらない。
したがって、

|W| = Σ |λ^(-1)(g)| である。

同様にして

|W| = Σ |μ^(-1)(x)| である。

一方、|λ^(-1)(g)| = |X_g| であり、|μ^(-1)(x)| = |G_x| である。

よって |W| = Σ |X_g| = Σ |G_x| である。
証明終

396 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 00:31:27
訂正

>>395
>G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。

G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
さらに G と X は有限集合とする。

397 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 00:57:47
命題(Burnside の補題)
G を群とし X を左 G-集合 (>>388) とする。
さらに G と X は有限集合とする。
このとき

|X/G| = (1/|G|)Σ|X_g|

となる。
ここで、X/G は S の軌道空間 (>>390) であり、
右辺の和は G の元 g 全体を動き、
X_g = { x ∈ X ; gx = x } である。

証明
>>395 より。

Σ |X_g| = Σ |G_x|

一方、>>394 より |G_x| = |G|/|Gx|
よって

Σ |X_g| = Σ |G|/|Gx|

(1/|G|)Σ |X_g| = Σ 1/|Gx|

一方、Σ 1/|Gx| = Σ (Σ (1/|α|))

ここで右辺の外側の和は G の軌道(>>390) α 全体を動き、
内側の和は α の元 x 全体を動く。
よって、

Σ (Σ (1/|α|)) = Σ |α|(1/|α|) = Σ 1 = |X/G| である。
証明終

398 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 01:00:34
訂正

>>397
>ここで、X/G は S の軌道空間 (>>390) であり、

ここで、X/G は X の軌道空間 (>>390) であり、

399 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 01:18:21
定義
X と Y を G-集合 (>>388) とする。

X から Y への写像 f : X → Y があり、
f(σx) = σ(f(x)) が任意の σ ∈ G と任意の x ∈ X に対して
成り立つとき f を G-集合としての射という。

さらに G-集合としての射 g : Y → X があり
gf = 1 かつ fg = 1 となるとき f は同型射と呼ぶ。

このとき X と Y は G-集合として同型であるという。

400 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 01:19:03
>>388 以降の G-集合に関する記述は
英語版 Wikipedia の記事 Group action を参考にした。

401 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 04:46:16
判別式が平方数でない2次形式 (a, b, c)
(この記法に関しては >>328 を参照) 全体の集合を Ω とする。

ここで平方数とは集合 { x^2 ; x ∈ Z } = { 0, 1, 4, 9, ... }
の元のことである。
したがって (a, b, c) ∈ Ω なら b^2 - 4ac ≠ 0 であり、
ac ≠ 0 である。

(a, b, c) ∈ Ω と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、
(a, b, c)σ = (k, l, m) と定義する。

ここで、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、
ku^2 + luv + mv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。

即ち

k = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
m = aq^2 + bqs + cs^2

である(>>280)。

402 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 05:03:40
命題
>>401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω、σ ∈ SL_2(Z)、τ ∈ SL_2(Z)
に対して、 (fσ)τ = f(στ) である。

証明
2次形式 f = (a, b, c) に対称行列 M = (a, b/2)/(b/2, c) を
対応させる。

>>277 より fσ には (σ^t)Mσ が対応する。

よって (fσ)τ には (τ^t)(σ^t)Mστ が対応する。
(τ^t)(σ^t)Mστ = (στ)^tMστ だから
fσ)τ = f(στ) である。

証明終

403 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/29(金) 05:09:15
>>401 の記法で f = (a, b, c) ∈ Ω と SL_2(Z) の単位元 e
に対して、 fe= f だから >>402 より Ω は右 SL_2(Z)-集合(>>388)
である。

404 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 01:32:39
命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値 (>>293)
かつ原始的 (>>279) な2次形式とする。
f に (-b + √D)/2a を対応させることにより、

判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式と、複素上半平面にある
判別式 D の2次無理数(>>276)とは1対1に対応する。

証明
>>324 の証明と同様である。

405 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 02:12:00
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) と書く。
複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) と書く。

>>403, >>282, >>297 より PF(D) は、右 SL_2(Z)-集合(>>388)
である。

>>286 より HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合(>>388)である。

写像 φ : PF(D) → HQ(D) を >>324 の証明と同様に定義する。

>>404 より φ は全単射である。

f ∈ PF(D) と σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して

fσ = g、φ(f) = θ とおく。

>>325 と同様にして φ(g) = σ^(-1)θ

よって φ(fσ) = σ^(-1)φ(f)
よって φ(fσ^(-1)) = σφ(f)

σf = fσ^(-1) と定義すれば PF(D) は、左 SL_2(Z)-集合になる。
上記から φ は 左 SL_2(Z)-集合としての同型射(>>399)である。

406 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 10:55:49
判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式の集合を PF(D) とする。
>>405 より PF(D) は 右 SL_2(Z)-集合(>>388) である。
軌道空間 (>>390) PF(D)/SL_2(Z) を F+(D) と書く。

複素上半平面にある判別式 D の2次無理数の集合を HQ(D) とする。
>>405 より HQ(D) は 左 SL_2(Z)-集合(>>388) である。
軌道空間 (>>390) HQ(D)/SL_2(Z) を H(D) と書く。

>>405 より PF(D) は左 SL_2(Z)-集合にもなる。
左 SL_2(Z)-集合としての PF(D) の軌道空間は、明らかに F+(D) と
一致する。

>>405 より φ : PF(D) → HQ(D) は、左 SL_2(Z)-集合としての
同型射である。

したがって、φ は全単射 F+(D) → H(D) を誘導する。

D が虚2次体の判別式と一致するとき、この写像は >>311 で定義した
Ψ+ と一致する。

したがって、 D が虚2次体の判別式と一致しない場合も
この写像を Ψ+ と書くことにする。

407 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:02:54
>>320 と同様に次の定義をする。

定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

G を >>253 で定義した集合とする。
つまり

G = { z ∈ H ; -1/2 ≦ Re(z) < 1/2 かつ |z| ≧ 1 で
|z| = 1 のときは -1/2 ≦ Re(z) ≦ 0 }

(-b + √D)/2a が G に属すとき f(x, y) を簡約2次形式と呼ぶ。

408 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:06:32
命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

f(x, y) が簡約2次形式 (>>407) であるためには

|b| ≦ a ≦ c であり、
|b| = a または a = c のときは b ≧ 0 となることが必要十分である。

409 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:15:30
定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

[D] を >>253 で定義した集合とする。
つまり
[D] = { z ∈ H ; |Re(z)| ≦ 1/2 かつ |z| ≧ 1 } である。

(-b + √D)/2a が [D] に属すとき f(x, y) を広義の簡約2次形式と呼ぶ。

410 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:18:50
>>334 と同様に次の命題が成り立つ。
証明もまったく同じである。

命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式とする。

f(x, y) が広義の簡約2次形式 (>>409) であるためには

|b| ≦ a ≦ c となることが必要十分である。

411 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:28:36
明らかに、>>326, >>328, >>329, >>330, >>335, >>336, >>337 は、
D が負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) の場合もそのまま
成り立つ。

412 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 11:35:35
>>339 と同様に次の命題が成り立つ。
証明もまったく同じである。

命題
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。

F+(D) (>>406) の元の個数は有限であり、判別式 D の簡約2次形式
(>>407) の個数と一致する。

413 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:16:51
定義
D を負の有理整数で D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
h(D) = |F+(D)| と書く。

D が虚2次体 Q(√m) の判別式のときは、
>>314 より |F+(D)| は Q(√m) の類数と一致する。
したがって上の h(D) の定義は >>316 の定義の拡張になっている。

414 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:32:44
D = -180 のとき h(D) を計算しよう。
>>413 より h(D) は判別式 D の簡約2次形式 (>>407) の個数と
一致する。

>>408 より (a, b. c) が簡約2次形式 (>>407) であるためには、

gcd(a, b, c) = 1 かつ、
|b| ≦ a ≦ c であり、 |b| = a または a = c のときは b ≧ 0 と
なることが必要十分である。

>>341 と同様にして a ≦ √(|D|/3) である。

√(|D|/3) = √60 だから a ≦ 7 となる。
a > 0 だから 1 ≦ a ≦ 7 である。

4ac = b^2 + |D| = b^2 + 180

したがって、b は偶数でなければならない。

415 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:34:34
>>414 の続き

0^2 + 180 = 4・3・3・5
2^2 + 180 = 184 = 4・46 = 4・2・23
4^2 + 180 = 196 = 4・49 = 4・7・7
6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3

より gcd(a, b, c) = 1 に注意して、

------------------------------------------------------------
a = 1 のとき |b| = 0、c = 45、(1, 0, 45)
------------------------------------------------------------
a = 2 のとき |b| = 2、c = 23、(2, 2, 23)
------------------------------------------------------------
a = 3 は無い
------------------------------------------------------------
a = 4 は無い
------------------------------------------------------------
a = 5 のとき |b| = 0、c = 9、(5, 0, 9)
------------------------------------------------------------
a = 6 は無い
------------------------------------------------------------
a = 7 のとき |b| = 4、c = 7、(7, 4, 7)
------------------------------------------------------------

よって h(D) = 4 である。

416 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/30(土) 23:39:22
訂正

>>415
>6^2 + 216 = 4・54 = 4・2・3^3

6^2 + 180 = 216 = 4・54 = 4・2・3^3

417 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 10:56:43
補題
D を平方数でない有理整数とすると、D = (f^2)c と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり、
c は平方因子を持たない有理整数で、c ≠ 1 である。

証明
D の素因数分解を考えれば明らかである。

418 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:02:47
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
このとき、D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。

証明
D ≡ 0 (mod 4) なら、D/4 に >>417 を適用して D = 4(g^2)m となる。
ここで g は有理整数 g > 0 であり、
m ≠ 1 は平方因子を持たない有理整数である。

m ≡ 1, 2, 3 (mod 4) であるが m ≡ 1 (mod 4) なら
m は2次体 Q(√m) の判別式である。
この場合、f = 2g, d = m とすればよい。

m ≡ 2, 3 (mod 4) なら、4m は2次体 Q(√m) の判別式である。
この場合、f = g, d = 4m とすればよい。

D ≡ 1 (mod 4) なら、D に >>417 を適用して D = (f^2)m となる。
f^2 ≡ 0 または 1 (mod 4) だが f^2 ≡ 0 (mod 4) なら
D ≡ 0 (mod 4) となるから f^2 ≡ 1 (mod 4) である。
したがって D ≡ m (mod 4) となり、m ≡ 1 (mod 4) である。
よって m は 2次体 Q(√m) の判別式である。
証明終

419 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:28:44
>>287 と同様のことを一般の2次の無理数の場合に考える。
θ を判別式 D の2次の無理数 (>>284) とする。

aθ^2 + bθ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。
さらに a > 0 とする。

D = b^2 - 4ac である。
D ≡ b^2 (mod 4) だから D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。
D は勿論平方数ではない(平方数なら θ は有理数となる)。
よって >>418 より D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。

θ = (-b ± √D)/2a であるが θ = (-b + √D)/2a と仮定する。

a(aθ^2 + bθ + c) = a^2θ^2 + abθ + ac = 0
だから
(aθ)^2 + b(aθ) + ac = 0

よって aθ は代数的整数である。
aθ = (-b + √D)/2 = (-b + f√d)/2 だから aθ ∈ Q(√m) である。

m ≡ 1 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b - f + f(1 + √m))/2 = (-b - f)/2 + fω

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
(-b + √D)/2 = (-b + 2f√m)/2 = -b/2 + fω

いずれの場合でも aθ = r + fω の形である。
r = aθ - fω は有理数で代数的整数でもあるから、有理整数である
(前スレ3の158より有理整数環は整閉である)。

420 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:33:45
>>419 の続き

ここで R = [1, fω] を考える。
(fω)^2 = (f^2)ω^2 ⊂ (f^2)[1, ω] ⊂ [1, fω]
よって (fω)R ⊂ R である。
よって RR ⊂ R である。
したがって R は Q(√m) の整数環 [1, ω] の部分環である。

421 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 11:38:32
定義
2次体 Q(√m) の 部分環 R でその加法群が階数2の自由アーベル
であるものを Q(√m) の整環 (order) と呼ぶ。

422 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:06:04
命題
2次体 Q(√m) の整環 (>>421) は Q(√m) の整数環の部分環である。

証明
前スレ1の 505 から明らかだが、改めて証明する。

R を Q(√m) の整環とする。
R のアーベル群としての基底を α, β とする。
つまり R = [α, β] とする。
γ ∈ R なら

γα = aα + bβ
γβ = cα + dβ

となる有理整数 a, b, c, d がある。

(γ - a)α - bβ = 0
-cα + (γ - d)β = 0

よって、係数の行列式は 0 である。
即ち (γ - a)(γ - d) - bc = 0

よって γ は代数的整数である。
よって γ は Q(√m) の整数環に含まれる。
証明終

423 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:34:13
前スレ3の 988より R = [a, b + cω] と書ける。
ここで a > 0、c > 0 である。

1 ∈ R だから a = 1 である。
したがって、R = [1, b + cω] = [1, cω]

よって アーベル群としての剰余類群 [1, ω]/R の位数は c である。
c を R の導手 (conductor) という。

R の導手は、通常ドイツ語の fuhrer の頭文字をとって f で
表す場合が多い。

424 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:45:14
定義
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して、
fω の判別式 (>>276) を R の判別式という。

425 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2006/12/31(日) 12:50:01
命題
2次体 Q(√m) の整環 R の判別式 (>>424) は (f^2)D である。
ここで f は R の導手 (>>423) であり、D は Q(√m) の判別式である。

証明
fω の判別式は (fω - fω ')^2 = (f^2)(ω - ω ')^2 = (f^2)D
である。

証明終

426 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:00:16
2次体 Q(√m) の整環 (>>421) R = [1, fω] のイデアル論について述べる。
このスレの初めのほうで述べた整数環 Z[ω] のイデアル論と同様の部分が
多い。

補題
a, b, c, e, f を有理整数とし、a > 0, c > 0, f > 0 とする
2次体 Q(√m) において
[a, b + cfω] = [a, e + cfω]
であるためには b ≡ e (mod a) が必要十分である。

証明
>>34 の証明と同様。

427 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:07:05
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の任意のイデアル I ≠ 0 は
I = [a, b + cfω] と一意に書ける。
ここで a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 で a と b は c で割れる。

証明
I = [a, b + cfω], a > 0, 0 ≦ b < a, c > 0 と一意に書ける
ことは >>14 の証明と同様である。

afω ∈ I だから a は c で割れる。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

(b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2
= bfω + c(f^2)ω - c(f^2)(1 - m)/4
= (b + cf)fω - c(f^2)(1 - m)/4 ∈ I

よって b + cf ≡ 0 (mod c) となる。
よって b ≡ 0 (mod c) となる。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。
よって
(b + cfω)fω = bfω + c(f^2)ω^2 = bfω + c(f^2)m ∈ I
よって b ≡ 0 (mod c) となる。
証明終

428 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:10:31
定義
>>427 における a, b + cω をイデアル I の標準基底と呼ぶ。
ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。
この場合、>>426 より b は mod a で一意にきまる。

429 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:14:57
>>428 の訂正

定義
>>427 における a, b + cfω を R のイデアル I の標準基底と呼ぶ。
ただし、必ずしも 0 ≦ b < a でなくてもよい。
この場合、>>426 より b は mod a で一意にきまる。

430 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/03(水) 16:20:21
定義
I = [a, b + cfω] を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の
イデアル I の標準基底 (>>429) による表示とする。
c = 1 のとき I を原始イデアルという。

431 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/11(木) 16:48:33
2次体 Q(√m) の整数環 Z[ω] は、Q(√m) のすべての整環を含む
最大の整環である。
したがって、Z[ω] を Q(√m) の主整環または極大整環とも言う。

432 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/11(木) 17:20:17
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] のイデアル論と主整環 Z[ω] の
イデアル論との関連を述べる。

433 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/12(金) 12:50:20
命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
S を A の積閉部分集合とする。

このとき、B_S は A_S の K における整閉包である。

証明
A_S の K における整閉包を C とする。

x ∈ C とし、
x^n + (a_1/s)x^(n-1) + ... + (a_(n-1)/s)x + a_n/s = 0 とする。
ここで、各 a_i ∈ A で, s ∈ S

この等式の両辺に s^n を掛けて、

(sx)^n + a_1(sx)^(n-1) + ... + a_(n-1)s^(n-2)(sx) + (a_n)s^(n-1) = 0

となる。よって、sx は A 上整である。
よって、sx ∈ B である。
よって、x ∈ B_S である。

以上から C ⊂ B_S である。

一方、前スレ1の 514 より B_S は A_S 上整である。
よって B_S ⊂ C である。
証明終

434 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/12(金) 12:58:53
B を環、A をその部分環とする。

B を A-加群とみなし、(A : B) = {a ∈ A; aB ⊂ A} を考える
(前スレ3の 583)。
(A : B) は A のイデアルである。

S を A の積閉部分集合とする。
B が A-加群として有限生成なら 前スレ3の 586 より
(A : B)_S = (A_S : B_S) である。

435 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/12(金) 16:04:40
命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
I = (A : B) とおく(>>434)。

A の素イデアル P に対して A_P が整閉であるためには、
I ⊂ P とならないことが必要十分である。

証明
S = A - P とおく。S は A の積閉部分集合である。
B_S を B_P と書くことにする。

>>433 より B_P は A_P の K における整閉包である。
従って、A_P が整閉であるためには A_P = B_P が必要十分である。

一方、A_P = B_P であるためには (A_P : B_P) = A_P が
必要十分である。
>>434 より (A : B)_P = (A_P : B_P) であるから、
これは、IA_P = A_P と同値である。
証明終

436 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/12(金) 17:35:13
>>435 の訂正

命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
B は A-加群として有限生成とする。

I = (A : B) とおく(>>434)。

A の素イデアル P に対して A_P が整閉であるためには、
I ⊂ P とならないことが必要十分である。

証明
S = A - P とおく。S は A の積閉部分集合である。
B_S を B_P と書くことにする。

>>433 より B_P は A_P の K における整閉包である。
従って、A_P が整閉であるためには A_P = B_P が必要十分である。

一方、A_P = B_P であるためには (A_P : B_P) = A_P が
必要十分である。
>>434 より (A : B)_P = (A_P : B_P) であるから、
これは、IA_P = A_P と同値である。
証明終

437 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/13(土) 15:33:51
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] に対して
(R : Z[ω]) = fZ[ω] である。

証明
α ∈ (R : Z[ω]) とすると、定義(>>434)から α ∈ R で
αZ[ω] ⊂ R である。

α = a + bfω とする。ここで、a, b は有理整数である。
αω = aω + bfω^2 ∈ R である。

m ≡ 1 (mod 4) なら ω = (1 + √m)/2 であり、
ω^2 = ω - (1 - m)/4 である。

αω = aω + bfω^2 = (a + bf)ω - bf(1 - m)/4
よって a + bf ≡ 0 (mod f)
a ≡ 0 (mod f)
よって α ∈ fZ[ω]

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) なら、
ω = √m であり、 ω^2 = m である。

αω = aω + bfω^2 = aω + bfm
よって a ≡ 0 (mod f)
よってα ∈ fZ[ω]

以上から (R : Z[ω]) ⊂ fZ[ω] である。

fZ[ω] ⊂ (R : Z[ω]) は明らかである。
証明終

438 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/13(土) 16:00:20
定義
I ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] のイデアルとする。
I = [a, b + cfω] を I の標準基底 (>>429) による表示とすると、
|R/I| = ac である。
|R/I| を I のノルム(または絶対ノルム)と呼び、N(I) と書く。

439 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/13(土) 16:06:48
命題
2次体 Q(√m) の整環 R = [1, fω] の 0 でない素イデアルは
極大イデアルである。

証明
P を R の 0 でない素イデアルとする。P は標準基底を持つから
R/P は有限整域である(>>438)。有限整域は体であるから
P は極大イデアルである。
証明終

440 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/13(土) 16:17:00
命題
R を2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の素イデアルとする。
R_P は Krull次元(前スレ1の379)が1のネーター局所整域である。

証明
R の任意の非零イデアルは標準基底をもつから R はネーター整域で
ある。
よって >>439 より本命題の主張は明らかである。

441 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/13(土) 16:30:50
命題
Rを2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の
素イデアルとする。
R_P が離散付値環(前スレ1の 645)であるためには R_P が整閉で
あることが必要十分である。

証明
R_P が離散付値環なら、R_P は一意分解整域だから 前スレ3の 158 より
R_P は整閉である。

逆に R_P が整閉なら >>440 と前スレ2の 555 より R_P は離散付値環
である。
証明終

442 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/13(土) 16:39:29
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、P ≠ 0 を R の
素イデアルとする。
R_P が離散付値環であるためには P が f を含まない
ことが必要十分である。

証明
Z[ω] は Z-加群 として有限生成だから R-加群としても
有限生成である。

したがって、>>436>>437 より R_P が整閉であるためには
P が f を含まないことが必要十分である。

>>441 より、これは R_P が離散付値環であることと同値である。
証明終

443 :132人目の素数さん:2007/01/13(土) 17:52:12
くんまー拡大!

444 :132人目の素数さん:2007/01/13(土) 19:31:51
2次形式論卒論でやったからなつかしい。

445 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 00:31:37
定義
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
R のイデアルを R-イデアルともいう。

446 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 00:35:05
定義
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R-イデアルとする。
IZ[ω] が fZ[ω] と素のとき I を正則な R-イデアルという。

447 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 00:54:20
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
P ≠ 0 を R の素イデアルとする。
このとき Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが
存在する。

証明
Z[ω] は R 上整だから Cohen-Seidenberg の定理 (前スレ1の520)
より補題の主張がいえる。
証明終

448 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 01:23:58
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
P ≠ 0 を R の素イデアルとする。

P が正則 (>>446) であるためには P が f を含まないことが
必要十分である。

証明
P が正則でないとする。
fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから、fZ[ω] + PZ[ω] ⊂ P ' となる
Z[ω] の素イデアル P ' が存在する。
>>439 より P は R の極大イデアルだから P = R ∩ P ' である。
一方、fZ[ω] ⊂ R だから fZ[ω] ⊂ P となる。

逆に fZ[ω] ⊂ P なら fZ[ω] ⊂ PZ[ω] だから P は正則でない。
証明終

449 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 01:46:24
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R-イデアルとする。

I が正則 (>>446) であるためには I ⊂ P となる任意の
R-素イデアル P が正則であることが必要十分である。

証明
I が正則であるとする。
P を I ⊂ P となる R-素イデアルとする。
P が正則でないなら >>448 より f ∈ P である。
>>447 より Z[ω] の素イデアル P ' で P = R ∩ P ' となるものが
存在する。
IZ[ω] ⊂ PZ[ω] ⊂ P ' で f ∈ P ' だから
fZ[ω] + IZ[ω] ⊂ P ' となり I は正則でない。
これは仮定に反する。
よって P は正則である。

逆に、P を I ⊂ P となる R-素イデアルで正則でないとする。
fZ[ω] + PZ[ω] ≠ Z[ω] だから
fZ[ω] + IZ[ω] ≠ Z[ω] となり I は正則でない。
証明終

450 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 02:00:28
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
P ≠ 0 を R の素イデアルとする。

P が正則であるためには R_P が離散付値環であることが
必要十分である。

証明
>>442>>448 より明らかである。

451 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 02:19:25
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を正則な R-イデアル (>>446) とする。

IZ[ω] = JZ[ω] なら I = J である。

証明
P を R の素イデアルとする。
S = R - P とおく。S は R の積閉部分集合である。
Z[ω]_S を Z[ω]_P と書くことにする。
>>433 より Z[ω]_P は R_P の K における整閉包である。

P が正則なら、>>450 より R_P は離散付値環だから整閉である。
よって Z[ω]_P = R_P である。
IZ[ω] = JZ[ω] より I(Z[ω]_P) = J(Z[ω]_P) であるから
I(R_P) = J(R_P) である。

P が正則でないなら、>>449 より I ⊂ P ではない。
よって I(R_P) = R_P である。
同様に J(R_P) = R_P である。

以上から R の任意の素イデアル P ≠ 0 に対して
I(R_P) = J(R_P) である。

従って、前スレ3の 587 より I = J である。
証明終

452 :132人目の素数さん:2007/01/14(日) 09:39:00
2chって来週閉鎖らしいけどだいじょうぶですか
スレ汚しすみません

453 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 10:42:03
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を Z[ω] のイデアルで fZ[ω] と素とする。
I_0 = R ∩ I とおく。
このとき、I_0 は正則な R-イデアルで (I_0)Z[ω] = I となる。

証明(Hilbert の Zahlbericht の定理 64 の証明を拝借)
(I_0)Z[ω] = J とおく。

I は fZ[ω] と素だから I + fZ[ω] = Z[ω] である。
よって α + fβ = 1 となる α ∈ I と β ∈ Z[ω] がある。
α = 1 - fβ ∈ R だから α ∈ I_0 ⊂ J である。
よって J + fZ[ω] = Z[ω] である。
つまり、J は fZ[ω] と素である。

一方、(fZ[ω])I ⊂ R だから (fZ[ω])I ⊂ I_0 ⊂ J である。
従って、>>175 より (fZ[ω])I = JL となる Z[ω] のイデアル L が
存在する。
J は fZ[ω] と素であるから、I ⊂ J である。
J ⊂ I であるから I = J となる。
証明終

454 :132人目の素数さん:2007/01/14(日) 11:05:51
>>452
>2chって来週閉鎖らしいけどだいじょうぶですか

お答えします。
閉鎖の場合 → このスレも閉鎖される。
閉鎖しない場合 → このスレも閉鎖されない。

っていうか当たり前だ
っていうか第3者としてはどうしょうもない

455 :132人目の素数さん:2007/01/14(日) 11:22:28
>>454
お答えありがとうございます。
私としては、ログの保存を念頭においておりましたが、
言葉至らず失礼いたしました。
たとえ、私が保存しても熊さんに渡せそうにないので。

456 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 12:25:10
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
正則な R-イデアルの全体は R-イデアルの積により可換な
モノイド(単位元をもつ半群)になる。
この可換モノイドを I+(R) とおく。

他方、Z[ω] のイデアルで fZ[ω] と素なもの全体もイデアルの積
により可換モノイドになる。
この可換モノイドを I+(f) とおく。

正則な R-イデアル I に IZ[ω] を対応させることにより、
写像 φ : I+(R) → I+(f) が得られる。
この φ は明らかにモノイドとしての準同型である。

>>451 より φ は単射であり、>>453 より φ は全射である。
よって φ は同型射である。

さらに φ はイデアルの包含関係を保存する。
つまり、 I ⊂ J なら φ(I) ⊂ φ(J) である。

457 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 12:31:11
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
正則な R-イデアルは正則な R-素イデアルのべき積として一意に
分解される。

証明
>>456 より明らかである。

458 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 12:35:08
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとする。

IZ[ω] が素イデアルであるためには I が素イデアルであることが
必要十分である。

証明
>>456 より明らかである。

459 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 15:00:42
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとすると、I = R ∩ IZ[ω] である。

証明
I_0 = R ∩ IZ[ω] とおく。
>>453 より (I_0)Z[ω] = IZ[ω] となる。
よって >>451 より I_0 = I である。
証明終

460 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 15:13:59
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとすると、剰余環 R/I は Z[ω]/IZ[ω] に
標準的に同型である。

証明
I は正則だから IZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
fZ[ω] ⊂ R だから IZ[ω] + R = Z[ω] である。

従って R/(R ∩ IZ[ω]) は Z[ω]/IZ[ω] = (R + IZ[ω])/IZ[ω] に、
標準的に同型である。

>>459 より I = R ∩ IZ[ω] である。
証明終

461 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 15:16:12
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I を正則な R-イデアルとすると、N(I) = N(IZ[ω]) である。

ここで N(I) は I のノルム(>>438) を表す。

証明
>>460 より明らか。

462 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/14(日) 18:14:26
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を正則な R-イデアルとすると、N(IJ) = N(I)N(J) である。

証明
Z[ω] は Dedekind 整域で有限ノルム性(>>68)を持つから
>>70 より N(IZ[ω]JZ[ω]) = N(IZ[ω])N(JZ[ω]) である。

よって >>461 より N(IJ) = N(I)N(J) である。
証明終

463 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/18(木) 23:01:04
定義
A を整域、K をその商体とする。
K の A-部分加群 I に対して A のある元 s ≠ 0 があり sI ⊂ A
となるとき I を A の分数イデアルという。

464 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/18(木) 23:07:04
命題
A を整域 K をその商体とする。
K の A-部分加群 I が有限生成なら I は分数イデアルである。

証明
明らかである。

465 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/18(木) 23:09:03
命題
A をネーター整域、K をその商体とする。
K の A-部分加群 I が分数イデアルであるためには I が A-加群として
有限生成であることが必要十分である。

証明
K の A-部分加群 I が分数イデアルとすると、A の元 s ≠ 0 があり
I ⊂ (1/s)A となる。
A はネーター環だから I は (1/s)A の A-部分加群として
有限生成である。

逆は >>464 である。
証明終

466 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/18(木) 23:10:18
定義
A を整域 K をその商体とする。
K の A-部分加群 I に対して K の A-部分加群 J で IJ = A となる
ものがあるとき I を可逆分数イデアルという。
ここで IJ は集合 {xy; x ∈ I, y ∈ J} で生成される K の
A-部分加群である。

467 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/18(木) 23:24:11
命題
A を整域、K をその商体とする。
A の可逆分数イデアル(>>466)は A-加群として有限生成である。

証明
前スレ2の 504 で証明済みである。

468 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/18(木) 23:28:58
命題
A を整域とする。
A の可逆分数イデアル(>>466)は A の分数イデアル(>>463)である。

証明
>>467>>464 より明らかである。

469 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/19(金) 21:32:16
定義
A を整域 K をその商体とする。
A の分数イデアル I に対して x ∈ K があり I = xA となるとき
I を単項分数イデアルまたは主分数イデアルという。

470 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/19(金) 21:39:25
定義
A を整域 K をその商体とする。
A の0でない分数イデアル全体は乗法により群となる。
この群を A の可逆分数イデアル群と呼び、I(A) と書く
(前スレ2の521)。

471 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/19(金) 21:41:28
定義
A を整域とする。
A の0でない単項分数イデアル全体は乗法により群となる。
この群を A の単項分数イデアル群と呼び、P(A) と書く
(前スレ2の539)。

472 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/19(金) 22:17:47
命題
A を整域とする。
A の単項分数イデアル群 P(A) は、A の可逆分数イデアル群 I(A) の
部分群である。剰余類群 I(A)/P(A) は A の Picard 群 Pic(A)
(前スレ2の360)と標準的に同型である。

証明
K を A の商体とする。K は局所環であるから前スレ2の361より
Pic(K) = 0 である。
よって前スレ2の540より I(A)/P(A) は Pic(A) と同型になる。
証明終

473 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/19(金) 22:23:06
定義
A を整域とする。
>>472 より I(A)/P(A) は Pic(A) と同一視される。
よって I(A)/P(A) を A の Picard 群と呼び Pic(A) と書く。

474 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:01:31
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
Pic(R) と Pic(Z[ω]) の関係を調べたい。

議論の本質を浮き彫りにするため問題を次のように一般化する。

A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
B が A-加群として有限生成のとき Pic(A) と Pic(B) の関係はどうなるか?

475 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:09:49
以下 >>474 の問題の解法に関しては Neukirch の「代数的整数論」を
参考にした。

476 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:36:21
定義
A を環、I ≠ A を A のイデアルとする。
A/I のすべての零因子がベキ零のとき I を準素イデアルという。

前スレ1の 157 と 181 から、この定義は A がネーター環のときの
拡張になっている。

477 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:38:00
補題
A を環、M を A-加群とする。
M-正則(前スレ1の 179)な A の元全体は A の乗法に関して閉じている。

証明
M-正則の定義(前スレ1の 179)から明らかである。

478 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:39:18
命題
A を環、I を A の準素イデアルとする。
I の根基 rad(I) (前スレ1の 164) は素イデアルである。

証明
I は準素イデアルだから A/I を A-加群とみて (A/I)-正則な元の
集合は A - rad(I) である。
>>477 より A - rad(I) は乗法に関して閉じている.
ゆえに rad(I) は素イデアルである。
証明終

479 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:40:11
定義
A を環、I を A の準素イデアルとし、p = rad(I) とする。
p を I の素因子と呼び、I は p に属する準素イデアルという。

480 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 08:41:19
命題
A を環、p を A の素イデアルとする。
J を A_p の準素イデアルで pA_p に属するとする。
I を J の標準射 A → A_p による逆像とする。

このとき I は p に属する準素イデアルである。

証明
φ: A → A_p を標準射とする。

a ∈ A、x ∈ A - I で ax ∈ I とする。
φ(ax) ∈ J で φ(x) ∈ A_p - J だから
φ(a^n) ∈ J となる n > 0 がある。
a^n ∈ I だから I は準素イデアルである。

次に p = rad(I) を示す。
a ∈ rad(I) なら a^n ∈ I となる n > 0 がある。
φ(a^n) ∈ J だから φ(a) ∈ pA_p である。
よって a ∈ p である。

逆に a ∈ p なら φ(a) ∈ pA_p だから φ(a^n) ∈ J となる
n > 0 がある。a^n ∈ I だから a ∈ rad(I) である。
証明終

481 :132人目の素数さん:2007/01/20(土) 08:45:15
>>上の人

おはよう。

482 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:01:40
補題
A を環、I を A のイデアルとする。
A の極大イデアル m があり、m ^n ⊂ I ⊂ m とする。
ここで n > 0 である。

このとき I は m に属する準素イデアルである。

証明
I ⊂ p となる A の素イデアルがあるとする。
m^n ⊂ p だから p = m である。
よって A/I は局所環である。
よって a ∈ A - m なら a (mod I) は A/I の可逆元である。
従って、b を A の元で ab ∈ I とすれば、b ∈ I である。
m の元は mod I でべき零なことに注意すれば I は準素イデアルである。
証明終

483 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:13:45
補題
A をネーター環、p を A の素イデアル、I を p に属する準素イデアル
であるとする。
このとき p^n ⊂ I となる n > 0 がある。

証明
p = rad(I) で p は有限生成だから、これは明らかである。

484 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:20:40
補題
A をネーター環、I を A のイデアルで
V(I) = {m} とする。
ここで V(I) = { p ∈ Spec(A); I ⊂ p } である(前スレ1の 160)。

このとき I は極大イデアル m に属する準素イデアルである。

証明
前スレ1の163より m = rad(I) である。
>>483 より m^n ⊂ I となる n > 0 がある。
よって >>482 より I は極大イデアル m に属する準素イデアルである。
証明終

485 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:24:27
>>484 の別証

Supp(A/I) = V(I) であり、
Ass(A/I) ⊂ Supp(A/I) だから(前スレ1の99)、
Ass(A/I) = {m} である。
従って I は m に属する準素イデアルである。
証明終

486 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:26:18
補題
A をネーター環、I を A のイデアルとする。
p を V(I) の極小元とする。
ここで V(I) = { p ∈ Spec(A); I ⊂ p } である(前スレ1の 160)。

I(p) を IA_p の標準射 A → A_p による逆像とする。

このとき I(p) は p に属する準素イデアルである。

証明
q を A の素イデアルで q ⊂ p とする。
さらに IA_p ⊂ qA_p とする。
I(p) ⊂ q となり I ⊂ I(p) だから I ⊂ q である。
p は V(I) の極小元だから q = p である。
以上から V(IA_p) = {pA_p} である。
>>484 よりIA_p は pA_p に属する準素イデアルである。

>>480 より I(p) は p に属する準素イデアルである。
証明終

487 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:41:22
補題
A を環、I を A のイデアルとする。
p が A の素イデアルのとき
I(p) = { a ∈ A; sa ∈ I となる s ∈ A - p が存在する }
とおく。
容易にわかるように I(p) は IA_p の標準射 A → A_p による
逆像である。

このとき I = ∩I(m) となる。
ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。

証明
I ⊂ ∩I(m) は明らかだから逆の包含関係を示せばよい。

a ∈ ∩I(m) とする。
(I : a) = { x ∈ A; xa ∈ I } と書く。
(I : a) を含む極大イデアル m があるとすると、
a ∈ I(m) だから、s ∈ A - m があって s ∈ (I : a) ⊂ m となって
矛盾である。よって (I : a) = A である。
これは a ∈ I を意味する。
したがって ∩I(m) ⊂ I である。
証明終

488 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 09:45:42
>>487の I = ∩I(m) において、 I ⊂ m でないとき I(m) = A だから
m は I ⊂ m となるすべての極大イデアルに制限してもよい。

489 :132人目の素数さん:2007/01/20(土) 10:01:54
熊先生いつも乙です.
全然わかりませんがログ保存してます.

490 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/20(土) 10:16:42
補題
A をネーター環、I を A のイデアル、m を A の極大イデアルとし、
m は V(I) の極小元とする。
I(m) を IA_m の標準射 A → A_m による逆像とする。

このとき A/I(m) は A_m/IA_m に標準的に同型である。

証明
>>486 より I(m) は m に属する準素イデアルである。
>>483 より m^n ⊂ I(m) となる n > 0 がある。
よって V(I(m)) = {m} である。
よって A/I(m) は局所環である。
従って s ∈ A - m なら s は mod I(m) で A/I(m) の可逆元である。

a ∈ A、 s ∈ A - m で a/s ∈ A_m とする。
s は mod I(m) で A/I(m) の可逆元だから、a ≡ sb (mod I(m))
となる b ∈ A がある。

φ: A → A_m を標準射とする。
a/s - φ(b) = a/s - b/1 = (a - sb)/s = φ(a - sb)/φ(s) ∈ IA_m
よって φ: A → A_m と標準射 A_m → A_m/IA_m の合成をψとすると
ψは全射である。
ψの核は I(m) だから A/I(m) は A_m/IA_m に同型である。
証明終

491 :132人目の素数さん:2007/01/20(土) 10:18:20
わからなかったら質問してよ。

492 :132人目の素数さん:2007/01/20(土) 10:51:30
命題
A をネーター環、I を A のイデアルで I を含む素イデアルはすべて
極大イデアルであるとする。このとき I を含む極大イデアルは有限個
であり、A/I は環の直積 ΠA_m/IA_m と標準的に同型である。
ここで m は I ⊂ m となる極大イデアルを動く。

証明
仮定より I を含む極大イデアルは V(I) の極小元である。
前スレ1の224よりこれ等は有限個である。

m_1 と m_2 を V(I) の異なる2元とする。
>>486 より I(m_1) は m_1 に属する準素イデアルである。
よって I(m_1) を含む素イデアルは m_1 だけである。
同様に I(m_2) を含む素イデアルは m_2 だけである。
したがって I(m_1) と I(m_2) をともに含む素イデアルはない。
よって I(m_1) + I(m_2) = A である。

一方、>>487>>488 より I = ∩I(m) となる。

よって中国式剰余定理(前スレ1の341)より
A/I は環の直積 ΠA/I(m) と標準的に同型である。

>>490 より A/I(m) は A_m/IA_m に標準的に同型であるから
A/I は ΠA_m/IA_m と標準的に同型である。
証明終

493 :132人目の素数さん:2007/01/20(土) 11:01:11
青木さやかも絶賛!!アンダーグラウンド
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/news/2092/

494 :ykr:2007/01/20(土) 12:56:56
G={(x,y)∈X;y≦g(x)}、H={(x,y)∈X;y≧h(x)}とおき、
G,Hがそれぞれ凸集合で、y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているとき、
G∩Hである部分は1つしか存在しないということを証明したいです。

495 :132人目の素数さん:2007/01/20(土) 15:21:40
念のために言うと、わからなかったら質問してよという意味は、
このスレまたは過去スレで私が書いたこと(雑談等は除く)に関して
分からなかったら質問してという意味です。

496 :ykr氏へ:2007/01/21(日) 16:03:53
>494
> G,Hがそれぞれ凸集合で、y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているとき、
> G∩Hである部分は1つしか存在しない
Kummerさん:
ノイズかも知れんが、回答しておきやす。

G,Hがそれぞれ凸ならG∩Hも凸(何故かは自分で考えてね)。
で一般に空でない凸集合は(弧状)連結である(何故かは自分で考えてね)。
y=g(x)とy=h(x)が2点で交わっているなら、G∩Hは空でなく従って(弧状)連結であるよ。

497 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/23(火) 22:04:28
>>492 の証明において I = ∩I(m) となり、各 I(m) は m に属する
準素イデアルであることを示したが、これは以下のようにしても分かる。

A をネーター環、I を A のイデアルで I を含む素イデアルはすべて
極大イデアルであるとする。

I = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n を I の最短準素分解(前スレ1の188)
とする。
m_i = rad(Q_i)、i = 1, ..., n とおく。
仮定より各 m_i は極大イデアルである。

I(m_i) を IA_(m_i) の標準射 A → A_(m_i) による逆像とする。

前スレ1の198より Q_i = I(m_i) である。
よって I = ∩I(m_i) となり、各 I(m) は m に属する準素イデアル
である。

498 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/23(火) 22:34:06
>>475

Neukirch の「代数的整数論」(日本語訳)の命題(12.6) の証明(p. 79)
がどうも分からない。

a ≡ c (mod p) かつ a ∈ c(a_q/a_p)O_q となる a ∈ O が取れるのは
いいとして、これから ε = a/c が O_p の単数であることが何故言える
のか分からない。c が p に含まれないならそうなるが、そうとは
限らないのではないか?

この命題(12.6)は >>474 の問題の解法において重要であるので、
1週間ほど考えたあげく、今日ようやく証明することが出来た。
この証明は Neukirch の証明(?)よりわかりやすいと思う。
それをこれから述べる。

499 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/24(水) 21:50:44
命題
A を整域、K をその商体とする。
M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。
p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の単項分数イデアル(>>469)
である。

証明
前スレ2の509より M_p は階数1の射影加群である。
A_p は局所環だから、前スレ2の191より M_p は階数1の自由加群
である。M_p は (A_p)-加群として K の部分加群とみなせるから
A_p の単項分数イデアルである。
証明終

500 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/24(水) 22:20:42
命題
A を整域、K をその商体とする。
M を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。
A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の単項分数イデアルなら
M は可逆分数イデアルである。

証明
前スレ2の235より M は射影的である。
よって、前スレ2の511より M は可逆分数イデアルである。
証明終

501 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/24(水) 23:13:49
訂正

>>499
>命題
>A を整域、K をその商体とする。
>M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。
>p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の単項分数イデアル(>>469)
>である。

命題
A を整域、K をその商体とする。
M を A の可逆分数イデアル(>>466)とする。
p を A の素イデアルとすると M_p は A_p の 0 でない単項分数イデアル
(>>469)である。

502 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/24(水) 23:17:27
訂正

>命題
>A を整域、K をその商体とする。
>M を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。
>A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の単項分数イデアルなら
>M は可逆分数イデアルである。

命題
A を整域、K をその商体とする。
M ≠ 0 を K の A-部分加群で有限表示(前スレ2の176)を持つとする。
A の各極大イデアル m に対して M_m が A_m の 0 でない単項分数
イデアルなら M は可逆分数イデアルである。

503 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/24(水) 23:19:07
>>502>>500 の訂正

504 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/24(水) 23:32:10
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 は有限個しかない。

証明
分数イデアルの定義(>>463)より A の元 a ≠ 0 があり
aM ⊂ A となる。aM = I は A の非零イデアルである。

A は1次元だから I ⊂ p となる素イデアル p は Supp(A/I) の
極小元である。よって前スレ1の224よりこれ等は有限個である。
IA_p ≠ A_p は I ⊂ p と同値だから IA_p ≠ A_p となる p は
有限個である。

同様に aA_p ≠ A_p となる p も有限個である。

一方、M = (1/a)I だから M_p = (1/a)IA_p となる。
(1/a)IA_p ≠ A_p なら (1/a)A_p ≠ A_p または IA_p ≠ A_p である。
よって M_p ≠ A_p となる A の素イデアル p ≠ 0 は有限個しかない。
証明終

505 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 12:20:56
A を1次元のネーター整域とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

M を A の可逆分数イデアルとしたとき、M_p は A_p の
可逆分数イデアルである。
よって、M に M_p を対応させることにより
A の可逆分数イデアル群 I(A) から A_p の可逆分数イデアル群 I(A_p)
への写像 Φ_p : I(A) → I(A_p) が得られる。
Φ_p は明らかに群としての準同型である。

Σ I(A_p) を I(A_p) の直和とする。ここで p は A のすべての
0 でない素イデアルを動く。

>>504 より、アーベル群の射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) が得られる。

506 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 12:56:54
補題
A を整域とし、K をその商体とする。
A = ∩ A_m である。
ここで m は A のすべての極大イデアルを動く。
A_m は K の部分環とみなしている。

証明
A ⊂ ∩ A_m は明らかである。

x ∈ ∩ A_m とする。

I = {a ∈ A; ax ∈ A} とおく。
I は A のイデアルである。

I ≠ A と仮定する。
I ⊂ m となる極大イデアル m がある。
x ∈ A_m だから s ∈ A - m があり sx ∈ A となる。
よって s ∈ I となるが、これは I ⊂ m に矛盾する。
よって I = A となり x ∈ A である。
証明終

507 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 13:02:52
命題
A を1次元のネーター整域とする。
>>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) は単射である。

証明
M を A の可逆分数イデアルとし、Φ(M) = 0 とする。
これは、すべての p ≠ 0 で M_p = A_p を意味する。
よって M ⊂ ∩ A_p である。

A は1次元だから A の 0 でない素イデアルと A の極大イデアルは
同じものである。
よって >>506 より ∩ A_p = A である。
よって M ⊂ A である。

M ≠ A とすると M ⊂ p となる極大イデアル p がある。
M_p ⊂ pA_p だから M_p ≠ A_p となって仮定に反する。
よって M = A である。
証明終

508 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 15:07:52
補題
A を環、S を A の積閉部分集合とする。
I を A_S のイデアルとし、J を I の標準射 A → A_S による逆像と
する。このとき I = JA_S である。

証明
a/s ∈ I とする。ここで a ∈ I, s ∈ S である。

a/1 = (s/1)(a/s) ∈ I だから a ∈ J である。
よって a/s ∈ JA_S である。
よって I ⊂ JA_S である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

509 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 15:10:45
補題
A をネーター環、p と q を A の素イデアルで q は p に含まれない
とする。
I を q に属する準素イデアルとすると IA_p = A_p である。

証明
>>483 より q^n ⊂ I となる n > 0 がある。

q は p に含まれないから qA_p = A_p である。
よって (q^n)A_p = A_p である。
よって IA_p = A_p である。
証明終

510 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 15:14:21
補題
A をネーター環とし、m_1, ..., m_n を A の相異なる極大イデアル
とする。

各 i に対して q_i を A_(m_i) の (m_i)A_(m_i) に属する準素イデアル
とし、Q_i を q_i の標準射 A → A_(m_i) による逆像とする。

I = Q_1 ∩ Q_2 ... ∩ Q_n とおく。
各 i に対して IA_(m_i) = q_i である。

証明
前スレ3の585より
IA_(m_i) = (Q_1)A_(m_i) ∩ ... ∩ (Q_1)A_(m_i) である。

>>480 より、各 Q_i は m_i に属する準素イデアルである。
>>509 より、i ≠ j なら (Q_j)A_(m_i) = A_(m_i) である。
よって IA_(m_i) = (Q_i)A_(m_i) である。
>>508 より、(Q_i)A_(m_i) = q_i である。
証明終

511 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 15:23:45
命題
A を1次元のネーター整域とする。
>>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) は全射である。

証明
ξ = (ξ_p) を Σ I(A_p) の任意の元とする。

A_p は局所環だから、前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。
よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である。

よって、各 ξ_p は (a_p/b_p)A_p と書ける。
ここで a_p と b_p は A の 0 でない元である。
(a_p/b_p)A_p ≠ A_p となる p は有限個である。
(a_p/b_p)A_p = A_p のときは a_p = b_p = 1 と仮定してよい。

各 p に対して I(p) = A ∩ a_pA_p とおく。
>>484 より a_pA_p ≠ A_p なら a_pA_p は pA_p に属する
準素イデアルである。

I = ∩ I(p) とおく。ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を
動く。I(p) は有限個を除いて A_p に等しい。

>>510 より、各 p に対して IA_p = a_pA_p となる。

同様に 各 p に対して J(p) = A ∩ b_pA_p とおき、
J = ∩ J(p) とおく。

M = I(J^(-1)) とおけば 各 p に対して M_p = (a_p/b_p)A_p である。
即ち Φ(M) = ξ である。
証明終

512 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 15:38:14
>>511 の命題が >>498 で書いた Neukirch の「代数的整数論」の
命題(12.6) である。

証明が出来てしまえば簡単だが Neukirch の証明に拘っていたので
証明に手間どった。

なお、あとで気付いたが EGA IV-4 の命題 (21.9.4) p. 285 が
スキーム論での >>511 (及び >>507) に対応する命題である。

513 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 15:59:40
>>511 の証明の補足説明。

I = ∩ I(p) が A の可逆分数イデアルであることは、
各 p に対して IA_p = a_pA_p であることから >>500(と>>502)
より分かる。

J = ∩ J(p) も同様に A の可逆分数イデアルである。

514 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 16:23:48
補題
A を環、M を A-加群、N をその部分加群とする。
A のすべての極大イデアル m にたいして M_m = N_m なら
M = N である。

証明
m を A の任意の極大イデアルとする。

完全列 0 → N → M → M/N → 0 より
完全列 0 → N_m → M_m → (M/N)_m → 0 が得られる。

仮定より M_m = N_m だから (M/N)_m = 0 である。
前スレ2の224より M/N = 0 である。
即ち M = N である。
証明終

515 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 16:32:25
>>511 の証明において M = ∩ (a_p/b_p)A_p である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
N = ∩ (a_p/b_p)A_p とおく。

各 p 対して M_p = (a_p/b_p)A_p だから M ⊂ (a_p/b_p)A_p である。
よって M ⊂ N である。

N ⊂ (a_p/b_p)A_p だから N_p ⊂ (a_p/b_p)A_p である。
M_p ⊂ N_p だから M_p = N_p = (a_p/b_p)A_p である。

よって >>514 より M = N である。
証明終

516 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 17:08:11
前スレ2の524の定義を再度書く。

定義
A を環とする。A の可逆元全体は乗法によりアーベル群となる。
この群を U(A) または A^* と書く。

517 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 17:09:05
補題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の単項分数イデアル群 P(A) は K^*/A^* と標準的に同型である。

証明
K^* の元 x に xA を対応させることにより
アーベル群の射 f : K^* → P(A) が得られる。

f は全射であり、その核は A^* である。
よって f は同型 K^*/A^* → P(A) を誘導する。
証明終

518 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 17:17:22
命題
A を単項イデアル整域(前スレ1の644)とし、K をその商体とする。
K^*/A^* は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>507>>511 より I(A) は Σ I(A_p) と標準的に同型である。
A は単項イデアル整域だから I(A) = P(A) である。

A_pは局所環だから、前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。
よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である
(このことは A_p が離散付値環であることからも分かる)。

以上から P(A) は Σ P(A_p) と標準的に同型である。

一方、>>517 より P(A) は K^*/A^* と標準的に同型であり、
P(A_p) は K^*/A^* と標準的に同型である。
よって K^*/A^* は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。
証明終

519 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:11:08
定義
G をアーベル群で同時に関係 ≧ により順序集合であるとする。
x ≧ y のとき x + z ≧ y + z が G の任意の元 z で成り立つとき
G をアーベル順序群という。

520 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:12:13
定義
G をアーベル順序群(>>519)とする。
G+ = {x ∈ G; x ≧ 0} と書く。

521 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:13:08
命題
集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (G_i) があるとする。
G = Σ G_i を (G_i) の直和アーベル群とする。

G の元 x = (x_i) と y = (y_i) に対して x_i ≧ y_i がすべての
i ∈ I に対して成り立つとき x ≧ y と定義することにより
G はアーベル順序群になる。

証明
自明である。

522 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:15:03
補題
集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (G_i) があるとする。
各 i に対して G_i の任意の元 a は
a = b - c, b ∈ (G_i)+, c ∈ (G_i)+ と書けるとする。

G = Σ G_i を (G_i) の直和アーベル群とする。
>>521 より G はアーベル順序群である。

G の任意の元 x は x = y - z, y ∈ G+, z ∈ G+ と書ける。

証明
G の任意の元 x = (x_i) に対して y = (y_i) ∈ G+ と
z = (z_i) ∈ G+ を以下のように定義する。

x_i = 0 のときは y_i = z_i = 0 とする。

仮定より x_i ≠ 0 のときは x_i = b - c となる (G_i)+ の元
b と c がある。y_i = b, z_i = c とおく。

y = (y_i), z = (z_i) とおけばよい。
証明終

523 :132人目の素数さん:2007/01/25(木) 21:16:50
オナニースレ?

524 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:20:16
補題
集合 I を添字集合とするアーベル順序群の列 (H_i) があるとする。
各 i に対して H_i の任意の元 a は
a = b - c, b ∈ (H_i)+, c ∈ (H_i)+ と書けるとする。

H = Σ H_i を (H_i) の直和アーベル群とする。
>>521 より H はアーベル順序群である。

G をアーベル群でアーベル群の射 Φ : G → H があり、
任意の y ∈ H+ に対して Φ(x) = y となる x ∈ G があるとする。

このとき Φ は全射である。

証明
>>522 より H の任意の元 x は x = y - z, y ∈ H+, z ∈ H+
と書ける。
これより本命題の主張は明らかである。
証明終

525 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:22:59
命題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の単項分数イデアル群 P(A) は x ⊂ y のとき x ≧ y と
定義することによりアーベル順序群になる。

このとき P(A)+ は A の 0 でない単項イデアル全体と一致する。

証明
自明である。

526 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:50:17
補題
A を1次元のネーター整域とする。
>>505 で定義した 射 Φ : I(A) → Σ I(A_p) を考える。
H = Σ I(A_p) とおく。

I(A_p) = P(A_p) だから >>525 より I(A_p) はアーベル順序群になる。
よって >>521 より H もアーベル順序群である。

このとき、任意の y ∈ H+ に対して Φ(x) = y となる
x ∈ I(A) がある。

証明
各 p に対して A_p は1次元の局所ネーター環である。
従って、y = (y_p) ∈ H+ に対して y_p ≠ A_p なら >>484 より
y_p は pA_p に属する準素イデアルである。

I = ∩ (A ∩ y_p) とおく。ここで p は y_p ≠ A_p となる p を
動く。

>>510 より y_p ≠ A_p のとき IA_p = y_p である。
容易にわかるように I を含む素イデアル p は y_p ≠ A_p となるもの
に限る。
従って y_p = A_p なら I は p に含まれないから IA_p = A_p である。

以上から各 p に対して IA_p = A_p である。
>>500 より I は可逆分数イデアルである。
よって x = I とおけば x ∈ I(A) で Φ(x) = y である。
証明終

527 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 21:59:58
>>524>>526 より >>511 の別証が得られることは明らかだろう。
別証といっても本質的にはあまり違わないが、こちらの方がすっきり
しているだろう。

528 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/25(木) 22:45:02
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
B が A-加群として有限生成のとき B は Dedekind 整域である。

証明
A はネーター環だから B のイデアルは有限生成 A-加群の部分加群
として有限個の生成元をもつ。
これらの生成元はイデアルとしての生成元でもあるから
B はネーター環である。

B は A-加群として有限生成だから前スレ1の505から
B は A 上整である。
よって前スレ1の637より B は1次元である。

以上から B は1次元のネーター整閉整域だから前スレ2の601の
定義より Dedekind 整域である。
証明終

529 :132人目の素数さん:2007/01/26(金) 05:15:19
Kummer= kokorono itami.....

530 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 12:00:09
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとしたとき B_p は単項イデアル整域であり、
その極大イデアルは有限個である。
ここで B_p は積閉部分集合 S = A - p に関する B の局所化である。

証明
前スレ2の787より B_p は Dedekind 整域である。

A_p ⊂ B_p であり A_p は pA_p を極大イデアルとする局所環である。
前スレ1の514より B_p は A_p の上に整だから B_p の極大イデアルは
pA_p の上にある(前スレ1の518)。
よって B_p の極大イデアルは pB_p を含む。
よってこれ等は有限個である。
前スレ2の767より B_p は単項イデアル整域である。
証明終

531 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 12:02:14
補題
A を環、S を A の積閉部分集合とする。
B = A_S とおく。
p を S と交わらない A の素イデアルとする。
pB は B の素イデアルだから局所化 B_pB が意味をもつが
B_pB は A_p と標準的に同型である。

証明
U = A - p とおくと S ⊂ U である。
B_pB の元は (a/s)/(u/t) の形をしている。
ここで a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S である。

u ∈ A - p に対して (u/1)/(1/1) は B_pB の可逆元だから
a ∈ A のとき a/u に (a/1)/(u/1) を対応させて
射 φ : A_p → B_pB が定まる。

a ∈ A, s ∈ S, u ∈ A - p, t ∈ S のとき、
B_pB において
(a/s)/(1/1) = (a/1)/(s/1)
(u/t)/(1/1) = (u/1)/(t/1)
だから
(a/s)/(u/t) = (at/1)/(su/1)
である。
よって φ(at/su) = (a/s)/(u/t) となって φ は全射である。

a ∈ A, u ∈ A - p のとき、φ(a/u) = 0 とする。
φ(a/u) = (a/1)/(u/1) だから v ∈ A - p, s ∈ S があって
B において (v/s)(a/1) = va/s = 0 となる。
よって t ∈ S があって tva = 0 となる。
tv ∈ A - p だから A_p において a/u = 0 である。
よって φ は単射である。
証明終

532 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 12:04:15
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

このとき K^*/(B_p)^* は Σ K^*/(B_P)^* に標準的に同型である。

ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの
全体を動く。
B_p は積閉部分集合 S = A - p に関する B の局所化である。

証明
C = B_p とおく。
>>530 より C は単項イデアル整域である。
よって >>518 より K^*/C^* は Σ K^*/(C_M)^* に標準的に
同型である。ここで M は C の極大イデアル全体を動く。

C の極大イデアル M は >>530 の証明で述べたように pA_p の上にある。
よって M = PC の形である。
ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの
である。
よって >>531 より C_M は B_P に標準的に同型である。
証明終

533 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 12:35:50
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

このとき B の可逆分数イデアル群 I(B) は Σ K^*/(B_p)^* に標準的に
同型である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>528 より B は Dedekind 整域だから当然1次元のネーター整域で
ある。よって >>507>>511 より I(B) は Σ I(B_P) と標準的に
同型である。ここで P は B の 0 でない素イデアル全体を動く。
各 B_P は局所環だから前スレ2の361より Pic(B_P) = 0 である。
よって >>472 より I(B_P) = P(B_P) である。
>>517 より P(B_P) は K^*/(B_P)^* と標準的に同型である。

以上から I(B) は Σ K^*/(B_P)^* に標準的に同型である。
ここで P は B の 0 でない素イデアル全体を動く。

>>532 より Σ K^*/(B_P)^* は Σ K^*/(B_p)^* に標準的に同型である。
証明終

534 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 12:48:50
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → K^*/A^ → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0

ここで Σ K^*/(A_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>507>>511 より I(A) は Σ I(A_p) と標準的に
同型である。ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。
各 A_p は局所環だから前スレ2の361より Pic(A_p) = 0 である。
よって >>472 より I(A_p) = P(A_p) である。
>>517 より P(A_p) は K^*/(A_p)^* と標準的に同型である。

以上から I(A) は Σ K^*/(A_p)^* に標準的に同型である。

>>472 より P(A) は K^*/A^* と標準的に同型である。
後は>>473 に注意すればよい。
証明終

535 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 12:51:40
訂正
>>534
>0 → K^*/A^ → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0

0 → K^*/A^* → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0

536 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 13:01:28
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → K^*/B^* → Σ K^*/(B_p)^* → Pic(B) → 0

ここで Σ K^*/(B_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>533 より明らかである。

537 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 13:06:37
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

このとき次のアーベル群の可換図式が存在する。

0 → K^*/A^* → Σ K^*/(A_p)^* → Pic(A) → 0
   |       |      |
   v       v      v
0 → K^*/B^* → Σ K^*/(B_p)^* → Pic(B) → 0

上と下の水平の列はそれぞれ完全である。

ここで Σ K^*/(A_p)^* と Σ K^*/(B_p)^* の p は A の 0 でない
素イデアル全体を動く。

証明
>>534>>536 および各標準射の定義から明らかである。

538 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 13:09:55
>>537

可換図式の垂直の矢印がおかしいが意味は分かるだろう。

539 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 13:20:55
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → B^*/A^* → Σ (B_p)^*/(A_p)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0

ここで Σ (B_p)^*/(A_p)^* の p は A の 0 でない素イデアル全体を
動く。

証明
>>537 に蛇の補題(snake lemma)を適用すればよい。

540 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 15:44:59
定義
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
>>434 で定義した (A : B) = {a ∈ A; aB ⊂ A} を A の導手という。

541 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 15:46:42
補題
A を整域とし、K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とする。
I = (A : B) を A の導手(>>540)とする。
B が A-加群として有限生成なら I ≠ 0 である。

証明
x_1, ..., x_n を B の A-加群としての生成元とする。
各 x_i は K の元だから、A の元 a ≠ 0 で各 i に対して
a(x_i) ∈ A となるものがある。
aB ⊂ A だから a ∈ I である。
証明終

542 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 15:49:03
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとする。
p を A の素イデアルで I ⊂ p とする。

このとき B_p/IB_p は環として Π B_P/IB_P に標準的に同型である。
ここで Π B_P/IB_P の P は B の素イデアルで p = A ∩ P となる
もの全体を動く。

証明
A_p ⊂ B_p で B_p は A_p 上整だから B_p の極大イデアルは
pA_p の上にある。よって、これ等は PB_p の形である。
ここで P は B の素イデアルで p = A ∩ P となる。
I ⊂ p だから I ⊂ P である。よって IB_p ⊂ PB_p である。

C = B_p おくと C は1次元のネーター整域だから
>>492 より C/IC = Π C_m/IC_m である。
ここで m = PB_p は C の極大イデアル全体を動く。

>>531 より C_m は B_P に標準的に同型である。
証明終

543 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 15:59:34
補題
A を1次元のネーター整域とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとする。

(A/I)^* はアーベル群として Σ (A_p/IA_p)^* に標準的に
同型である。
ここで p は A の素イデアルで I ⊂ p となるもの全体を動く。

証明
I ≠ 0 だから I ⊂ p となる A の素イデアル p は極大イデアルであり
従って有限個である。

よって >>492 より A/I は環として Π A_p/IA_p に標準的に同型
である。
ここで p は A の素イデアルで I ⊂ p となるもの全体を動く。

よって (A/I)^* はアーベル群として Σ (A_p/IA_p)^* に標準的に
同型である。
証明終

544 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 16:11:12
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

(B/I)^* はアーベル群として Σ (B_p/IB_p)^* に標準的に同型である。
ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動く。

証明
>>541 より I ≠ 0 である。
よって >>543 より (B/I)^* はアーベル群として Σ (B_P/IB_P)^* に
標準的に同型である。
ここで P は B の素イデアルで I ⊂ P となるもの全体を動く。

>>433 より A_p の K における整閉包は B_p である。
I ⊂ p でないなら >>436 より B_p = A_p である。
IA_p = A_p だから、B_p/IB_p = A_p/IA_p = 0 である。
よって Σ (B_p/IB_p)^* は I ⊂ p となる p のみの有限和である。

I ⊂ p のとき、>>542 より
B_p/IB_p は環として Π B_P/IB_P に標準的に同型である。
ここで P は B の素イデアルで p = A ∩ P となるもの全体を動く。

よって (B_p/IB_p)^* はアーベル群として Σ (B_P/IB_P)^* に
標準的に同型である。

以上から Σ (B_p/IB_p)^* は Σ (B_P/IB_P)^* に標準的に
同型である。
ここで P は B の素イデアルで I ⊂ P となるもの全体を動く。
証明終

545 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 17:08:56
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p を I ⊂ p となる A の素イデアルとする。

φ: B_p → B_p/IB_p を標準射とする。
B_p の可逆元 x に対して φ(x) は B_p/IB_p の可逆元だから
φ はアーベル群の射 ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* を誘導する。
このとき ψ は全射である。

証明
B_p の極大イデアルは >>530 の証明で述べたように pA_p の上にある。
よって PB_p の形である。
ここで P は B の 0 でない素イデアルで p = A ∩ P となるもの
である。I ⊂ p だから IB_p ⊂ PB_p である。
よって B_p/IB_p の極大イデアルと B_p の極大イデアルは1対1に
対応する。

B_p の元 y に対して φ(y) が B_p/IB_p の可逆元だとする。
φ(y) は B_p/IB_p のどの極大イデアルにも含まれない。
即ち y は B_p の可逆元である。
よって ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* は全射である。
証明終

546 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 17:12:04
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p を I ⊂ p となる A の素イデアルとする。

I は A に含まれる B のイデアルだから IB_p = IA_p である。
よって (A_p/IA_p)^* ⊂ (B_p/IB_p)^* である。

このとき (B_p)^*/(A_p)^* はアーベル群として
(B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* に標準的に同型である。

証明
>>545 より ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^* は全射である。

ψと標準射 (B_p/IB_p)^* → (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* の合成射を
Ψ: (B_p)^* → (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* とする。

B_p の可逆元 x に対して Ψ(x) = 0 とする。
これは ψ(x) ∈ (A_p/IA_p)^* を意味する。
よって x ≡ y (mod IB_p) となる y ∈ A_p がある。
IB_p = IA_p だから x ∈ A_p である。
x は B_p の可逆元だから x ∈ A_p である。
ψ(x) ∈ (A_p/IA_p)^* だから x ∈ (A_p)^* である。

よって Ψ の核は (A_p)^* である。
証明終

547 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/26(金) 17:30:04
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
このとき次のアーベル群の完全列が存在する。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0

証明
以下、簡単のためにアーベル群の標準同型を等号 = で表す。

>>539 より次のアーベル群の完全列が存在する。
0 → B^*/A^* → Σ (B_p)^*/(A_p)^* → Pic(A) → Pic(B) → 0

ここで p は A の 0 でない素イデアル全体を動くが、
I ⊂ p でないときは >>436 より B_p = A_p である。
よって Σ (B_p)^*/(A_p)^* は I ⊂ p となる p のみの有限和である。

(B/I)^*/(A/I)^* = Σ (B_p)^*/(A_p)^* を言えばよい。

>>543 より (A/I)^* = Σ (A_p/IA_p)^* である。
>>544 より (B/I)^* = Σ (B_p/IB_p)^* である。

よって
(B/I)^*/(A/I)^* = Σ (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* である。

>>546 より (B_p)^*/(A_p)^* = (B_p/IB_p)^*/(A_p/IA_p)^* である
証明終

548 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/27(土) 10:28:23
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
さらに B が有限ノルム性(>>68)を持ち Pic(B) が有限群であるとする。
I = (A : B) を A の導手とする。

このとき、

|Pic(A)| = |Pic(B)|[(B/I)^* : (A/I)^*]/[B^* : A^*]

である。

証明
>>547 より Pic(A) → Pic(B) の核の位数は
[(B/I)^* : (A/I)^*]/[B^* : A^*] である。
これより明らかである。
証明終

549 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/27(土) 10:34:48
>>548 を代数体に適用すると Hilbert の Zahlbericht の定理 66
となる。Hilbert はこれを解析的に証明している。

550 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:42:14
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
J ≠ 0 を A の イデアルとする。
JB が I と素のとき J を正則なイデアルという。

551 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:45:22
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則 (>>550) であるためには p が I を含まないことが
必要十分である。

証明
>>448 と同様である。

552 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:46:37
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
I ≠ 0 を A のイデアルとする。

I が正則 (>>550) であるためには I ⊂ p となる A の任意の
素イデアル p が正則であることが必要十分である。

証明
>>449 と同様である。

553 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:47:30
命題
A を1次元のネーター整域とし、p ≠ 0 を A の素イデアルとする。
A_p が離散付値環(前スレ1の 645)であるためには A_p が整閉で
あることが必要十分である。

証明
A_P が離散付値環なら、A_p は一意分解整域だから 前スレ3の 158 より
A_P は整閉である。

逆に A_p が整閉なら前スレ2の 555 より A_p は離散付値環である。
証明終

554 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:51:34
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則であるためには A_p が離散付値環であることが
必要十分である。

証明
>>436>>551 より p が正則であるためには A_p が整閉であることが
必要十分である。

>>554 より、これは A_p が離散付値環であることと同値である。
証明終

555 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:53:02
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
p ≠ 0 を A の素イデアルとする。

p が正則であるためには p が可逆分数イデアル(>>466)であることが
必要十分である。

証明
p が正則なら >>554 より A_p は離散付値環である。従って pA_p は
単項イデアルである。
q ≠ 0 を p と異なる A の素イデアルとすると、q は p に含まれない
から pA_q = A_q となり、これも 0 でない単項イデアルである。
よって >>500 (及び >>502) より p は可逆分数イデアルである。

逆に p が可逆分数イデアルなら >>499 より pA_p は単項イデアル
である。よって前スレ3の534より A_p は離散付値環である。
よって >>554 より p は正則である。
証明終

556 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:54:06
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I と J を A の正則なイデアルとする。

IB = JB なら I = J である。

証明
>>451 と同様である。

557 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:55:32
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
J_0 = A ∩ J とおく。
このとき、J_0 は正則なイデアルで (J_0)B = J となる。

証明
>>453 と同様である。

558 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:56:22
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

A の正則なイデアルは正則な素イデアルのべき積として一意に
分解される。

証明
>>457 と同様である。

559 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 12:58:41
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

A の正則なイデアルは可逆分数イデアルである。

証明
>>555>>558 より明らかである。

560 :132人目の素数さん:2007/01/29(月) 13:18:00
9

561 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 17:24:48
訂正

>>552 を以下のように修正する。

補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
J ≠ 0 を A のイデアルとする。

J が正則 (>>550) であるためには J ⊂ p となる A の任意の
素イデアル p が正則であることが必要十分である。

証明
>>449 と同様である。

562 :"""""":2007/01/29(月) 17:25:19
● 若い桃尻お尻厳選?+秋山奈々??? ●
http://eco.no.land.to/idol/forumdisplay.php?fid=1&filter=0&orderby=views&page=1

563 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 17:26:41
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

p ≠ 0 を A の素イデアルで正則でないとする。
a を p の 0 でない元とすると aA は可逆であるが >>561 より
正則ではない。

従って >>559 の逆は成立たない。

564 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 20:17:58
定義
A を Dedekind 整域とする。
M ≠ 0 と N ≠ 0 を A の分数イデアル(前スレ2の677) とする。
M の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合と
N の素イデアル分解に現れる素イデアルの集合の共通集合が空のとき
M と N は互いに素であるという。

565 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 20:19:29
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
MB が I と互いに素(>>564)のとき M を正則な分数イデアルという。

566 :132人目の素数さん:2007/01/29(月) 22:39:00
>>565 の訂正

定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M ≠ 0 を A の分数イデアルとする。
I と J を正則なイデアルとして
M = I/J と書けるとき M を正則な分数イデアルという。
ここで I/J は I (J^(-1)) を意味する。
J は可逆(>>559)であるので J^(-1) は存在する。

567 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 22:51:59
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M と N を正則な分数イデアル(>>566)とする。
MB = NB なら M = N である。

証明
定義(>>566)より M = I_1/J_1, N = I_2/J_2 とする。
ここで I_1, J_1, I_2, J_2 はそれぞれ正則なイデアルである。
MB = NB より (I_1)B/(J_1)B = (I_2)B/(J_2)B となる。
よって (I_1)(J_2)B = (I_2)(J_1)B である。
>>556 より (I_1)(J_2) = (I_2)(J_1) となる。
よって M = N となる。
証明終

568 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/29(月) 23:06:46
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。
M を B の分数イデアルで I と互いに素(>>564)であるとする。
このとき A の正則な分数イデアル M_0 で (M_0)B = M となるものが
一意に存在する。

証明
M は I と互いに素だから、M の素イデアル分解考えれば、M = J/L
と書ける。
ここで J と L はそれぞれ I と互いに素な B のイデアルである。

J_0 = A ∩ J, L_0 = A ∩ L とおくと >>557 より J_0, L_0 は
それぞれ A の正則なイデアルで (J_0)B = J, (L_0)B = L となる。
M_0 = (J_0)/(L_0) とおけば、(M_0)B = M となる。
>>567 より M_0 は一意に定まる。
証明終

569 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 15:17:56
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M を A の可逆分数イデアルとする。
M が A の正則な分数イデアルであるためには M_p ≠ A_p となる
A の素イデアル p ≠ 0 がすべて正則であることが必用十分である。

証明
M が A の正則な分数イデアルとする。
M = J/L と書ける。ここで J と L は正則なイデアルである。
p が正則でなければ J は p に含まれないから J_p = A_p である。
同様に L_p = A_p である。よって M_p = J_p/L_p = A_p である。

逆に M_p ≠ A_p となる p ≠ 0 がすべて正則であるとする。
>>511 の証明より、正則なイデアル J, L が存在しして
M = J/L と書けることが分かる。
証明終

570 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 15:18:30
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
J と L を A の正則なイデアルとすると、JL も正則なイデアルである。

証明
p ≠ 0 を A の素イデアルで JL ⊂ p とすると、J ⊂ p または
L ⊂ p となる。いずれの場合でも p は正則である。
証明終

571 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 15:19:14
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
M と N を A の正則な分数イデアルとすると、MN も正則な分数イデアル
である。

証明
>>570 より明らかである。

572 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 15:20:20
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
>>559>>571 より A の正則な分数イデアル全体は A の
可逆分数イデアル群(>>470) I(A) の部分群になる。
これを RI(A) と書く。
A の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(A) と書く。
RP(A) = RI(A) ∩ P(A) である。

573 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 15:21:15
命題
A をDedekind整域とし、I ≠ 0 をそのイデアルとする。
A のイデアル類群(>>180) の各類は I と素なイデアルを
含む。

証明
C を A のイデアル類群の任意の類とする。
C^(-1) に属するイデアル J をとる。
前スレ2の785より α ∈ J で (α) = JL, I + L = A となる
α とイデアル L ≠ 0 が存在する。
L ∈ C が求めるものである。
証明終

574 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 15:46:14
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

>>547 の標準射 Pic(A) → Pic(B) の核の各類は A ∩ βB の形の
正則なイデアルを含む。ここで β ≠ 0 は I と素、
つまり βB + I = B となる B の元である。

証明
>>547 とそこにおける射 (B/I)^*/(A/I)^* → Pic(A) の定義から
分かる。

575 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 16:37:04
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。

>>572 の RI(A) は I(A) の部分群であり RP(A) = RI(A) ∩ P(A)
であるから標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が存在するが、
これは同型である。

証明
RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) は単射であるから、これが全射であることを
示せばよい。

J を A のイデアルで可逆としたとき C(J) で J が属す I(A)/P(A) の
類を表す。

JB は B の非零イデアルだから >>573 より I と素な
B のイデアル L_1 で JB と同じイデアル類に属すものがある。
L = A ∩ L_1 とおくと >>557 より L は A の正則なイデアルであり
LB = L_1 である。

C(J) と C(L) の標準射 Pic(A) → Pic(B) による像はともに JB の属す
イデアル類だから一致する。
よって >>574 より C(J) = C(L) C(A ∩ βB) となる。
ここで β ≠ 0 は I と素な B の元である。

よって J と L(A ∩ βB) は I(A)/P(A) の同じ類に属す。
L と A ∩ βB はともに正則だから >>570 よりそれらの積 L(A ∩ βB)
も正則である。
これは標準射 RI(A)/RP(A) → I(A)/P(A) が全射であることを
示している。
証明終

576 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/01/30(火) 20:38:17
2次体 Q(√m) の整環の話に戻る。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする(>>421, >>423)。

a > 0 と b を有理整数として、N(b + fω) が a で割れれば
a, b + fω は R のあるイデアルの標準基底(>>429)である。

証明
a と b + fω が Z 上一次独立なのは明らか。
よって [a, b + fω] が R のイデアルであることを示せばよい。
つまり、afω ∈ [a, b + fω] と (b + fω)fω ∈ [a, b + fω]
を示せばよい。

afω = -ab + a(b + fω) ∈ [a, b + fω] である。

N(b + fω) = ak とする。
つまり (b + fω)(b + fω') = ak である。

Tr(ω) = ω + ω' = s とおく。
s は有理整数である(実際、0 または 1)。

ω' = s - ω より
(b + fω)(b + fs - fω) = ak
よって
(b + fω)(b + fs) - (b + fω)fω = ak
よって
(b + fω)fω = -ak + (b + fω)(b + fs) ∈ [a, b + fω]
証明終

577 :132人目の素数さん:2007/01/31(水) 16:51:00
14

578 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 10:40:22
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、α ≠ 0 を R の元とする。
イデアル αR のノルム(>>438)は |N(α)| に等しい。

証明
>>80 の証明と同様である。

579 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 11:02:36
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 と J ≠ 0 を R のイデアルで J ⊂ I とする。
このとき N(J) は N(I) で割れる。

証明
J ⊂ I ⊂ R をアーベル群の昇列とみて
|R/J| = |R/I||I/J| となる。

これとノルムの定義(>>438)より
N(J) = N(I)|I/J| である。
証明終

580 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 11:06:42
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
α ≠ 0 が I の元のとき、N(α) は N(I) で割れる。

証明
>>578>>579 より明らかである。

581 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 11:24:42
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき (αβ' - βα')^2 = (N(I)^2)D である。
ここで D は R の判別式(>>424)である。

証明
α = a + bfω
β = c + dfω
とする。
ここで a, b, c, d は有理整数である。

行列 A = (α, β)/(α', β') と B = (a, b)/(c, d) と
C = (1, fω)/(1, fω') を考える
(この記法に関しては >>196 を参照)。

A = BC より det(A) = det(B)det(C) となる。
det(B) = |N(I)|, det(C)^2 = D だから
det(A)^2 = (N(I)^2)D となる。
証明終

582 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 11:41:00
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき αβ' + βα' は N(I) で割れる。

証明
N(α + β) = (α + β)(α' + β')
= αα' + (αβ' + βα') + ββ'

よって
(αβ' + βα')/N(I) = N(α + β)/N(I) - αα'/N(I) - ββ'/N(I)

>>580 よりこの右辺は有理整数である。
証明終

583 :132人目の素数さん:2007/02/03(土) 11:42:10
正の整数mを10進法で表したときの各桁の数の2乗の和をf(m)とする。
(1)mの桁数が4以上なら、f(m)の桁数はmの桁数より小さいことを示せ。
(2)数列a(n)をa(1)=m,a(n+1)=f(a(n))と定める。数列a(n)はある項以降は同じ数の並びの繰り返しとなることを示せ。

584 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 11:53:23
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

x と y を有理整数とする。
>>580 より N(xα + yβ) は N(I) で割れる。
よって f(x, y) = N(xα + yβ)/N(I) は有理整数である。

N(xα + yβ) = (xα + yβ)(xα' + yβ')
= (αα')x^2 + (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

よって
a = (αα')/N(I)
b = (αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>580>>582 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>581 よりこれは R の判別式に等しい。

585 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 13:43:51
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
D をその判別式(>>424)とする。

R = [1, (D + √D)/2] である。

証明
2次体 Q(√m) の判別式を d とする。
D = (f^2)d である(>>425)。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

ω = (1 + √m)/2 であり、d = m である。
D = (f^2)m より
(D + √D)/2 = (D + f√m)/2
= (D - f)/2 + f(1 + √m)/2
= (D - f)/2 + fω

m ≡ 1 (mod 4) だから
D = (f^2)m ≡ f^2 ≡ f (mod 2)
よって (D - f)/2 は有理整数である。

よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

ω = √m であり、d = 4m である。
D = 4(f^2)m より
(D + √D)/2 = (4(f^2)m + 2f√m)/2
= 2(f^2)m + f√m = 2(f^2)m + fω
よって [1, fω] = [1, (D + √D)/2] である。
証明終

586 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 14:44:50
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式になる。
このとき2次体 Q(√m) と R は D により一意に決まる。

証明
>>418 より D = (f^2)d と書ける。
ここで f は有理整数 f > 0 であり d はある2次体 Q(√m) の
判別式である。
R = [1, fω] は Q(√m) の整環で、その判別式は D である(>>425)。

次に一意性を証明する。
Q(√D) = Q(√m) だから2次体 Q(√m) は D により一意に決まる。
よって D = (f^2)d となる f も一意に決まる。
よって R も一意に決まる。
証明終

587 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 15:40:18
命題
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
>>586 より D はある2次体 Q(√m) の整環 R の判別式である。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
証明
D = b^2 - 4ac だから a ≠ 0 である。

>>585 より R = [1, (D + √D)/2] だから
a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] と
(-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] を示せばよい。

a(D + √D)/2 = (aD + a√D)/2 = (aD + ab + a(-b + √D))/2
= a(D + b)/2 + a(-b + √D))/2

D ≡ b^2 (mod 2) だから
D + b ≡ b^2 + b ≡ b(b + 1) ≡ 0 (mod 2)
よって (D + b)/2 は有理整数である。
よって a(D + √D)/2 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。

次に、
(-b + √D)(D + √D) = -bD - b√D + D√D + D
= -bD + D + (D - b)√D = -bD + D + (D - b)b + (D - b)(-b + √D)
= -bD + D + Db - b^2 + (D - b)(-b + √D)
= D - b^2 + (D - b)(-b + √D)

よって (-b + √D)(D + √D)/4 = (D - b^2)/4 + (D - b)(-b + √D)/4
D ≡ b^2 (mod 4)
D ≡ b^2 ≡ b (mod 2)
だから (D - b^2)/4 と (D - b)/2 は有理整数である。
よって (-b + √D)(D + √D)/4 ∈ [1, (-b + √D)/2] である。
証明終

588 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 17:35:57
>>584 を少し修正する(>>584 も後で使うかもしれない)。

R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

x と y を有理整数とする。
>>580 より N(xα - yβ) は N(I) で割れる。
よって f(x, y) = N(xα - yβ)/N(I) は有理整数である。

N(xα - yβ) = (xα - yβ)(xα' - yβ')
= (αα')x^2 - (αβ' + βα')xy + (ββ')y^2

よって
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 である。

>>580>>582 より a, b, c は有理整数である。
よって f(x, y) は有理整数係数の2次形式と見なせる。

(αβ' + βα')^2 - 4αα'ββ' = (αβ' - βα')^2
だから f(x, y) の判別式は (αβ' - βα')^2/N(I)^2 である。
>>581 よりこれは R の判別式に等しい。

589 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 17:55:59
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I = [a, r + fω] を R の原始イデアルの標準基底による
表示とする(>>430)。
このとき判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。

証明
α = a
β = r + fω とおく。

>>438 より N(I) = a だから
a = (αα')/N(I) である。

>>588 より
b = -(αβ' + βα')/N(I) = -(β' + β)
c = (ββ')/N(I) = (ββ')/a
とおけば、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 の判別式は D である。

一方、a(X - β/a)(X - β'/a) = aX^2 + bX^2 + c となる。
よって β/a は aX^2 + bX^2 + c の根である。
よって β/a = (-b ± √D)/2a であるが、
√m の規約(>>273)より β/a = (-b + √D)/2a となる。
よって r + fω = (-b + √D)/2 となる。
証明終

590 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 18:56:30
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R = {(x + y√D)/2 ; x ∈ Z, y ∈ Z, x ≡ yD (mod 2) } である。

証明
>>585 より R の元 α は u と y を任意の有理整数として、
α = u + y(D + √D)/2 と書ける。
α = (2u + yD + y√D)/2 である。
よって x = 2u + yD とおけばよい。
証明終

591 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/03(土) 19:40:59
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、(R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。
ここで (R : I) = { z ∈ Q(√m) ; zI ⊂ R } である(前スレ2の441)。

証明
z ∈ (R : I) とする。
za ∈ R と >>590 より z = (x + y√D)/2a となる。
ここで x と y は有理整数で x ≡ yD (mod 2) である。

z(-b + √D)/2 ∈ R より
(x + y√D)(-b + √D)/4a = (-bx + x√D - by√D + yD)/4a
= (-bx + yD + (x - by)√D)/4a ∈ R である。
よって >>590 より以下の3個の関係式が成り立つ。
(1) bx ≡ yD (mod 2a)
(2) x ≡ by (mod 2a)
(3) (-bx + yD)/2a ≡ (x - by)D/2a (mod 2)

(2) より x = by + 2at と書ける。
z = (x + y√D)/2a = (2at + y(b + √D))/2a = t + y(b + √D)/2a
よって z ∈ [1, (b + √D)/2a] である。
よって (R : I) ⊂ [1, (b + √D)/2a] である。

逆の包含関係は γ = (b + √D)/2a とおいたとき、
γ ∈ (R : I) が言えればよい。
γa = (b + √D)/2 において
D ≡ b^2 ≡ b (mod 2) だから >>590 より γa ∈ R である。
γ(-b + √D)/2 = (b + √D)(-b + √D)/4a = (D - b^2)/4a = c ∈ R である。
よって γI ⊂ R となるから γ ∈ (R : I) である。
証明終

592 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 04:16:41
命題(Cohen: A course in computational algebraic number theory)
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とすると、
>>587 より I = [a, (-b + √D)/2] は R のイデアルである。
このとき、I が可逆であるためには f(x, y) が原始的(>>279)で
あることが必要十分である。

証明
前スレ2の503より I が可逆であるためには I(R : I) = R が
必要十分である。

>>591 より (R : I) = [1, (b + √D)/2a] である。

I(R : I) = <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, (D - b^2)/4a>
= <a, (b + √D)/2, (-b + √D)/2, c>
= <a, (b + √D)/2 - (-b + √D)/2, (-b + √D)/2, c>
= <a, b, c, (-b + √D)/2>
= [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]

注1:上の記号 <...> については >>9 を参照。

よって I(R : I) = R なら gcd(a, b, c) = 1 である。

逆に gcd(a, b, c) = 1 なら
I(R : I) = [gcd(a, b, c), (-b + √D)/2]
= [1, (-b + √D)/2]
= [1, (-b - D)/2 + (D + √D)/2]
= [1, (D + √D)/2] = R

注2: D ≡ b^2 ≡ -b (mod 2) だから (-b - D)/2 は有理整数
である。
証明終

593 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 05:59:41
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。

このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

証明
I = ρJ より
[a, b + fω] = α[k, l + fω] = [αk, αl + αfω]

よって
b + fω = p(αl + αfω) + qαk = α(p(l + fω) + qk)
a = r(αl + αfω) + sαk = α(r(l + fω) + sk)
となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

よって
θ = (p(l + fω) + qk)/(r(l + fω) + sk)
= (pψ + q)/(rψ + s)

証明終

594 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 06:51:33
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおく。
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となるとする。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = ±1 である。

このとき α = rψ' + s とおくと I = αJ となる。
さらに N(α) = ±(a/k) である。

証明
α = a/k(rψ + s)とおく。
a = αk(rψ + s)
aθ = αk(pψ + q)
である。よって [a, aθ] = α[k, kψ] となって I = αJ となる。

P = (p, q)/(r, s) とおく(この記法に関しては>>196を参照)。
(aθ, a)^t = P(αkψ, αk)^t
ここで ^t は行ベクトルの転置(transpose)を表す。

A = (aθ, aθ')/(a, a)
B = (αkψ, α'kψ')/(αk, α'k) とおく。
A = PB である。
det(A) = det(P)det(B)
det(A) = a^2(θ - θ') = af(ω - ω')
det(B) = αα'k^2(ψ - ψ') = αα'kf(ω - ω')

af(ω - ω') = ±αα'kf(ω - ω') より αα' = ±a/k
a = αk(rψ + s) だったから α' = rψ + s
よって α = rψ' + s
証明終

595 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 07:22:04
>>593>>594はそれぞれ>>194>>195の解答にもなっている。

596 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 09:25:52
定義
D を平方数でない有理整数で、D ≡ 0 または 1 (mod 4) とする。
a, b, c を有理整数で b^2 - 4ac = D とする。
θ を多項式 aX^2 + bX + c の根とする。
θ を D に属す2次無理数という。

さらに gcd(a, b. c) = 1 のとき θ を D に属す原始的な2次無理数
という。
このとき θ の判別式(>>276)は D である。

597 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 19:36:55
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
I = [α, β] を I のある基底による表現とする。

このとき、β/α は D に属す2次無理数(>>596)である。

証明
a = (αα')/N(I)
b = -(αβ' + βα')/N(I)
c = (ββ')/N(I)
とおく。

>>588 より a, b, c は有理整数で、b^2 - 4ac = D である。

f(X) = aX^2 + bX + c とおく。

N(I)αf(β/α) = α'β^2 - αββ' - α'β^2 + αββ' = 0
よって f(β/α) = 0 である。
よって β/α は D に属す2次無理数である。
証明終

598 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/04(日) 20:58:25
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の正定値(>>293)かつ
原始的な2次形式とする。

f に一次変換
x = pu + qv
y = ru + sv
を施して

g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) = ku^2 + luv + mv^2

とする。 ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

このとき I = [a, (-b + √D)/2] と J = [k, (-l + √D)/2] は R の
可逆な原始イデアルであり、I(R)/P(R) (>>473) の同じ類に属す。

証明
>>405 より ku^2 + luv + mv^2 は判別式 D の正定値かつ原始的な
2次形式である。

よって >>592 より I と J は R の可逆な原始イデアルである。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k
とおく。

>>299 と同様にして θ = (pτ + q)/(rτ + s) であることがわかる。
>>594 より I と J は I(R)/P(R) の同じ類に属す。
証明終

599 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/05(月) 12:04:38
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I = [a, b + fω] と J = [k, l + fω] を R の原始イデアルの
標準基底による表示とする。
I = αJ となる α ∈ Q(√m) があるとする。

このとき θ = (b + fω)/a、ψ = (l + fω)/k とおくと、
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。
ここで p, q, r, s は有理整数で ps - qr = 1 である。

証明
>>593 より ps - qr = ±1 となる有理整数 p, q, r, s があり
θ = (pψ + q)/(rψ + s) となる。

>>273 の規約よりθ と ψ は複素上半平面にある。

>>274 より Im(θ) = (ps - qr)Im(ψ )/|rψ + s|^2
よって ps - qr = 1 である。
証明終

600 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/05(月) 12:06:19
定義
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (>>473) を Cl(D) と書く。

>>406 で定義した F+(D) の元からその任意の代表
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 をとる。

>>592 より [a, (-b + √D)/2] は R の可逆な原始イデアルである。

>>598 より、このイデアルの属す Cl(D) の類は f(x, y) の取り方に
よらない。
よって F+(D) から Cl(D) への写像が定まる。
この写像を Φ+ と書く。

601 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/05(月) 12:08:11
命題
>>600 の写像 Φ+ は単射である。

証明
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と g(x, y) = kx^2 + lxy + my^2
を判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式とする。
さらに [a, (-b + √D)/2] と [k, (-l + √D)/2] が同じ I(R)/P(R)
の類に属すとする。

θ = (-b + √D)/2a
τ = (-l + √D)/2k とおく。

>>599 より ps - qr = 1 となる有理整数 p, q, r, s があり、
θ = (pτ + q)/(rτ + s) となる。
aθ^2 + bθ + c = 0 だから
a(pτ + q)^2 + b(pτ + q)(rτ + s) + c(rτ + s)^2 = 0
この左辺は f(pτ + q, rτ + s) である。

f(px + qy, rx + sy) を x, y の2次形式とみたものを
h(x, y) とする。
>>405 より h(x, y) は判別式 D の正定値かつ原始的な2次形式である。
h(τ, 1) = 0 だから h(x, 1) は τ を根とする2次式で、その係数
の最大公約数が 1 かつ最高次の係数が正であり τ により
一意に決まる(>>276)。

一方 τ = (-l + √D)/2k は kx^2 + lx + m の根でもあるから
g(x, y) = h(x, y) である。
証明終

602 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/05(月) 12:09:17
命題
>>600 の写像 Φ+ は全射である。

証明
I(R)/P(R) の各類の代表として原始イデアルが取れる。

I = [a, b + fω] を R の可逆な原始イデアルの標準基底による
表示とする。

>>589 より判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。
I は可逆だから >>592 より ax^2 + bxy + cy^2 は原始的である。
証明終

603 :132人目の素数さん:2007/02/07(水) 19:23:01
32

604 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:00:08
補題
2次体 Q(√m) の任意の整数 α = a + bω のノルム N(α) は
以下の式で与えられる(ω については >>11 を参照)。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 + ab + (b^2)(1 - m)/4

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 - (b^2)m

証明
N(α) = (a + bω)(a + bω') = a^2 + ab(ω + ω') + (b^2)ωω'
より明らかである。

605 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:22:54
補題
虚2次体 Q(√m) の任意の整数 α ≠ 0 に対して N(α) > 0 である。

証明
α = a + bω とする
α の2次体 Q(√m) の元としての共役 α' = a + bω' は
α の複素数としての共役でもあるから
N(α) = αα' = |α|^2 > 0 である。

このことは以下のようにしても分かる。

>>604 より
m ≡ 1 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 + ab + (b^2)(1 - m)/4
4N(α) = 4a^2 + 4ab + (b^2)(1 - m) = (2a + b)^2 - (b^2)m

m < 0 だから N(α) > 0 である。

m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
N(α) = a^2 - (b^2)m > 0 である。
証明終

606 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:29:56
補題
虚2次体 Q(√m) の整数 a + bω が単数(>>73)であるためには
有理整数 a, b が以下の等式を満たすことが必用十分である。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき
(2a + b)^2 - (b^2)m = 4

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき
a^2 - (b^2)m = 1

証明
>>74>>604>>605 より明らかである。

607 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:31:13
命題
虚2次体 Q(√m) の単数(>>73)は以下の通り。

(1) m = -1 のとき

±1、±√(-1)

(2) m = -3 のとき
±1、±ω、±ω^2
ここで ω = (-1 + √(-3))/2 = exp(2πi/3) は1の原始3乗根である。

(3) |m| > 3 のとき
±1

証明
>>606 より明らかである。

608 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:32:31
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
R の元 α が可逆元であるためには α が Q(√m) の単数(>>73)
であることが必要十分である。

つまり R^* = R ∩ Z[ω]^* である。

証明
まず ω' = 1 - ω または ω' = -ω だから α ∈ R なら α' ∈ R
であることに注意する。

R の可逆元は明らか単数である。

R の元 α が単数であるとする。
>>74 より N(α) = 1 または N(α) = -1 である。
N(α) = 1 なら αα' = 1 で、α' ∈ R だから α は R の可逆元
である。

N(α) = -1 なら αα' = -1 だから α(-α') = 1 となり、
やはり α は R の可逆元である。
証明終

609 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:36:17
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
f > 1 なら R に属す単数は ±1 のみである。

証明
R の元 α = a + bfω が単数だとする。
>>74 より
N(α) = (a + bfω)(a + bfω')
= a^2 + abf(ω + ω') + (f^2)(b^2)ωω' = 1
である。

(1) m ≡ 1 (mod 4) のとき

a^2 + abf + (f^2)(b^2)(1 - m)/4 = 1

よって
(2a + bf)^2 - (f^2)(b^2)m = 4

よって f > 1 なら b = 0、a = ±1 である。

(2) m ≡ 2 (mod 4) または m ≡ 3 (mod 4) のとき

a^2 - (f^2)(b^2)m = 1

よって f > 1 なら b = 0、a = ±1 である。
証明終

610 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:43:10
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
R^* = {±1} である。
ここで R^* は R の可逆元全体のなすアーベル群を表す(>>516)。

証明
>>608>>609 より明らかである。

611 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:52:40
補題
A と B を環とする。
A × B を A と B の環としての直積とする。

(a, b) ∈ A × B のとき (a, b) が可逆であるためには a と b が
それぞれ可逆であることが必用十分である。

証明
A × B の乗法の定義から明らかである。

612 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 16:53:39
補題
A と B を環とする。
このとき、(A × B)^* = (A^*)×(B^*) である。
ここで等号は群としての同型を表す。

証明
>>611 より明らかである。

613 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 17:04:35
補題
A を局所環とし、m をその極大イデアルとする。
x を A の元とする。
xA ≠ A であるためには x ∈ m が必用十分である。

証明
x ∈ m なら xA ⊂ m だから xA ≠ A である。

逆に xA ≠ A なら Zorn の補題より xA ⊂ m である。
証明終

614 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 17:06:38
補題
A を局所環とし、m をその極大イデアルとする。
A^* = A - m である。

証明
これは >>613 を言い換えたものである。

615 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 17:16:40
補題
2次体 Q(√m) の素イデアル P と有理整数 n ≧ 1 に対して
P と P^n をアーベル群とみて剰余群 P/P^n が考えられる。
このとき
|P/P^n| = N(P)^(n-1) である。

証明
定義(>>24)より |Z[ω]/P| = N(P)

>>70 より |Z[ω]/P^n| = N(P)^n

これから明らかである。
証明終

616 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 17:19:37
補題
2次体 Q(√m) の素イデアル P と有理整数 n ≧ 1 に対して
|(Z[ω]/P^n)^*| = N(P)^n - N(P)^(n-1) である。

証明
>>614>>615 から明らかである。

617 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 20:34:40
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は分岐するとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n-1)
である。

証明
p は分岐するから Q(√m) のある素イデアル P があり、
pZ[ω] = P^2 となる。

よって (p^n)Z[ω] = P^(2n) である。
よって >>616 より
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n-1)
証明終

618 :132人目の素数さん:2007/02/08(木) 20:38:45
オナニー

619 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 20:46:53
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は完全分解するとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = (p^n - p^(n-1))^2
である。

証明
p は完全分解するから Q(√m) のある素イデアル P があり、
pZ[ω] = PP' となる。 P ≠ P' である。

よって (p^n)Z[ω] = (P^n)(P'^n) である。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z[ω]/(p^n)Z[ω] = (Z[ω]/P^n) × (Z[ω]/P'^n)

よって >>612>>616 と N(P) = N(P') = p より
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*|
= |(Z[ω]/P^n)^*| |(Z[ω]/P'^n)^*|
= (p^n - p^(n-1))^2
証明終

620 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 20:53:56
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。
2次体 Q(√m) において p は分解しないとする(>>106)。

このとき
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = p^(2n) - p^(2n - 2)
である。

証明
p は分解しないから pZ[ω] = P はQ(√m) の素イデアルである。
よって (p^n)Z[ω] = P^n で N(P) = p^2 である。

よって >>616 から
|(Z[ω]/(p^n)Z[ω])^*| = |(Z[ω]/P^n)^*| = p^(2n) - p^(2n - 2)
である。
証明終

621 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 21:39:54
定義
有理整数 n ≧ 1 に対して φ(n) を以下のように定義する。

(1) φ(1) = 1

(2) n > 1 のとき φ(n) = |(Z/nZ)^*|

φ を Euler の関数と呼ぶ。

622 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 21:51:40
補題
p を素数とし、n ≧ 1 を有理整数とする。

φ(p^n) = p^n - p^(n - 1)
である。
ここで、φ は Euler の関数(>>621)である。

証明
良く知られているし、>>615 の証明と同様にしてもわかる。

623 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 21:56:47
命題
r > 1 を有理整数とし、r = Πp^n を r の素因数分解とする。
ここで p は r の相異なる素因子を動く。


φ(r) = rΠ(1 - 1/p)
である。
ここで、φ(r) は Euler の関数(>>621)である。

証明
中国式剰余定理(前スレ1の341)より
Z/rZ = ΠZ/(p^n)/Z である。
>>612 より
φ(r) = |(Z/rZ)^*| = Π|(Z/(p^n)/Z)^*| である。

一方、622 より
|(Z/(p^n)/Z)^*| = p^n - p^(n - 1) = (p^n)(1 - 1/p)

よって φ(r) = rΠ(1 - 1/p) である。
証明終

624 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/08(木) 22:45:02
命題
2次体 Q(√m) の主整環(>>431)を Z[ω] とする。
r > 1 を有理整数とし、r = Πp^n を r の素因数分解とする。
ここで p は r の相異なる素因子を動く。

このとき
|(Z[ω]/rZ[ω])^*| = φ(r)rΠ(1 - χ(p)/p)
である。

ここで χ(p) は以下のように定義する。
(1) p が2次体 Q(√m) において分岐する(>>106)とき
χ(p) = 0

(2) p が2次体 Q(√m) において完全分解する(>>106)とき
χ(p) = 1

(3) p が2次体 Q(√m) において分解しない(>>106)とき
χ(p) = -1

証明
中国式剰余定理(前スレ1の341)と >>612 より
r が素数べき p^n の場合に証明すればよい。
この場合は >>617, >>619, >>620, >>622 より明らかである。
証明終

625 :132人目の素数さん:2007/02/08(木) 23:23:00
32

626 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/09(金) 20:46:30
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。

このとき h(D) = |Cl(D)| である。

ここで h(D) は判別式 D の簡約2次形式(>>407) の個数であり、
Cl(D) は R の Picard 群 Pic(R) = I(R)/P(R) (>>473) である。

証明
>>601>>602 より明らかである。

627 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/09(金) 20:47:15
補題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

fZ[ω] = (R : Z[ω]) である。

ここで (R : Z[ω]) は R のイデアルとしての導手(>>540)である。

証明
α = a + bfω ∈ (R : Z[ω]) とする。
αω = aω + bfω^2 ∈ R

ω は (X - ω)(X - ω') = X^2 - Tr(ω)X + N(ω) の根だから

ω^2 = Tr(ω)ω - N(ω)

よって
-bfN(ω) + (a + bfTr(ω))ω ∈ R

よって a ≡ 0 (mod f) である。
よって α ∈ fZ[ω] である。
よって (R : Z[ω]) ⊂ fZ[ω] である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

628 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/09(金) 20:51:25
補題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

I = (R : Z[ω]) を R のイデアルとしての導手(>>540)とする。

|(R/I)^*| = φ(f) である。

ここで φ(f) は Euler の関数(>>621) である。

証明
>>627 より I = fZ[ω] = [f, fω] である。
よって R/I = [1, fω]/[f, fω] は Z/fZ と同型である。
よって |(R/I)^*| = φ(f) である。
証明終

629 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/09(金) 20:59:21
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。

h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
である。
ここで p は f の相異なる素因子を動く。

証明
I = (R : Z[ω]) を R のイデアルとしての導手(>>540)とする。
>>627 より I = fZ[ω] である。

>>548>>626 より
h(D) = h(d)[(Z[ω]/I)^* : (R/I)^*]/[Z[ω]^* : R^*]

>>624 より
|(Z[ω]/I)^*| = φ(f)fΠ(1 - χ(p)/p)

>>628 より
|(R/I)^*| = φ(f)

よって
h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
である。
証明終

630 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/09(金) 21:03:17
>>629

χ(p) は >>624 で定義したものである。

631 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/09(金) 21:03:59
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。

(1) m = -1 のとき、即ち d = -4 のとき
h(D) = (1/2)fΠ(1 - χ(p)/p)

(2) m = -3 のとき、即ち d = -3 のとき
h(D) = (1/3)fΠ(1 - χ(p)/p)

(3) m が上記以外のとき
h(D) = h(d)fΠ(1 - χ(p)/p)

上記いずれの場合も p は f の相異なる素因子を動く。
χ(p) は >>624 で定義したものである。

証明
>>629 より
h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)

>>607>>609 より
(1) m = -1 のとき、[Z[ω]^* : R^*] = 2
(2) m = -3 のとき、[Z[ω]^* : R^*] = 3
(3) |m| > 3 のとき [Z[ω]^* : R^*] = 1

>>221 より Q(√(-1)) はノルム Euclid 的である。
よって h(-4) = 1 である。
前スレ3の233より Q(√(-3)) はノルム Euclid 的である。
よって h(-3) = 1 である。

以上から本命題の主張が得られる。
証明終

632 :132人目の素数さん:2007/02/10(土) 00:34:00
35

633 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 11:32:12
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とし、D をその判別式とする。
d を Q(√m) の判別式とする。
m ≧ 1 を有理整数として S = [1, mfω] を整環とする。

このとき

h((m^2)D) = (h(D)/[R^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)

となる。ここで p は m の相異なる素因子を動く。

証明
>>629 より

h(D) = (h(d)/[Z[ω]^* : R^*])fΠ(1 - χ(p)/p)
よって
h(d) = h(D)[Z[ω]^* : R^*]/(fΠ(1 - χ(p)/p))

再び >>629 より

h((m^2)D) = (h(d)/[Z[ω]^* : S^*])mfΠ(1 - χ(p)/p)
ここで p は mf の相異なる素因子を動く。

よって
h((m^2)D)
= (h(d)[Z[ω]^* : R^*]/[Z[ω]^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)
= (h(D)/[R^* : S^*])mΠ(1 - χ(p)/p)

証明終

634 :132人目の素数さん:2007/02/10(土) 11:38:30
Cox の Primes of the form x^2 + ny^2 によると >>633 は Gauss が
証明したという。
Disquisitiones の art. 254-256 がその証明らしいいという。
私はその証明をまだ確かめてない。

635 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 13:41:14
定義
V を有理数体上の有限次ベクトル空間とする。
L を V のアーベル群としての部分群で階数 が n = dim V の
自由アーベル群であるとき L を V の格子(lattice)という。

636 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 13:44:43
定義
2次体 Q(√m) を有理数体上の2次元ベクトル空間とみて
L がその格子(>>635)のとき L を2次体 Q(√m) の格子という。

637 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 13:52:24
定義
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
(L : L) = {α ∈ Q(√m); αL ⊂ L} と書く。

638 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 14:23:27
命題
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
(L : L) = {α ∈ Q(√m); αL ⊂ L} は Q(√m) の整環である。

証明
α ∈ (L : L) なら L は Z[α] 上の忠実加群とみなせる。
よって前スレ3の839よりαは(代数的)整数である。
つまり、(L : L) ⊂ Z[ω] である。
よって (L : L) は自由アーベル Z[ω] の部分群として
有限生成の自由アーベル群である。

(L : L) は明らかに Z[ω] の部分環である。

L = [β, γ] とする。

ωβ = pβ + qγ
ωγ = rβ + sγ
となる有理数 p, q, r, s がある。

よって aωβ ∈ L. aωγ ∈ L となる有理整数 a ≠ 0 がある。
aωL ⊂ L だから aZ[ω]L ⊂ L である。
よって aZ[ω] ⊂ (L : L) である。

aZ[ω] は階数2の自由アーベル群だから (L : L) もそうである。
よって (L : L) は Q(√m) の整環である。
証明終

639 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 17:37:41
補題
L を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
α ≠ 0 を Q(√m) の元とすると
(αL : αL) = (L : L) である。

証明
自明である。

640 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 17:40:32
命題
L = [α, β] を2次体 Q(√m) の格子(>>636)とする。
τ = β/α とし、aτ^2 + bτ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

このとき
(L : L) = [1, aτ]
である。

証明
L = [α, β] = α[1, τ] だから
>>639 より (L : L) = ([1, τ] : [1, τ])

γ ∈ ([1, τ] : [1, τ]) とすると、
γ ∈ [1, τ] より γ = m + nτ、m ∈ Z、n ∈ Z と書ける。
γτ ∈ [1, τ] だから γτ = mτ + nτ^2 である。
一方、aτ^2 + bτ + c = 0 だから τ^2 = (-b/a)τ - c/a
よって γτ = mτ + nτ^2 = -cn/a + (m - (bn/a))τ ∈ [1, τ]

よって
-cn ≡ 0 (mod a)
-bn ≡ 0 (mod a)

よって gcd(a, b, c) = 1 より n ≡ 0 (mod a) となる。
よって γ ∈ [1, aτ] である。
よって ([1, τ] : [1, τ]) ⊂ [1, aτ] である。

一方、aτ^2 = -c - bτ だから aτ∈ ([1, τ] : [1, τ])
よって [1, aτ] ⊂ ([1, τ] : [1, τ])

以上から (L : L) = [1, aτ] である。
証0明終

641 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 17:45:45
>>639 は αL が Q(√m) の格子であることを暗黙の前提としている。
しかし、これは明らかである。

642 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 18:00:12
命題
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の主整環 Z[ω] の可逆分数イデアル(>>466)
とする。

M は明らかに Q(√m) の格子であるが、
(M : M) = Z[ω] である。

証明
α ∈ (M : M) とする。
αM ⊂ M より αM(M^(-1)) ⊂ M(M^(-1)) となる。
M(M^(-1)) = Z[ω] だから α ∈ Z[ω] である。
よって (M : M) ⊂ Z[ω] である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

643 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 18:04:55
命題
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R の可逆分数イデアル(>>466)
とする。

M は明らかに Q(√m) の格子であるが、
(M : M) = R である。

証明
α ∈ (M : M) とする。
αM ⊂ M より αM(M^(-1)) ⊂ M(M^(-1)) となる。
M(M^(-1)) = R だから α ∈ R である。
よって (M : M) ⊂ R である。

逆の包含関係は明らかである。
証明終

644 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 18:11:48
>>642>>643 により不要だった。

645 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 18:39:32
命題(Cox の Primes of the forms x^2 + ny^2)
M ≠ 0 を2次体 Q(√m) の整環 R の分数イデアル(>>463)
とする。

(M : M) = R なら M は可逆である。

証明
M = [α, β] とする。
τ = β/α とし、aτ^2 + bτ + c = 0 とする。
ここで a, b, c は有理整数で gcd(a, b, c) = 1 である。

M = α[1, τ] である。
M' = α'[1, τ'] である。

よって
aMM' = aN(α)<1, τ, τ', ττ'>

τ + τ' = -b/a
ττ' = c/a
だから

aMM' = aN(α)<a, aτ, aτ', aττ'> = aN(α)<a, aτ, -b , c>
= N(α)[gcd(a, b, c), aτ]
= N(α)[1, aτ]

>>640 より [1, aτ] = (M : M) = R である。
よって
aMM' = N(α)R

これは M が可逆であることを意味する。
証明終

646 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/10(土) 23:44:40
補題
ax^2 + bxy + cy^2 を原始的(>>279)な2次形式とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。

互いに素な有理整数 s と t があり、
A = as^2 + bst + ct^2 が m と素になる。

証明
p を m の任意の素因数とする。

a と p が素なら s ≡ 1 (mod p), t ≡ 0 (mod p) とする。
このとき A ≡ a (mod p) だから A は p と素である。

a ≡ 0 (mod p) で c が p と素なら
s ≡ 0 (mod p), t ≡ 1 (mod p) とする。
このとき A ≡ c (mod p) だから A は p と素である。

a ≡ 0 (mod p) で c ≡ 0 (mod p) なら gcd(a, b, c) = 1 より
b は p と素である。
s ≡ 1 (mod p), t ≡ 1 (mod p) とする。
このとき A ≡ b (mod p) だから A は p と素である。

中国式剰余定理より m の各素因数 p に対して
上記の合同式を満たす s と t が存在して、A は m と素になる。
gcd(s, t) = r とする。 r = 1 なら s, t が求めるものである。
r ≠ 1 なら s = rs', t = rt'
とおけば
A = r^2(a(s')^2 + bs't' + c(t')^2)
A/r^2 = a(s')^2 + bs't' + c(t')^2
となり A/r^2 は m と素である。
よって s' と t' が求めるものである。
証明終

647 :132人目の素数さん:2007/02/11(日) 03:55:00
36

648 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/11(日) 11:12:04
命題
ax^2 + bxy + cy^2 を原始的(>>279)な2次形式とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。

このとき、SL_2(Z) の元 σ = (p, q)/(r, s) があり、
ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて(>>401)
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとき、
A は m と素に出来る。

証明
>>646 より互いに素な有理整数 p と r があり、
A = ap^2 + bpr + cr^2 が m と素になる。

p と r は互いに素だから ps - qr = 1 となる
有理整数 s と q がある。
よって、行列 σ = (p, q)/(r, s) は SL_2(Z) の元である。

ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとする。
つまり、f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおいたとき、
Au^2 + Buv + Cv^2 = f(pu + qv, ru + sv) である。

>>401 より
A = ap^2 + bpr + cr^2
B = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
C = aq^2 + bqs + cs^2
である。
A は m と素だから σ = (p, q)/(r, s) が求めるものである。
証明終

649 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/11(日) 11:12:47
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I と J を R の非零イデアルとする。
N(I) と N(J) が互いに素なら I + J = R である。

証明
I + J ≠ R とする。
R の素イデアル P があり I ⊂ P かつ J ⊂ P となる。
>>579 より N(I) と N(J) は N(P) で割れる。
証明終

650 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/11(日) 11:31:08
命題
R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。
m ≧ 1 を有理整数とする。
I を R の可逆な分数イデアルとする。

このとき λ ∈ Q(√m) があり、
λI ⊂ R で λI + mR = R となる。

証明
D を R の判別式とする。

I に適当な定数を掛けることにより、初めから I は R の可逆な
原始イデアルと仮定してよい。
I = [a, b + fω] を R の標準基底による表示とする。

>>589 より判別式 D の2次形式 ax^2 + bxy + cy^2 があり、
r + fω = (-b + √D)/2 となる。
I は可逆だから >>592 より ax^2 + bxy + cy^2 は原始的である。

>>648 より SL_2(Z) の元 σ = (p, q)/(r, s) があり、
ax^2 + bxy + cy^2 に σ を右から作用させて
Au^2 + Buv + Cv^2 となったとき、
A は m と素に出来る。

>>282 より gcd(A, B, C) = 1 である。
>>594 より
J = [A, (-B + √D)/2] は R の可逆な原始イデアルであり、
I(R)/P(R) (>>473) の I と同じ類に属す。

N(J) = A で A は m と素だから >>649 より
J + mR = R である。
証明終

651 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/11(日) 11:50:30
>>650
訂正:

>命題
>R = [1, fω] を虚2次体 Q(√m) の整環とする。

命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。

652 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/11(日) 12:12:44
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。

N(I) ∈ I である。

証明
ノルムの定義(>>438)より |R/I| = N(I) である。
つまり R/I のアーベル群としてに位数は N(I) である。
よって R/I の任意の元 x に対して N(I)x = 0 である。
特に N(I)1 = 0 である。
これは N(I) ∈ I を意味する。
証明終

653 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/11(日) 12:16:10
命題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
I ≠ 0 を R のイデアルとする。
R の Picard 群 I(R)/P(R) (>>473) の任意の剰余類には
I と素な R のイデアル J が存在する。
つまり、 I + J = R となる J ∈ I(R) が存在する。

証明
>>650 より I(R)/P(R) の任意の剰余類には
J + N(I)R = R となる J ∈ I(R) が存在する。

>>652 より N(I) ∈ I だから
N(I)R ⊂ I である。
よって J + I = R である。
証明終

654 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 06:58:52
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。

R の正則(>>550)な分数イデアル全体を RI(R) と書いたく(>>572)。
R の正則な単項分数イデアルのなす群を RP(R) と書いた(>>572)。

>>653 を R の導手(>>540) I = fZ[ω] (>>627) に適用すると、
RP(R)/RI(R) は I(R)/P(R) に同型になる。

これは >>575 を R に適用した場合の別証明になっている。

655 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 08:08:54
補題
R = [1, fω] を2次体 Q(√m) の整環とする。
Z[ω] の元 α に対して α ∈ R で αR が正則であるためには

α ≡ a (mod fZ[ω]) で gcd(a, f) = 1 となる有理整数 a が
存在することが必要十分である。

証明
α ∈ R で αR が正則とする。
α ∈ R なら α = a + bfω と書ける。

αR が正則だから αZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。

α ≡ a (mod fZ[ω]) だから aZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
gcd(a, f) ≠ 1 とすると a と f を割る素数 p がある。
p を含む Z[ω] の素イデアル P をとれば aZ[ω] + fZ[ω] ⊂ P
となって矛盾。
よって gcd(a, f) = 1 である。

逆に α ≡ a (mod fZ[ω]) で gcd(a, f) = 1 となる有理整数 a が
あるとする。

αZ[ω] + fZ[ω] = aZ[ω] + fZ[ω] = Z[ω] である。
よって αR は正則である。

証明終

656 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 08:46:28
訂正

>>470
>A の0でない分数イデアル全体は乗法により群となる。

A の0でない可逆分数イデアル全体は乗法により群となる。


657 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 08:48:17
定義
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。
A の分数イデアルで m と素なもの全体は
可逆分数イデアル群 I(A) (>>470) の部分群となる。
これを I(m) と書く。

A の単項分数イデアルで m と素なもの全体は
単項分数イデアル群 P(A) (>>471) の部分群となる。
これを P(m) と書く。

658 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 09:06:55
命題
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。

I(m)/P(m) は I(A)/P(A) に標準的に同型である。

ここで, I(m) と P(m) は >>657 で定義したもの。

証明
I(m) → I(A) を包含写像とする。
この核は P(m) である。

よって標準単射 I(m)/P(m) → I(A)/P(A) が得られる。
>>573 より、これは全射である。
証明終

659 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 09:18:38
定義
A を Dedekind 環とする。
a ≠ 0 を A の元とする。

I(aA) (>>657) をI(a) と書く。
同様に、P(aA) を P(a) と書く。


660 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 10:31:31
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
I = (A : B) を A の導手とする。

J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
J に A ∩ J を対応させることにより B のイデアルで I と
素なものと A の正則なイデアルとの1対1の対応が得られる。

証明
J ≠ 0 を B のイデアルで I と素とする。
>>557 より A ∩ J は正則な A のイデアルで (A ∩ J)B = J となる。

よって J に A ∩ J を対応させる写像は単射である。

逆に J_0 を A の正則なイデアルとする。
定義(>>550)より (J_0)B は I と素である。
よって >>557 より A ∩ (J_0)B は正則であり
(A ∩ (J_0)B)B = (J_0)B となる。
よって >>556 より A ∩ (J_0)B = J_0 である。

よって J に A ∩ J を対応させる写像は全単射である。
証明終

661 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 10:56:13
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

I(f) (>>657) と RI(A) (>>572) は標準的に同型である。

証明
>>660 より明らかである。

662 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 11:26:42
補題(高木:代数的整数論)
A を Dedekind 環とする。
m ≠ 0 を A のイデアルとする。
xA を P(m) (>>657) の元とする。

このとき aA + m = A、bA + m = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J で I + m = A, J + m = A となる
A のイデアル I と J がある。

前スレ2の785より
JL = bA で L + m = A となる b ∈ A がある。
J + m = A だから JL + m = A である(前スレ1の340)。
同様に I + m = A だから IL + m = A である。

xA = IL/JL = IL/bA

IL = xbA である。
よって a = xb とすればよい。
証明終

663 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 16:28:11
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。
I を A の正則イデアルとする。

このとき I の元 a で aA = IL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

証明
>>552 より I を含む A の素イデアルは正則である。
よって I + f = A である。

中国式剰余定理(前スレ1の341)より
a ≡ 0 (mod I)
a ≡ 1 (mod f)
となる a ∈ A がある。

a ∈ I だから aA ⊂ I である。
a ≡ 1 (mod f) だから b ∈ f があり a + b = 1 である。
よって aB + f = B である。
つまり aA は正則イデアルである。

I は正則だから可逆である(>>559)。
L = aA/I とおけば L は正則イデアルである。
aA = IL である。
証明終

664 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 16:45:17
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

xA を RP(A) (>>572) の元とする。

このとき aA + f = A、bA + f = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。
>>663 より I の元 b で bA = IL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。
IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。
証明終

665 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 17:00:43
>>664 を以下のように訂正する。

補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

xA を RP(A) (>>572) の元とする。

このとき aA + f = A、bA + f = A となる
A の元 a と b が存在して、xA = aA/bA となる。

証明
定義から xA = I/J となる正則なイデアル I と J がある。
>>663 より J の元 b で bA = JL となるものが存在する。
ここで L は正則イデアルである。

xA = I/J = IL/JL = IL/bA である。
IL は正則で IL = bxA だから b = ax とすれば xA = aA/bA となる。
証明終

666 :132人目の素数さん:2007/02/12(月) 17:51:00
45

667 :132人目の素数さん:2007/02/12(月) 17:52:00
44

668 :132人目の素数さん:2007/02/12(月) 17:53:00
43

669 :132人目の素数さん:2007/02/12(月) 17:54:00
42

670 :132人目の素数さん:2007/02/12(月) 17:55:00
41

671 :132人目の素数さん:2007/02/12(月) 17:56:00
40

672 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 20:01:52
定義
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

P_A(f) = {(a/b)B; a ∈ A, b ∈ A, aA と bA はともに正則}
と書く。

P_A(f) は明らかに P(f) (>>657) の部分群である。

673 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/12(月) 20:11:39
命題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。

証明
>>661 より I(f) と RI(A) は標準的に同型である。
この同型では I と J が A の正則なイデアルのとき
I/J には IB/JB が対応する。

よって >>664>>672 より、この同型は P_A(f) と RP(A) の同型を
引き起こす。
証明終

674 :132人目の素数さん:2007/02/14(水) 08:39:00
39

675 :132人目の素数さん:2007/02/14(水) 08:40:00
38

676 :132人目の素数さん:2007/02/14(水) 08:41:00
37

677 :132人目の素数さん:2007/02/14(水) 08:42:00
36

678 :132人目の素数さん:2007/02/14(水) 08:43:00
35

679 :132人目の素数さん:2007/02/14(水) 08:44:00
34

680 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/14(水) 21:29:19
補題
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。
I を B のイデアルで I + f = B とする。

このとき I ∩ A の元 a で aB = IL となるものが存在する。
ここで L は B のイデアルで L + f = B となる。

証明
>>660 より I ∩ A は A の正則イデアルである。
>>663 より I ∩ A の元 a で aA = (I ∩ A)J となるものが
存在する。ここで J は正則イデアルである。
aB = (I ∩ A)B(JB) であるが >>660 より (I ∩ A)B = I である。
よって aB = I(JB) である。L = JB とすればよい。
証明終

681 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/14(水) 22:39:49
A を1次元のネーター整域とし K をその商体とする。
A の K における整閉包を B とし、B は A-加群として有限生成とする。
f = (A : B) を A の導手とする。

αを B の元で α + f ∈ (B/f)^* とする。
つまり、α + f は剰余環 B/f の可逆元である。
よって αγ ≡ 1 (mod f) となる γ ∈ B がある。
よって αB + f = B である。
αγ - 1 ∈ f ⊂ A だから αγ ∈ A である。

βを B の元で α ≡ β (mod f) とする。
αγ ≡ βγ (mod f) だから βγ ≡ 1 (mod f) である。
よって αγと同様に βγ ∈ A である。

(αB)(βγB) = αβγB
(βB)(αγB) = αβγB
よって (αB)(βγB) = (βB)(αγB)
よって αB と βB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。
ここで P(f) は >>657 で、P_A(f) は >>672 で定義したものである。
よって、アーベル群としての射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) が
定まる。

682 :132人目の素数さん:2007/02/15(木) 18:48:00
35

683 :132人目の素数さん:2007/02/15(木) 18:49:00
34

684 :132人目の素数さん:2007/02/15(木) 18:50:00
35

685 :132人目の素数さん:2007/02/15(木) 18:51:00
34

686 :132人目の素数さん:2007/02/15(木) 18:52:00
33

687 :132人目の素数さん:2007/02/15(木) 18:53:00
32

688 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/15(木) 20:20:13
補題
>>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。

証明
P(f) の元は αB = I/J と書ける。ここで α ≠ 0 は K の元で、
I と J は B のイデアルでともに f と素である。

>>680 より J ∩ A の元 c で cB = JL となるものが存在する。
ここで L は B のイデアルで f と素である。

αB = I/J = IL/JL = IL/cB
IL = αcB だから αc = β とおけば β ∈ B で βB は f と
素である。つまり βB∈ P(f) である。
αB = βB/cB だから βB と αB は P(f)/P_A(f) の同じ剰余類に属す。
φ の定義から、この剰余類は φ(β + f) である。
証明終

689 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/15(木) 21:00:39
補題
A と B は >>681 と同じものとする。

p : B → B/f
π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^*
を、それぞれ標準写像とする。

α ∈ B^* なら p(α) ∈ (B/f)^* だから α に πp(α) を
対応させて、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* が得られる。
この核は A^* である。

証明
α ∈ B^* で p(α) ∈ (A/f)^* なら p(α) = p(a) となる a ∈ A
がある。
α - a ∈ f ⊂ A だから α ∈ A である。
よって、射 B^* → (B/f)^*/(A/f)^* の核は A^* である。
証明終

690 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/15(木) 21:13:10
命題
>>681 の射 φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) の定義より
φ((A/f)^*) ⊂ P_A(f) である。
よって φ は射 φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) を引き起こす。
このとき、次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) → 0

証明
p : B → B/f
π: (B/f)^* → (B/f)^*/(A/f)^*
を、それぞれ標準写像とする。

>>688 より φ: (B/f)^* → P(f)/P_A(f) は全射である。
よって φ~: (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) も全射である。

>>689 より
0 → B^*/A^* → (B/f)^*/(A/f)^*
は完全である。

残るは φ~ : (B/f)^*/(A/f)^* → P(f)/P_A(f) の核が
B^*/A^* の像と一致することである。

α ∈ B で αB + f = B とする。
つまり p(α) ∈ (B/f)^* である。
さらに αB ∈ P_A(f) とする。
P_A(f) の定義(>>672)から αB = aB/bB となる。
ここで、a ∈ A, b ∈ A で aA と bA はともに正則である。
αbB = aB より αb = aε となる ε ∈ B^* がある。
p(αb) = p(aε) だから p(α)p(b) = p(a)p(ε)
p(b) ∈ (A/f)^*、p(a) ∈ (A/f)^* だから πp(α) = πp(ε)
証明終

691 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/15(木) 21:32:35
>>690 の系

次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → I(f)/P_A(f) → I(f)/P(f) → 0

証明
>>690 より明らかである。

692 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/15(木) 21:39:26
>>690 の系

次の完全系列が成り立つ。

0 → B^*/A^* → (B/I)^*/(A/I)^* → RI(A)/RP(A) → Pic(B) → 0

証明
>>673 より I(f)/P_A(f) は標準的に RI(A)/RP(A) に同型である。

>>658 より I(f)/P(f) は Pic(B) = I(B)/P(B) に標準的に同型である。

よって >>691 より明らかである。
証明終

693 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/15(木) 23:11:18
>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。
よって >>691 から >>547 の別証が得られる。

A が2次体 Q(√m) の整環で B が Q(√m) の主整環の場合には
>>654 からも RI(A)/RP(A) と I(A)/P(A) が標準的に同型であることが
分かる。

>>654 の証明は、2次形式の初等的な結果 >>648 を元にしており、
>>575 の証明より古典的である。

694 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/16(金) 21:05:09
>>693
>>>575 から RI(A)/RP(A) は I(A)/P(A) と標準的に同型である。
>よって >>691 から >>547 の別証が得られる。

>>575>>547 から証明しているので、これは正確には別証とは
言えない。>>575>>547 とは関係なく証明したいところだが、
今のところ(2次体は別にして)思いつかない。
誰か分かるひといますか?

695 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 10:11:00
36

696 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 10:12:00
35

697 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 10:13:00
34

698 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 10:14:00
33

699 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 10:15:00
32

700 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 10:16:00
31

701 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 11:21:03
2次形式による有理整数の表現の問題を考える。
この問題は歴史的には初等整数論の中心的位置を占めていた。
この問題を解く努力から Gauss の2次形式論が生み出された。

ax^2 + bxy + cy^2 を判別式 D の2次形式とする。
D は平方数でないとする。

m を有理整数として不定方程

m = ax^2 + bxy + cy^2

を考える。

この不定方程式に有理整数解があるとき m は2次形式
ax^2 + bxy + cy^2 で表現されるという。

解 (s, t) で gcd(s, t) = 1 となるものがあるとき
m は ax^2 + bxy + cy^2 で固有に表現される
(properly represented)という。

702 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 12:07:26
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式として
m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。

gcd(p, r) = 1 だから ps - rq = 1 となる s と q がある。

>>401 より
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

ここで
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2

つまり m の固有表現 m = f(p, r) から f(x, y) と同値な2次形式
mu^2 + luv + kv^2 が得られる。

703 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 12:15:50
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
m = f(p, r) を有理整数 m の固有表現(>>701)とする。
このとき m ≠ 0 である。

証明
D を f(x, y) の判別式とする。
>>702 において
D = l^2 - 4mk (>>281) で D は平方数でないと仮定してるから
m ≠ 0 である。
証明終

704 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 12:25:51
今後、特に断らない限り2次形式の判別式は平方数でないとする。

705 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 12:32:19
補題
ax^2 + bxy + cy^2 を判別式が D の2次形式とする。

このとき ac ≠ 0 で

D ≡ 0 または 1 (mod 4)
かつ
D ≡ b (mod 2)
である。

証明
D = b^2 - 4ac で D は平方数でないから(>>704) ac ≠ 0 である。

D = b^2 - 4ac より D ≡ b^2 (mod 4)
よって D ≡ 0 または 1 (mod 4) である。
D が偶数なら b^2 ≡ 0 (mod 4) より b も偶数である。
D が奇数なら b^2 ≡ 1 (mod 4) より b も奇数である。
即ち D ≡ b (mod 2) である。
証明終

706 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 12:43:16
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。
f(x, y) = 0 の有理整数解は (0, 0) のみである。

証明
x = 0 が f(x, y) = 0 の解とすると cy^2 = 0 である。
>>705 より c ≠ 0 であるから y = 0 である。
同様に y = 0 が f(x, y) = 0 の解なら x = 0 である。

従って、f(x, y) = 0 に (0, 0) 以外の解 (x, y) があれば
xy ≠ 0 である。従って、d = gcd(x, y), x = dx', y = dy' と
おけば 0 = f(x', y') は 0 の固有表現である。
しかし、これは >>703 よりあり得ない。
証明終

707 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 12:54:38
u^Au=0
u^S^RSu=0
rija^ijaji=0


708 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 14:07:11
命題
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 を2次形式とする。

有理整数 m に対して
S(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), (x , y) ≠ (0, 0)}
P(f, m) = {(x, y) ∈ Z^2; m = f(x, y), gcd(x, y) = 1}
とおく。

このとき、全単射 φ: S(f, m) → ∪P(f, m/(d^2)) が存在する。
ここで ∪P(f, m/(d^2)) の d は d^2 が m の約数となるような
d ≧ 1 を動く。

証明
(x, y) ∈ S(f, m) とする。
(x , y) ≠ (0, 0) だから d = gcd(x, y) は 0 でない。
x = dx', y = dy' とすれば m = f(x, y) = (d^2)f(x',y') である。
gcd(x', y') = 1 だから (x', y') ∈ P(f, m/(d^2)) である。
φ(x, y) = (x', y') と定義すればよい。
証明終

709 :132人目の素数さん:2007/02/17(土) 14:12:19
くんまさん
今までの全部まとめた本出す予定ありますか?

710 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 14:17:29
m = ax^2 + bxy + cy^2 において x = 0 のときは m = cy^2 となり
これは簡単に解ける。y = 0 の場合も同様である。

よって不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 は (x , y) ≠ (0, 0)
の場合が解ければよい。

よって >>708 により有理整数の2次形式による表現の問題は固有な表現の
問題に帰着する。

711 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 14:23:53
>>709

今はその予定はありません。
全部書き終わったら、そのとき考えます。
しかし、今まで書いた部分は全体の1割くらいなんで、まだまだ先は長いです。

712 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 18:23:00
2次形式 f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 と
g(u, v) = mu^2 + luv + kv^2 があり、
変換
x = pu + qv
y = ru + sv
により
g(u, v) = f(pu + qv, ru + sv) とする。
ここで p, q, r, s は ps - qr = 1 となる有理整数である。

>>401 より
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2
である。

ここで、行列 (p, q)/(r, s) (この記法に関しては>>196を参照)が
(1, q)/(0, 1) の場合を考える。
つまり、p = 1, r = 0, s = 1 である。
このとき
m = a
l = 2aq + b
k = aq^2 + bq + c
である。

よって2次形式 (a, b, c) (この記法に関しては>>328を参照)
は行列 (1, q)/(0, 1) ∈ SL_2(Z) により (a, l, k) に変換される。
ここで l ≡ b (mod 2a) である。
さらに >>281 より (a, b, c) と (a, l, k) の判別式は同じである。

713 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 18:24:13
>>712 の続き

逆に、2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、
l ≡ b (mod 2a) とする。
l = b + 2aq となる有理整数 q がある。

D = l^2 - 4ak = b^2 - 4ac
だから

4ak = l^2 - b^2 + 4ac = (b + 2aq)^2 - b^2 + 4ac
= 4aqb + 4a^2q^2 + 4ac

よって
k = aq^2 + bq + c

よって (a, b, c) は (1, q)/(0, 1) により (a, l, k) に変換される。

714 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 19:03:18
2次形式 (a, b, c) と (a, l, k) が同じ判別式 D を持ち、
l ≡ b (mod 2a) のとき
(a, b, c) と (a, l, k) は互いに平行な形式という(Dirichlet)。

>>237 で SL_2(Z) の元 S を S = (1, 1)/(0, 1) で定義した。
z を複素上半平面(>>199)の点とすると S(z) = z + 1 であった
(>>237)。

>>712>>713 より2次形式 (a, b, c) と (m, l, k) が互いに
平行な形式であるためには (a, b, c)S^n = (m, l, k) となる
有理整数 n が存在することが必要十分である。
ここで、(a, b, c)S^n の記法に関しては>>401を参照のこと。

715 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 19:46:36
2次形式 (a, b, c) に T = (0, -1)/(1, 0) (>>237) を作用させると
>>401 より (c, -b , a) となる。

(a, b, c) と (c, -b , a) は互いに相補的な形式という(Dirichlet)。

716 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 21:30:40
命題
m が 2次形式 (a, b, c) により固有に表現される(>>701)ためには
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値(>>302)
であることが必要十分である。

証明
m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>702 より
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。

逆に、(a, b, c) と (m, l, k) が同値とする。
f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。

(p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) があり、
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

u = 1, v = 0 とすれば、
f(p, r) = m である。

ps - qr = 1 だから gcd(p, r) = 1 である。
よって m は (a, b, c) により固有に表現される。
証明終

717 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/17(土) 21:53:37
命題(Gauss: Disquisitiones, art.154)
(a, b, c) を判別式 D の2次形式とし、m ≠ 0 を有理整数とする。
m が (a, b, c) により固有に表現される(>>701)なら、
D ≡ l^2 (mod 4m) となる有理整数 l が存在する。

証明
m が (a, b, c) により固有に表現されれば、>>716 より
ある有理整数 l, k があり (a, b, c) と (m, l, k) が同値になる。
D = l^2 - 4mk (>>281) だから D ≡ l^2 (mod 4m) である。
証明終

718 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/18(日) 12:20:51
2次形式 (a, b, c) が σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) により
(m, l, k) に変換されるとする。

f(x, y) = ax^2 + bxy + cy^2 とおく。
f(pu + qv, ru + sv) = mu^2 + luv + kv^2 である。

>>401 より
m = ap^2 + bpr + cr^2
l = 2apq + b(ps + qr) + 2crs
k = aq^2 + bqs + cs^2
である。

よって m = f(p, r) である。
つまり、(a, b, c)σ = (m, l, k) となる
σ = (p, q)/(r, s) ∈ SL_2(Z) に対して、
不定方程式 m = ax^2 + bxy + cy^2 の固有な解 (p, r) が得られる。

(a, b, c) をある (m, l', k') に移し、解 (p, r) を与える変換は
無数にある。このとき l', k' の取り得る値は任意ではありえない。
l', k' がどの程度の自由度をもつかを調べよう。

言い換えると、(a, b, c) が (p, q')/(r, s') ∈ SL_2(Z) により
(m, l', k') に変換されるとき、l', k' と l, k の関係を調べよう。

719 :Kummer ◆g2BU0D6YN2 :2007/02/18(日) 13:34:22
>>718の続き

ps - rq = 1
ps' - rq' = 1
だから
p(s'- s) - r(q'- q) = 0
よって
p(s' - s) = r(q' - q)
p と r は素だから q' - q = pt となる有理整数 t がある。
p(s' - s) = rpt より
s' - s = rt である。

l = (2ap + br)q + (bp + 2cr)s
l' = (2ap + br)q' + (bp + 2cr)s'
だから
l' - l = (2ap + br)pt + (bp + 2cr)rt
= 2a(p^2)t + 2brpt + 2c(r^2)t = 2mt
である。

よって (m, l, k) と (m, l', k') は互いに平行な形式(>>714)である。

(m, l', k') の判別式は (a, b, c) の判別式 D と同じだから(>>281)
D = (l')^2 - 4mk' より k' は (a, b, c) と l' により決まる。

720 :132人目の素数さん:2007/02/19(月) 20:09:00
33

721 :132人目の素数さん:2007/02/19(月) 20:10:00
34

722 :132人目の素数さん:2007/02/19(月) 20:11:00
33

723 :132人目の素数さん:2007/02/19(月) 20:12:00
32

724 :132人目の素数さん:2007/02/19(月) 20:13:00
31

725 :132人目の素数さん:2007/02/19(月) 20:14:00
30

726 :132人目の素数さん:2007/02/23(金) 09:19:00
29

727 :132人目の素数さん:2007/02/23(金) 09:20:00
28

728 :132人目の素数さん:2007/02/23(金) 09:21:00
27

729 :132人目の素数さん:2007/02/23(金) 09:22:00
26

730 :132人目の素数さん:2007/02/23(金) 09:23:00
25

731 :132人目の素数さん:2007/02/23(金) 09:24:00
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